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6)菊澤の著書の説明

2017年4月18日 (火)

限定合理性、コスト、組織の不条理

 多くの人たちが、「限定合理性」という言葉に戸惑っているかもしれません。しかし、その言葉の真の意味を追求しても無意味です。無限後退するだけです。

科学における言語は、すべて現象を説明するための道具です。

以下のような理解も可能です。

完全合理性=ある種のコストXがなし=0

限定合理性=ある種のコストXが発生>0

合理的人間は損得計算し、もしプラスなら行動し、マイナスなら行動しない。

完全合理性の人間:ベネフィット>コストならば行動する

限定合理性の人間は、ある種のコストXも計算に含めるので、以下の不等式が成立し、完全合理性とは異なる行動をするのである。

限定合理性の人間:ベネフィット<コスト+コストX 行動しない。

これが、不条理現象なのである。

関心のある人は、拙著『組織の不条理』を読んでみてください。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年4月16日 (日)

組織の不条理:東芝問題

  東芝問題は、いろんな観点から分析できるが、問題の一つは東芝が原子力ビジネスを安倍政権(政府)と共有した点にある(所有権理論問題)。

  あるビジネスを共有すると、ビジネスを効率的にマネジメントできない。なぜか。そのビジネスが生み出すプラスとマイナス効果も共有されるので、あえてマイナスを避けて、プラスを生み出すように、原子力ビジネスを効率的に扱わない。

  つまり、マイナスがでても政府がなんとかしてくれると思うのだ。共有しているからだ。これが東芝だけの私的所有であったならば、プラスとマイナス効果は直接自分に戻ってくるので、原子力ビジネス(米国のWH)でマイナスがでたときには、すぐにマイナスを最小にするように効率的に処理したはずだ。東芝の占領統治(米国WH)の失敗なのだ。

  この詳細については、拙著『組織の不条理』のあとがきを読んでほしい。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

また、拙著『組織の不条理』について、とてもうまくまとめた書評があるので、以下のコンサルティングファームのサイトを参考にしてほしい。

●WSA:拙著『組織の不条理』中公文庫の書評

http://www.w-s-a.jp/consul/wp/%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E4%B8%8D%E6%9D%A1%E7%90%86%E3%81%AF%E5%AE%9F%E3%81%AF%E5%90%88%E7%90%86%E7%9A%84%EF%BC%9F/

2017年3月22日 (水)

くまざわ書店で拙著「組織の不条理」出現

本日から、いろんな書店で拙著『組織の不条理』が販売。

さっそく、くまさわ書店では、ベストセラー「失敗の本質」を継ぐ組織論の名著として宣伝していただいています。

うれしいですね。

●アマゾン

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き

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拙著「組織の不条理」中公文庫の発売はじまる

菊澤です。

本日から、拙著『組織の不条理』中公文庫版が全国書店で発売されます。

本書は大東亜戦争の事例を用いて、組織は合理的に失敗するという不条理現象を理論的に分析するものです。特に、(1)ガダルカナル化現象、(2)インパール化現象という現象を理解してほしいと思っています。

これを理解すると、現代の不条理現象としてシャープのガダルカナル化、東京オリンピックのインパール化現象が理解できます。

関心のある人はぜひとも一読お願いします。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き

2016年12月20日 (火)

拙著『組織の不条理』

  拙著『組織の不条理』ダイヤモンド社が在庫切れで、中古が売れているので、おかしいと思ったら、次の本で、佐藤優さんと池上彰さんが拙著を取り上げてくれているのですね。ありがたいです。(特に、佐藤さんには、別の著書でも紹介していただき、感謝しています。)

  前にも勝間和代さんが取り上げてくれて、拙著『組織の不条理』は重版されましたが、(また、ダイヤモンド社には重版してほしいのですが、・・・たぶんこの本の担当者がいない状況で)

「僕らが毎日やっている最強の読み方」 単行本  – 2016/12/16 ...
池上 彰 (著),    佐藤 優 (著)

2016年3月17日 (木)

改訂版『組織の経済学』発売開始されました。

改訂版『組織の経済学入門』発売されました。表紙は、ほとんど同じですが、少しクールになっています。

ダイナミック・ケイパビリティに関心がある人はぜひ購入を!以下の3つの部分に説明されています。

(1)第2章の取引コスト理論の垂直的統合部分にダイナミック・ケイパビリティ論を展開。69ページから

(2)第2章の取引コスト理論の多国籍企業論のところに、ダイナミック・ケイパビリティ論を展開。93ページから

(3)第5章の戦略の経済学の最後にダイナミック・ケイパビリティ論を展開。300ページから

●アマゾンサイト

菊澤 研宗: 組織の経済学入門 改訂版

菊澤 研宗: 組織の経済学入門 改訂版

2016年2月15日 (月)

拙著『戦略学』ダイヤモンド社が5刷となりました。

 拙著『戦略学』ダイヤモンド社が5刷となりました。たくさんのみなさんに読んでいただき、感謝しております。

 この本では、ポパーの多元的世界観にもとづき、世界を(1)物理的世界、(2)心理的世界、(3)理論的世界の三つ区別し、三つの世界にアプローチすることによって、ビジネスの世界で競争優位を形成することができるという内容の本です。

(1)物理的世界への戦略アプローチとしてポーターの戦略論

(2)心理的世界への戦略アプローチとして心理会計論(行動経済学)

