組織の不条理:東芝問題
東芝問題は、いろんな観点から分析できるが、問題の一つは東芝が原子力ビジネスを安倍政権(政府)と共有した点にある(所有権理論問題)。
あるビジネスを共有すると、ビジネスを効率的にマネジメントできない。なぜか。そのビジネスが生み出すプラスとマイナス効果も共有されるので、あえてマイナスを避けて、プラスを生み出すように、原子力ビジネスを効率的に扱わない。
つまり、マイナスがでても政府がなんとかしてくれると思うのだ。共有しているからだ。これが東芝だけの私的所有であったならば、プラスとマイナス効果は直接自分に戻ってくるので、原子力ビジネス(米国のWH)でマイナスがでたときには、すぐにマイナスを最小にするように効率的に処理したはずだ。東芝の占領統治(米国WH)の失敗なのだ。
この詳細については、拙著『組織の不条理』のあとがきを読んでほしい。
菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)
また、拙著『組織の不条理』について、とてもうまくまとめた書評があるので、以下のコンサルティングファームのサイトを参考にしてほしい。
●WSA:拙著『組織の不条理』中公文庫の書評
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