ダイナミック・ケイパビリティ論によるヤフーのZOZOtown買収の解釈
ダイナミック・ケイパビリティ論からすると、ヤフーによるZOZOの買収をどう分析できるか。まず、世界を3つに区別する。(1)物理的世界、(2)心理的世界、(3)理論的世界(ネット)。心の世界を通して(1)と(3)は相互に作用する。
ダイナミック・ケイパビリティは、既存の資産、資源、知識、技術を再構成するデザイン能力であり、その再構成する場合の原理が共特化の原理である。それは、ひとつひとつは特殊なので、それほどメリットはないが、結合すると力を発揮するような補完性の原理である。
ヤフーは、これまで(3)理論的世界で広告収入を中心に、横の方向で共特化の原理を応用してきた。他方、ZOZOは(3)理論的世界と(1)物理的世界(服)の縦の方向の共特化の原理を応用してきた。したがって、二つを統合すれば、縦と横に共特化の原理が展開できる可能性がある。
世界3 → 共特化 ← ↓
世界2 共特化
世界1 ↑
ということで、ダイナミック・ケイパビリティ論からすると、大変、興味深い事例だと思います。
菊澤 研宗: 成功する日本企業には「共通の本質」がある 「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学
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