慶応大学菊澤ゼミナールHP

私の趣味

私の著書

●ドラッカー

2016年7月 5日 (火)

すでに起こった未来

     最近、私は失敗事例よりも成功事例に関心を持っています。考え方次第ですが、ダメな人間の失敗事例を分析しても意味がありません。

  しかし、成功事例にこそ、ダイヤが眠っている可能性があります。なぜ成功したのか、それをしっかり分析できないと、後に敗れるケースが結構多いです。

(1) ゲーム業界で、ソニーが任天堂に勝ったとき、すでにプラットホーム・ビジネスが展開されていたこと。

(2) 日本がマレー沖海戦に勝利したとき、すでに航空機で戦艦を沈没でき、戦艦の時代が終わっていたこと。

つまり、成功事例の中に、ドラッカー流にいえば「すでに起こった未来」があるということ、つまり「すでに未来が起こっていた」ということです。これを読みとれるかどうかです。

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

2016年7月 4日 (月)

ドラッカーの凄さ

最近、ドラッカーのシュムペーターとケインズに関する論文を読んだ。あらためてドラッカーの凄さ、洞察力の凄さを知った。知識の浅い学者には、ドラッカーの凄さを理解できないだろう。

あらためて、ドラッカーがシュムペーターに影響を受けていることを知った。ドラッカーの凄さは、新古典派経済学における利益とシュムペーターのいう経済世界の利益の意味の違いについて深い考察と理解をしている点である。

新古典派経済学では、利益の存在は説明できない(というのも均衡ではゼロとなる)、あるいは単なる投資家への賄賂にすぎないという。しかし、シュムペーターの考えるイノベーションが発生する世界では、利益は道徳的特徴をもつ。つまり、それは将来にわたって雇用を維持し、雇用を増大させるためのコストだという。つまり、イノベーションという自由行使に対する責任コストであるというのだ。

前者の利益観は米国の企業の考えで、後者はかつての日本企業の考え方。だから、日本企業には内部留保が多かったのだ。

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

2014年11月25日 (火)

クリステンセンがドラッカーについて語る

私の専門は、新制度派経済学ですが、制度論には限界があります。制度にばかり依存すると人間は「不条理」に陥ります。また、経済合理性を追求すると、「不条理」に陥ります。

ではどうすれば、不条理を回避できるか、そのヒントを示しているのがドラッカーです。ドラッカーは、米国でも日本でも役に立たない、無視されている、という人もいるようですが、それは軽率な見方です。

私の大好きなクリステンセンが私の大好きなドラッカーについて語っています。奇跡のコラボです。しかし、クリステンセンがドラッカーのことを気に入っていることは、前から予想がついていました。

●HBR

https://hbr.org/2014/11/clay-christensen-on-peter-drucker もっと見る



クリステンセンが、やはり経営者にはintegrity(真摯さ)が必要だということを、有名雑誌「NewYorker」で書いている記事を読んでいたからです。私は、この記事で、クリステンセンのファンになりました。(もともと好きではなかったのですが・・・)

これからは技術のイノベーションだけではなく、まさにマネジメントが重要になるといっています。また、最近の計量的な研究についても批判的です。やっぱり、ハーバードのクリステンセンは、奥が深いです。統計ソフトに溺れた実証経営学者など、議論が浅くてだめです。

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)



2014年8月20日 (水)

最後に頼るのはルールか良心か

   いま高校野球で、大量得点で勝っているチームがさらに得点をあげるために徹底的に盗塁したことに疑問が寄せられている。  

「対戦相手を侮辱するにも程がある」  

 これに対する反論の中で気になったことがある。それは、「そんなことをやってはいけないというルールがないので、いいのだ」という主張だ。

 ルール主義や規則主義に、実は私は疑問をもっている。  ルールや規則、そして法律を守ることは、現代の法治国家では当然のことだ。だから、法律を学んだ人や会計を学んだ人は、ルール主義や規則主義になる。たぶん、そうすることが、正義だと思うのかもしれない。

 もちろん、ルールや規則を守ることは重要だ。しかし、私の経験では、このようなルール絶対主義の人々はリーダーに向いていない。彼らはルールや規則に逃げているのだ。ときには、思考を停止しているといいたいときもある。簡単なのだ。

 私がいいたいのは、今日、あまりにもたくさんのルールや規則や法律があり、実はほとんどの人間がそれを完全に守ることが難しい状況にあるということだ。だから、どこかでルール違反をしているのだ。無意識のうちに。したがって、ルール主義を徹底すると、どこかに矛盾おこる。  

  私は、人間は完全にルールや規則に従うことができないと思うし、またルールや規則も完全ではないので、常に変更すべきものだと思っている。

   したがって、われわれが最後に頼りにするのは、実はルールや規則ではなく、その人の理性であり、良心であり、誠実さであり、真摯さだと思う。ドラッカーの言葉を借りると、リーダーにはintegrityが必要だということ。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2014年5月27日 (火)

自由とヨーロピアン知の巨人

   先週末より体調を崩していたが、現在、かなり回復。この間、時間があったので、久しぶりにE.H.フロムの「自由からの逃走」やハンナ・アレーントなどを少しだけ読んだ。

   やはりこのころのドイツ、オーストリアはすごい。すごい人物がたくさんいる。しかも、相互作用している。ドラッカーなどもかかわっており、かつて、フロムとドラッカーは、同じニューヨークの女子大で教えていた。

 当時のヨーロピアンは、カント流にいうと、理論理性によって支配されつつあるヨーロッパに対して、いかにして実践理性的世界を守るか。つまり、自由を擁護するかだった。    

  現在の米国は、統計ソフトを使った実証主義的研究に明け暮れているので、思考停止状態になっている。ここからは、新しい思想は出てこない。完全に理論理性によって支配されているからだ。

 ナチスから逃れて、米国にたどり着き、そこに「輝くような自由」をみたかつてのヨーロピアン(知の巨人たち) には、現在の米国がどう見えるのだろうか?

