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新制度派経済学と限定合理アプローチの本

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日記・コラム・つぶやき

2021年1月19日 (火)

行き着くところはゲシュタルト心理学

  ドラッカーが、モダンの後にくるポストモダンを特徴づけるために、依存しようとしていたのは、モダンの象徴であるデカルト流の世界観を批判して登場したゲシュタルト心理学である。

 

  フランクフルト学派もまたデカルト的な世界観を批判して弁証法へと進み、ゲシュタルト心理学と関係してくる。

 

  さらに、ポパーもゲシュタルト心理学を認める。

 

 結局、行き着くところはゲシュタルト心理学のようである。

 

 つまり、全体としての形態(ゲシュタルト)は部分の総体ではない。一つひとうの音を聞いても、メロディー(短調や長調)は理解できない。逆に全体としてのメロディーによって一つひとつの音の良さが引き出されるという。

 

 ドラッカーによると、組織も同じなのである。したがって、新古典派の労働市場などによって、組織などは到底理解できないのである。

2021年1月 5日 (火)

日本政府、組織の不条理

ガダルカナル戦のように、逐次投入して撤退しないオリンピック。

 

インパール作戦のように、必ず失敗するといわれて強行したGoToキャンペーン。

 

そして、学徒出陣のように、医療現場崩壊で投入される院生・学生。

 

陸海軍の対立のように、政府と東京都の対立。

 

個別合理性、目先の合理性、形式合理性を追求し、合理的に失敗している。

 

 

 

まさに組織の不条理である。

 

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2020年8月18日 (火)

リスクと不確実性 どちらも解けない。

  数学と経験科学は区別する必要がある。とくに、不確実性下の意思決定論に関して。ナイトは、リスクと不確実性を区別する。リスクに対しては、ある程度、最適な解は得られるが、不確実性はまったく最適解が得れないという。

 

  しかし、実は、リスクに対しても最適解はえれないのだ。リスクに関わる問題に関して、大抵、フォン・ノイマン流にリスク回避、中立、愛好に分けて最適解が導出される。確かに、この解法は数学的には正解である。

 

  しかし、経験科学的には「貴方(あなた)しだい」「貴方のお好きなように」という答えと同じである。つまり、もしあなたの気分がリスク回避的ならば、これであり、もしあなたの気分がリスク愛好的ならばこうすればいい、そしてもしあなたの気分がリスク中立的ならばこうすればいいといっているにすぎない。つまり、あなたのお好きな通りといっているのである。では、実際に、どうすればいいのか。現実的には(経験科学的には)何が最適かわからないのである。 

 

  数学と経験科学は異なるのである。

 

  

2020年1月 4日 (土)

謹賀新年 最近の本の傾向

謹賀新年

2019年2月24日 (日)

サガン鳥栖について

 私は、サッカーに関するいわゆる超ファンではないが、次の2点に関心があり、最近、サガン鳥栖に関心をもっている。

(1)最近、なぜか私のブログみている人が佐賀県に多いこと。

(2)トーレスとクエンカが入団したこと。

 よくぞこれだけ有名な選手と契約したものだ、と拍手を送りたい。これだけの選手。サッカーファンでなくでも気になるのだ。

 開幕戦は、名古屋グランパスに敗れたが、今後は、トーレスとクエンカの活躍を期待したい。Jリーグは面白い。

 二人の選手、そして新監督のもとに、チームを再構成、再編成、再配置して戦ってほしい。サガン鳥栖のダイナミック・ケイパビリティに期待したい。

●ダイナミック・ケイパビリティ

https://president.jp/articles/-/27318

2018年10月29日 (月)

最近の日本の企業はなぜ衰退しているのか。

   日本企業はなぜ衰退しているのか。

  イノベーションが起こせないとか。M&Aに失敗しているとか。企業文化とか。いろいろと言っているが、結局、レベルが低いのだ。

 損得計算ばかりしているからだ。あれこれ忖度して、損得計算して、損するからやらない。得するからやる。これでは、因果法則に従って運動する物質と同じだ。品が悪いのだ。

 利益を高めないと、株主に怒られるとか、利益を出さないと、株主が逃げるとか言っている経営者が多い。損得計算ではなく、株主に好きになってもらうことが重要なのだ。株主をファンにしなければならないのだ。

