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2017年9月22日 (金)

秋の夜長は速読ではなく、精読はいかが・・・

 最近の日本人は、速読の傾向がある。どれだけ早く、かつ多くの本を読むか。こうした状況を憂いて、昔の人は、本をたくさん読むと、逆に馬鹿になるとかいう人もいた。

 僕も古い人間なので、精読を推奨する人間だ。われわれの時代は、難解な本をどのように理解するか、解釈するか、友人と競ったものだ。

 たとえば、ドストエフスキーの「罪と罰」。長編で、非常に難解だ。これをどのように解釈するのか。

  貧困という物理的状況(世界1)が、主人公のラスコリーニコフを殺人に導き、その後、その犯罪行為を正当化するために、理論武装する(世界3)。しかし、それでも彼の心理は満たされず、最後は、ソーニャに事実を告白し、彼女との愛を確信して、やっと安らぐ(世界2)。

  ポパーの世界3理論を知っていると、このように、整理することもできる。しかし、このような解釈はむなしいね・・・などなどと議論するのもいいね。

 秋の夜長には、読書を!

「ドストエフスキ...」の画像検索結果

ドストエフスキーのように、しつこく新制度派経済学について説明しています。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年8月16日 (水)

インパール作戦はいまでも考察する価値がある。

  昨日のNHKのインパール作戦は面白かった。

  第15軍司令官牟田口廉也中将は、「5000人死ねば(日本兵)、あれは取れる」
といった感じで作戦を展開していたという。

  これを、若き齋藤少尉が聞いて、愕然としており、
最後にいまだ生存している彼がこれを思い出し、
号泣している姿は、まさにドラマだった。

  しかし、牟田口のように、前線で長く戦っていた人間は、
感覚がマヒするのではないか。
よく、兵士がはじめは死体をみて驚いたが、
そのうち慣れてきて何とも思えなくなったという
証言をしているように。

  こういったことを考えると、ベテランとか、現場主義とか、
業績主義だけでは、限界があることがわかる。
環境に鈍感になるのだ。

●インパール作戦に関心のある人は

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年1月 1日 (日)

2017年謹賀新年

2017年 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

留学後は、なかなか研究成果を表に出すことができず、いろいろと四苦八苦してきましたが、今年は、これまでの研究成果を発表していきたいと思います。

今年は、「ダイナミック・ケイパビリティ」の年にしたいと思っていますので、みなさん、本年もよろしくお願いいます。

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2016年11月13日 (日)

シュールレアなアパレル産業に向けて

日本のアパレルは弱いといわれている。
 
こうした中、ルイヴィトンを魅了する第一織物社長の考えは、ハイテクではなく、ローテクが必要だという。たとえば、「ポリエステル100%なのに綿のような手触りを持つ生地、麻にしか見えない軽やかな生地など。見え方や質感など、人間の感覚に訴えかける商品」が有望だという。
 
つまり、私の言葉でいえば、こうですね。
「シュールレアリスティックな生地」を目指せ、これである。
 
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/092900020/100700010/?ST=print

2016年10月16日 (日)

PPMとは? ボブデュランの受賞で思い出したこと

 PPMというと、経営学者は、マッキンゼーのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを思い出すかもしれない。しかし、僕はピーター・アンド・ポール・アンド・マリーを思い出す。彼らは、ベトナム戦争反対、黒人公民権運動などで揺れる1960年代米国で、ボブデュランとともに活躍したフォークグループだ。

 

 さて、話は変わるが、僕は1980年代、防衛大学校で教えていた。当時、学内で英会話の練習ということで、米軍将校の奥さんを講師に招いて、グループ勉強会が開かれていた。そこで、話されることはたわいもない話題。米軍将校の奥さんたちは、みなきれいで、米軍将校が転勤するたびに、講師の奥さんも変わった。

 

 ある日の英会話。講師の奥さんが「みなさん、どんな曲が好きですか?」という質問からはじまった。各自、無理やり英語の曲を答えた。そして、僕の順番がきた。僕は、当時、たまたまどこかのレコード店で、ある懐かしのカセットテープを購入し、気に入っていのだった。

 

そして、純朴にも、何の配慮もなく、正直にPPMが好きといった。特に、悲惨な戦争(Cruel war)と答えた。そのとき、奥さんは、沈黙した。

 

 今から考えると、これは最悪の答え。何せ、それは反戦歌であり、米軍の存在のみならず、自己否定しているようなものだった・・・・・今となっては、誠にお恥ずかしい話。当時の僕には、英語の歌詞よりも、その曲自体が魅力的だった。まさに、ノンポリ世代。「不思議ちゃん」という感じか。

 

 ネットで、偶然、MMPのマリーが亡くなったという記事を見つけて、ふと思い出した。今はもう昔。

 

 

2016年10月10日 (月)

ノーベル経済学賞:ハートとホルムストローム

 昨年は、まったく知らない人がノーベル経済学賞を受賞していたので、ノベール賞に興ざめしていたが、今年は、オリバー・ハートとホルムストロームの有名人が受賞して良かった。

いずれも契約理論と呼ばれる分野の企業理論の研究者で、受賞して当然という研究者たちである。

 

前者は所有権理論を数理モデル化した研究者であり、ムーアやハロルド・デムセッツにもノーベル賞をあげてほしかった。後者は、初期のエージェンシー理論の数理モデルを展開した研究者である。

 