(3)理論的世界への戦略的アプローチとして取引コスト理論

関心のある人は、ぜひ一読お願いします。

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

2016年2月 7日 (日)

テキスト「組織の経済学」の改訂版

テキスト『組織の経済学入門』の改訂版が、3月中頃に出版されます。ダイナミック・ケイパビリティ論についての説明を大幅に追加しました。関心のある人は、ぜひ読んでください。

大きな点は、以下の点です。

(1)取引コスト理論の戦略部分のところに、取引コスト理論とダイナミック・ケイパビリティの関係を追加、

(2)同様に、多国籍企業論とダイナミック・ケイパビリティ論を追加。

(3)戦略の経済学の章を追加し、ここでも戦略論としてのダイナミック・ケイパビリティ論を追加。

(4)その他、こまごまと追加修正しました。

ダイナミック・ケイパビリティに関心のある人はぜひ購入してみてください。

●有斐閣
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641164765

菊澤 研宗: 組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ

菊澤 研宗: 組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ

2015年4月11日 (土)

制度論の限界とドラッカー・マネジメント

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

 この本では、経営学は科学的知識だけではなく、やはり哲学的な知識も必要だという点を説明しています。

 組織は人間から構成されているので、最終的には「真摯さ」とか、「気品」とか、「プライド」とか、いった要素がマネジメントには重要になります。

 こういったことに関心のある人は、一読、お願いします。

目次

第I部 経営学の科学主義とドラッカー

第1章 ドラッカーを読まない平凡な経営学者
ドラッカーなんて誰も読まない?
MBAでは最新の経営学は学べない
経営学における流行

第2章 米国で台頭する科学主義
人文学の危機
経営学における科学主義

第3章 統計学のお遊びになってしまった経営学
実証主義的でないものは無意味なのか
実証主義的研究は時間の無駄
相関関係と因果関係の違いとは
仮説が正しいかをどう確かめるか
「論理実証主義」との類似

第4章 科学的経営学が陥る「不条理」
経済合理的なマネジメントに潜む問題
経済学が仮定する「完全合理性」
限定合理性と経営学
経済合理的な人間が陥る不条理とは

第II部 ドラッカーの経営学を読む

第5章 ドラッカーの生い立ち
非科学的ドラッカー経営学の魅力
ヨーロッパにおける自由の伝統
ナチス全体主義の台頭
ニューヨークでの著作デビュー
「マネジメント」との運命の出会い
経営学界からの批判と実務界からの評価
ニューヨーク大学へ

第6章 ドラッカー経営学の目的とは
ドラッカーの本当の目的
経営に必要な「真摯さ」
反利益最大化仮説
経営者の役割は「顧客の創造」である
自由と責任、そして利益に対する考え方
ドラッカーは、株主をどう考えていたか

第7章 ドラッカーのマネジメント論
「マネジメント」とは何か
「目標による管理」の重要性

第8章 ドラッカーの経営組織論
「分権制」の本当の意味
「手段」となる部門を作ってはいけない
「人間主義」の意味と限界

第III部 人間主義的マネジメントとは――ドラッカー、カント、小林秀雄

第9章 経済主義と人間主義の統合としてのカント哲学
ドラッカー経営学とカント哲学
経済合理的マネジメントが陥る不条理
自律的な人間観
自由に付いてまわる責任
人間の自律性を引き出すマネジメント
カントの「目的王国」とドラッカーの「真摯さ」

第10章 日本人と自律的マネジメント
ドラッカー理論はきれいごとにすぎないか
福島原発事故に立ち向かう自衛隊員
山崎製パンの配送員がとった行動

第11章 小林秀雄「大和心」とマネジメント
科学的マネジメントの限界
小林秀雄の科学観と「大和心」
「大和心」とマネジメント
フィルムからデジタルへの移行は合理的な判断か
経済合理的マネジメントと人間主義的マネジメントの補完は、可能か

2014年8月17日 (日)

ペリュリュー島の中川大佐について

   さて、今年のお盆の番組は、NHKでもフジテレビでもペリュリュー島の中川大佐が取り上げられており、驚いた。もうネタがなくなったのだろうか。私は、中川大佐については、以下の本で書いた。

 NHKでは、洞窟陣地持久戦は、大本営からの...命令(陸軍か?海軍?共同?)とあったが、その正確性には若干疑問が残る。というのも、この戦法は、海軍の考えとは基本的に一致しないからである。海軍は、水際攻撃が終わると、自分たちの役割は終わるので、水際撃滅にこだわっていて、中川大佐とぶつかっていたはず。同じ陸海の衝突が、ラバウルで籠城する今村均のもとでも起こっていた。

 この点は、正確に調べる必要がある。私が読んだ戦史叢書では、もともと大本営は水際撃滅作戦を進めており、本土決戦でも水際撃滅作戦を指示していた。だから、九十九里の水際も強化していた。

 ところが、ペリリューの戦いで徐々に変化していったというような記述があったように覚えている。この戦いに関心をもっていた硫黄島も沖縄もさらに山下将軍のバギオも自律的に持久戦へと自律分散化していった印象なのだが・・・・

菊澤 研宗: 「命令違反」が組織を伸ばす (光文社新書)

菊澤 研宗: 「命令違反」が組織を伸ばす (光文社新書)

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