 ドラッカー的にいえば、ファンを創造する必要があるのだ。

 魅力のない経営者は、経営者として失格なのだ。損得関係にある株主は赤字になると文句いうし、いなくなる。しかし、経営者に魅力があり、企業に魅力があり、好きになってくれる株主や投資家がいれば、彼らは赤字になっても逃げない。逆に応援してくれるものだ。

 そんな経営者があまりにも少ない。だから、日本企業は衰退しているのである。

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

2018年8月22日 (水)

高校野球決勝戦に見る歴史

  100回記念大会、決勝戦、大阪桐蔭と金足農の戦い。

いろんな見方があるだろう。

 
 これは、かつての日米決戦と似ていて、戦前の予想では、冷静に科学的に分析すれば、ほぼ90%以上、大阪桐蔭が優位であった。
 
 それでも日本人の多くは、金足農の勝利を期待したのではないか。何か非科学的なものを信じたのではないか。精神主義が復活していたのではないか。
 
 太平洋戦争、もう70年も前のことだいうのか、まだ70年しかたっていないのかと思うか。
 

2018年8月 8日 (水)

戦争について考える季節

    毎年、8月には戦争について考えてみたいものだ。

 人間はなぜあのような愚かなことをするのか。極限的な事例や現象があまりにも多くみられる。

 いまでもガダルカナルの辻政信やインパール作戦の牟田口廉也のような人が存在するのである。

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菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤研宗: 改革の不条理 日本の組織ではなぜ改悪がはびこるのか (朝日文庫)

菊澤研宗: 改革の不条理 日本の組織ではなぜ改悪がはびこるのか (朝日文庫)

2017年9月22日 (金)

秋の夜長は速読ではなく、精読はいかが・・・

 最近の日本人は、速読の傾向がある。どれだけ早く、かつ多くの本を読むか。こうした状況を憂いて、昔の人は、本をたくさん読むと、逆に馬鹿になるとかいう人もいた。

 僕も古い人間なので、精読を推奨する人間だ。われわれの時代は、難解な本をどのように理解するか、解釈するか、友人と競ったものだ。

 たとえば、ドストエフスキーの「罪と罰」。長編で、非常に難解だ。これをどのように解釈するのか。

  貧困という物理的状況(世界1)が、主人公のラスコリーニコフを殺人に導き、その後、その犯罪行為を正当化するために、理論武装する(世界3)。しかし、それでも彼の心理は満たされず、最後は、ソーニャに事実を告白し、彼女との愛を確信して、やっと安らぐ(世界2)。

  ポパーの世界3理論を知っていると、このように、整理することもできる。しかし、このような解釈はむなしいね・・・などなどと議論するのもいいね。

 秋の夜長には、読書を!

「ドストエフスキ...」の画像検索結果

ドストエフスキーのように、しつこく新制度派経済学について説明しています。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年8月16日 (水)

インパール作戦はいまでも考察する価値がある。

  昨日のNHKのインパール作戦は面白かった。

  第15軍司令官牟田口廉也中将は、「5000人死ねば(日本兵)、あれは取れる」
といった感じで作戦を展開していたという。

  これを、若き齋藤少尉が聞いて、愕然としており、
最後にいまだ生存している彼がこれを思い出し、
号泣している姿は、まさにドラマだった。

  しかし、牟田口のように、前線で長く戦っていた人間は、
感覚がマヒするのではないか。
よく、兵士がはじめは死体をみて驚いたが、
そのうち慣れてきて何とも思えなくなったという
証言をしているように。

  こういったことを考えると、ベテランとか、現場主義とか、
業績主義だけでは、限界があることがわかる。
環境に鈍感になるのだ。

●インパール作戦に関心のある人は

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

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