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2018年9月

2018年9月28日 (金)

経営戦略ではなく、戦略経営論

新編著『ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論』が本屋の店頭に並び始めたようです。執筆者の一人、楊さんから、写真が届きました。                                      

 

今回の本のタイトルに関して、なぜ「経営戦略論」ではなく、「戦略経営論」なのか。                    

デイビット・ティースは、ダイナミック・ケイパビリティと「戦略」とを区別しています。ダイナミック・ケイパビリティと「良き戦略」が組み合わされて、企業は成長するというのです。                            

とすると、ダイナミック・ケイパビリティ論は、戦略論それ自体ではなく、戦略を意識した経営論となります。                                                                           

以上の理由で、「戦略経営論」となったわけです。

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

自動代替テキストはありません。

2018年9月27日 (木)

錯綜するダイナミック・ケイパビリティ論

わかりにくい。難解である。眠くなる。こいった声をよく聞く不評の「ダイナミック・ケイパビリティ論」。                                                           

 

 このダイナミック・ケイパビリティ論をめぐる状況は複雑である。それにもかかわず、早くてっとりばやく紹介しようとして、失敗している日本の研究者は多い。そういった学者が、2次的にこの議論をわかりにくくし、錯綜化しているともいえる。                          

 

 ダイナミック・ケイパビリティ論をめぐって、ウインター、ヘルファット、そしてアイゼンハートたちがいろんな議論を展開しているが、やはり本家はデイビット・ティースだ。この点を、押さえないと、議論はぐちゃぐちゃになる。                                         

 たとえば、ヘルファットは、ダイナミック・ケイパビリティ(DC)を経営者の認知能力ととらえている。経営者が、環境変化を感知し、そこに機会をとらえ、そして組織を変化させる能力だと考える。特に、この能力が変化を感知するという点に注目すると、ダイナミック・ケイパビリティは心理学的認知能力ととらえたくなるものだ。                          

 確かに、この考えはわかりやすい。私も、バークレーにいるとき、直接、ティース教授に、DCは経営者能力として理解していいのか聞いた。しかし、彼の答えは、NOだ。なぜか。

 

  ティースは、DCは経営者能力だけではなく、組織能力でもあるという。なぜか。環境の変化を感知するのは、経営者だけではなく、組織の現場が感知する場合もあるからだ。この点を、ヘルファットたちは理解していないのだ。この現場を、多国籍企業の海外子会社とみることもできると、ティースは考えているのだ。

 つづく。

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

2018年9月26日 (水)

ダイナミック・ケイパビリティ論

 ダイナミック・ケイパビリティ論は、日本では、わかりにくい、難解、眠くなるといわれているが、今回の本(菊澤編)『ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論』では、できるだけわかりやすく説明しているので、ぜひ一読お願いしたい。                         

 

 難解なので、よく簡単なアイゼンハートの解釈論文を利用する人がいるが、やはりダイナミック・ケイパビリティ(DC)はデイビット・ティースである。彼によると、アイゼンハートのDCはオーディナリー・ケイパビリティ(OC)の話であり、DCではないのだ。                                                             

以下のように解釈するとわかりやすい。                                                 

 OCは利益最大化、効率性を高める通常能力=パラダイムの精緻化能力

(新古典派経済学)

 DCは付加価値、付加価値労働生産性を高める動態能力=パラダイムの変革能力

(進化論的)

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

2018年9月21日 (金)

「ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論」発売

菊澤です。
ついに『ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論』が完成しました。本日、中央経済社の市田さんが研究室に持ってきてくれました。

アマゾンでは、明日から販売されると思います。関心のある方はぜひ一読お願いします。

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菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

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2018年9月16日 (日)

日独の違い

    新潟で開催された日本経営学会全国大会で、統一論題のコメンテータをした。

  ドイツ・ミュンヘン大学教授のバルデンベルガーさんが、日本とドイツはたくさん同じ点があるが、次の点が異なるという。ドイツ企業では、外部からたくさん取締役や管理者を採用するが、日本は内部昇進ばかりだという点だ。外部市場も利用しないのは、非効率的だというのだろう。

