リスクと不確実性 どちらも解けない。
数学と経験科学は区別する必要がある。とくに、不確実性下の意思決定論に関して。ナイトは、リスクと不確実性を区別する。リスクに対しては、ある程度、最適な解は得られるが、不確実性はまったく最適解が得れないという。
しかし、実は、リスクに対しても最適解はえれないのだ。リスクに関わる問題に関して、大抵、フォン・ノイマン流にリスク回避、中立、愛好に分けて最適解が導出される。確かに、この解法は数学的には正解である。
しかし、経験科学的には「貴方(あなた)しだい」「貴方のお好きなように」という答えと同じである。つまり、もしあなたの気分がリスク回避的ならば、これであり、もしあなたの気分がリスク愛好的ならばこうすればいい、そしてもしあなたの気分がリスク中立的ならばこうすればいいといっているにすぎない。つまり、あなたのお好きな通りといっているのである。では、実際に、どうすればいいのか。現実的には(経験科学的には)何が最適かわからないのである。
数学と経験科学は異なるのである。
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