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2011年10月25日 (火)

明日10月26日水曜2回目のドラッカー講義(朝日カルチャーで)

明日10月26日水曜日は、新宿住友ビル7階の朝日カルチャーで、第2回目のドラッカー講義を行います。

今回は、ドラッカー・マネジメントの本質として、彼の人間主義的マネジメントの全体をできるだけやさしく説明します。

まず、ドラッカーの思想の源泉となっている彼の生い立ちについて説明し、

次に、ドラッカーの人間主義的マネジメントとはどういうマネジメントなのかを説明します。

最後に、ドラッカーの人間主義的マネジメントの具体的なイメージについてお話します。

●関心のある人は、1回だけでも参加できますので、直接、朝日カルチャーに連絡してください。(以下のwebから入ってください)

●当日でも参加できると思います。

●全部で3回講義しますが、毎回、1つのテーマで完結したお話をしますので、第2回目だけでも、第3回目だけでも問題ないと思います。

●とにかく、料金は安いので、関心のある人はぜひともご参加ください。

1回目10月12日水曜日18時30~20時頃

2回目10月26日水曜日上記同じ

3回目11月9日水曜日上記同じ

●朝日カルチャーのドラッカー講座

http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=133295&userflg=0

http://www.asahiculture.com/LES/list.asp?JCODE=0001&CACODE=00&PJ=1&NECODE=201110&PCOCODE=00#00

2011年10月14日 (金)

ドラッカーの講座に来ていただき、感謝しております。

昨日は、私のドラッカー講座に来ていただき、感謝しております。

今回は、ドラッカー流とか、ドラッカー的とかいったお話ではなく、ドラッカーそのものの学説についてお話するつもりです。

この講義を理解していただけると、ドラッカーのマネジメントの奥深さを知ってもらえるのではないかと思っております。

関心のある方は2回目からでもOKです。連続した話しではなく、毎回まとまったお話をしますので、気楽に参加していただけると、たすかります。

2011年10月 9日 (日)

ドラッカー講座10月12日水曜から新宿ではじまります。

●10月12日水曜日から新宿住友ビルの朝日カルチャーセンターで「ドラッカー講座を」開きます。

●1回目は、今回の震災を通して、経験科学としての経営学には限界があることをお話します。やはり、科学だけではなく、哲学も必要なのだということ、そしてまさにそのような議論をしていたのが、ドラッカーなのだということです。

●したがって、第1回目は、導入部分です。科学の方法論の話、新制度派経済学の限界などについて説明し、ドラッカーがなぜいま重要なのかについてお話してみたいと思います。

●関心のある人は、1回だけでも参加できますので、直接、朝日カルチャーに連絡してください。

●当日でも参加できると思います。

●全部で3回講義しますが、毎回、1つのテーマで完結したお話をしますので、第2回目だけでも、第3回目だけでも問題ないと思います。

●とにかく、料金は安いので、関心のある人はぜひともご参加ください。

1回目10月12日水曜日18時30~20時頃

2回目10月26日水曜日上記同じ

3回目11月9日水曜日上記同じ

●朝日カルチャーのドラッカー講座

http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=133295&userflg=0

http://www.asahiculture.com/LES/list.asp?JCODE=0001&CACODE=00&PJ=1&NECODE=201110&PCOCODE=00#00

2011年10月 5日 (水)

ドラッカー講座がはじまります

朝日カルチャーでドラッカー講座をはじめます。関心のある人はぜひご参加ください。

朝日カルチャーセンター10月12日水曜日から3回

http://www.asahiculture.com/LES/list.asp?JCODE=0001&CACODE=00&PJ=1&NECODE=201110&PCOCODE=00#00

http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=133295&userflg=0

第1回目は、科学の限界についてお話し、いまドラッカーのような経営哲学が必要なのだということをできるだけ明確にお話してみたいと思います。

クリックすると新しいウィンドウで開きます

2011年6月10日 (金)

6月13日発売「週刊ダイヤモンド」でドラッカーの経営哲学について語る。

6月13日発売の「週刊ダイヤモンド」はドラッカー特集だ。そこで、ドラッカーの経営哲学について書いているので、関心のある人はぜひ読んでもらいたい。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0053H8QWY/kikuzawakensh-22

目次

特集
【エッセンシャル版】
ドラッカー

Part 1 ドラッカーが語りかける
ドラッカーの「人生相談」
Diagram 図解 世界に広がる交流関係図
Interview 柳井 正●ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長
Diagram 図解 ドラッカー本の世界
Diagram 3分間でわかる『もしドラ』の世界
Interview 為末 大●プロ陸上選手

Part 2 ドラッカーを活用する
非営利組織編 ドラッカー思想を体現のNPO
Column 震災の復興支援で問われる真価
企業編 教えどおりに経営し躍進のキヤノン電子
Interview 山口純史●ルネサスエレクトロニクス会長

Part 3 ドラッカーが全てを教える
誌上講義 経営哲学 カントと重なる人間主義哲学 (菊澤登場)
誌上講義 会計 ドラッカーは会計も教えてくれた
誌上講義 教育 子どもを育てるための9ヵ条

Part 4 ドラッカーのマネジメント
20の名言・至言で解き明かす真髄

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