 したがって、政策として「日本は、外部労働市場を育成し、日本企業はもっと外部から管理職を採用すべき」という興味深い提案をしていた。

 しかも、このことは、次のことを意味するというのだ。

「今の日本の企業人は、自分のキャリアを人事部に委ねているが、自分のキャリアは自分のものにすべきである」

  実に、興味深い鋭い指摘だと思った。そこで、私は、次の質問をした。

 「つまり、日本人はいいかげんに集団主義を止めて、個人主義に移行すべきだということでしょうか?」

  さすがに、日本通のバルデンベルガーさんも、そんなに簡単ではないことを認識したようで、返答はなかった。
 
  さて、米国では、個人主義的に、個別労働契約を行うので、契約に書かれてないことはしないし、明確に言われないことは(命令されないと)しない。つまり、忖度しないのだ。
 
  しかし、日本の場合、個別労働契約はあいまいなので、結局、集団組織の中であれこれ忖度し、言われなくても、行うことになる。ある意味で、面白い社会である。

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

日本経営学会で久しぶりに感動したこと

     新潟での日本経営学会で、統一論題の3人の報告者に対して、私は討論者としてコメントした。久しぶりに感動したことがある。

  やはり、元一橋大学教授の小松章先生の報告は群を抜いて良かった。久しぶりに頭の良い先生の報告を聞いた。一橋大学の先生は、やはりすごい。

  実に丁寧なかつ無駄のない論証、そして結論に至るその道筋の美しさ、すばらしい。そして、討論者の私を意識してくれて、「反証可能性」という言葉さえ、使っていただき、ただただ感謝している。(私がポパーリアンであることを知る人は、もう少ないのだが・・・)

  内容に関して、いくか批判してもよかったが、もうそんなことはどうでもよかった。やっぱり日本経営学会の統一論題には、こういったすばらしい先生に登壇してほしいものだと再認識した。(果たして、どれだけの人が理解できたか)

  いまでも、日本には優秀な先生や研究者はたくさんいる。しかし、残念ながら、こういった方達は、日本経営学会にはもう来ないし、今後も・・・。日本の経営学は、どうなるのでしょうか。

  優秀な人は、みんな海外の学会に行って、アカデミック・グローバリズムの中に埋もれていくのだろうか。 

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

2018年9月15日 (土)

新著『ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論』発売NO2

    ビジネススクールでは、いまだマイケル・ポーターの競争戦略論を中心に議論が展開され、教えられているようだ。

  しかし、アカデミックな世界では、ポーターから、資源ベース論へと発展し、いまはダイナミック。ケイパビリティ論へ進んでいる。

 最新の戦略経営論を知りたい人は、ぜひ『ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論』を読んでみてください。

●アマゾンでの購入

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

2018年9月12日 (水)

新著「ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論」発売NO1

新しい編著書『ダイナミック・ケイパビリティ(DC)の戦略経営論』中央経済社が発売されます。

●アマゾンでの購入

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

菊澤編著: ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論

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自動代替テキストはありません。

 

はしがき

第1章 戦略経営論史―ダイナミック・ケイパビリティ論に至るまで

 

-------第1部 ダイナミック・ケイパビリティ論の理論研究

第2章 ダイナミック・ケイパビリティ論と資源ベース論

第3章 ダイナミック・ケイパビリティ論と取引コスト理論

第4章 ダイナミック・ケイパビリティ論と進化経済学

 

-------第2部 ダイナミック・ケイパビリティ論の応用研究

第5章 ダイナミック・ケイパビリティ論の産業政策への応用

第6章 ダイナミック・ケイパビリティ論の地方創生への応用

第7章 ダイナミック・ケイパビリティ論の米ソ軍事研究システムへの応用 

第8章 ダイナミック・ケイパビリティ論の日系多国籍企業への応用

 

------第3部 ダイナミック・ケイパビリティ論のミクロ的基礎の研究

第9章 ダイナミック・ケイパビリティ論のミクロ的基礎としての批判的合理主義

10章ダイナミック・ケイパビリティ論のミクロ的基礎としてのネオ・カーネギー学派

11章ダイナミック・ケイパビリティ論のミクロ的基礎としてのリーダーシップ

 

上記の内容に関心のある人はぜひ購入してください。研究のヒントが得られるでしょう。また、企業人として最新の経営学に触れてみてください。

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