両者の簡単な説明は、私の教科書に書いてあるので、関心のある人は参考にしてほしい。

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菊澤 研宗: 組織の経済学入門 改訂版

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2016年7月31日 (日)

日本人の世界への挑戦

「Babymetal」、「ポケモンGO」、そして「シン・ゴジラ」。最近の、この一連の流れは、非常に興味深い。感動。感動。

別に、ヘビメタに関心があるわけではない。
まったくゲームにも関心がない。
もちろん、子供の頃ほど、ゴジラにも興味がない。

ただ、いずれも世界に挑戦し、世界を動かしつつある(すでに動かしている)点に、日本人として感動。世界に挑戦することがどれだけ難しいのか。われわれの世代はよく知っている。

2016年6月15日 (水)

日本一の踊り:阿波踊り

 いまから、もう約25年以上も前のことになるが(まだ髪も黒く)、自分にとって最初で最後であった「阿波踊り」を見た。

 はじめは、「盆踊りの大きくしたもの」という偏見があり、まったく関心がなかった。ところが、知り合いの人が、沿道の桟敷でみれる最高の場所のチケットをとってくれたのだ。こうして、しぶしぶ阿波踊りをみることになった。

 ところが、これがすごい。面白い、きれい、とにかく驚きの連続。すばらしいパフォーマンス。芸術に近いと思った。

 その後、青森のねぶたまつり、土佐のよさこい、その他の祭りをみたが、阿波踊り以上のものはなかった。

   その後、縁がなくて、もう25年以上も徳島にはいっていない。いつかまた阿波踊りをみに、徳島に遊びに行きたいものだ。いまは、もっと近代的で華やかになっているのだろうか?

  僕には、こういう経験があるので、いま世界が注目してる「babymetal」の踊りに、阿波踊りが取り入れられていることがすぐにわかった。

2016年4月 3日 (日)

日本の経営学関連学会の今後

 若い時から日本の経営関係学会に参加してきた。そして、いつの間にか、年配というか、年寄になってしまった。気持ちは若いのだが。

 この間、日本の学会も、学会を盛り上げるために、頑張ってきたと思う。一時、欧米の文献研究が中心であったために、実務に役に立たないといわれた。

 これを反省し、学会に実務家を呼ぶようになった。これは、ある程度、効果があったと思う。しかし、やがて、気が付いた。実務家は自分の企業についての話をせずに、一般論を語ることが多いということだ。だから、当然、飽きてくる。

 次に、学会を盛り上げるために、これまでの慣例を破り、若手に登壇の機会を増やし、学会を盛り上げようとした。これも、一時的に効果があった。しかし、やはり若手の議論には限界がある。

 そして、今は無理やりでも英語で報告するような機会を提供したり、女性研究者に登壇してもらったりして、学会を盛り上げている。

 しかし、最近、思うことは、いずれもテクニカルな方法にすぎないのではないかということだ。もうそろそろ、知識と知識、頭脳と頭脳で競うような本当の知的議論をすべきではないか。

 そのために、年配の研究者はもう自分たちの時代ではないといって、手抜きで報告してはならないと思う。あるいは、傍観者であってはならない。年配者として先導すべきではないか。

 本当の研究、本当の学問とはこんなものだ!ということを若い人たちに示さなければならない時期がきているのではないか。

 

2016年4月 2日 (土)

経営学は理論科学か、技術科学か、規範科学か

 昔、ドイツでは経営学の学問としての方向性をめぐって論争が起こった。というのも、経営学が経済学者によって「金儲け学問」として批判されたからだ。

 当時、3つの方向性が打ち出された。

(1)現実を理論的に説明することを目的とする理論学派

W.リーガー

(2)企業をめぐる病理現象を治す医学的な技術学派

E.シュマーレンバッハ

(3)企業にあるべき姿を示す規範学派

H.ニックリッシュ

  私の先生は、(1)の理論学派、特にリーガーを推進していたので、弟子として私も(1)の立場にあった。しかし、先生が亡くなり、自分自身も年を取ると、(2)の立場になり、さらに企業の病理を治すには、(3)の立場も必要だという考えにいまでは至っている。

  私の先生は若くして亡くなったのだが、実は最後は(2)の立場にいたように思える。というのも、ある出版社が、学説研究シリーズを企画しているとき、私の先生はリーガーではなく、「シュマーレンバッハ」を選んでいたからだ。

 「菊澤君、シュマーレンバッハだったら書くよ、いったんだよ」と笑っていっておられた。

 その後、先生は慶大図書館にあるシュマーレンバッハの本を全部集めていた。しかし、その本は出版されることはなかった。すでに癌が先生を蝕んでいたからである。

  シュマーレンバッハは、20世紀のドイツ自由経済社会が拘束経済社会へと変貌していることを病理現象とみなした。価格が自由に変化しない不健全な経済だ。そして、それが個別企業の固定費増加にあるとみなし、固定費削減政策こそが経営学の課題だと考えた。

 私は、企業の病理を「不条理」とみなしている。それは、全体と個別の不一致、効率性と正当性の不一致、短期と長期の不一致である。この不条理の原因と解決を菊澤経営学の課題だと思っている。

 この不条理を解決するために、新制度派経済学が必要であり、経営哲学が必要なのであり、そしてダイナミック・ケイパビリティが必要だと思っている。

菊澤 研宗: 組織の経済学入門 改訂版

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

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菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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