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2018年1月 5日 (金)

日本的経営学

     明治維新から150年。以来、日本は、長年、西欧を追いかけてきた。坂の上の雲だ。しかし、いまだに、日本経済は米国経済と異なっている。

   これをどう解釈するのか。遅れているとみなすのか、日本は固有の構造をもっているとみなすのか。私は、後者だと考えている。だから、日本は世界標準から遅れているという論者については非常に懐疑的だ。

 やはり、日本固有の経営学について考える必要があると思う。経営者は株主の代理人ではないのだ。この意識は、アングロサクソンの新古典派経済学に汚染された経済学者よりも、経営学者の方が強いと思う。

    新古典派市場の経済学は、市場の効率性は説明できるが、絶えず発展している資本主義社会の動学性を説明できない。これを説明しようとしているのは、シュムペーターであり、ドラッカーであり、クリステンセンであり、ティースのダイナミック・ケイパビリティ論なのだ。 

  経営学は金儲け学問ではないか? この疑問を十字架のように背負ってきた経営学者は、いまこそ経営学は金儲け学問ではないことを論証しなければならない。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

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