拙著「組織の不条理]
昔、私の慶應大学時代の指導教授小島三郎先生には、「新聞や週刊誌の記事のようにすぐに消えるようなものは書かないように」とよくいわれた。
その後、防衛大の教官になったとき、驚いた。『失敗の本質』や『エリザベート』というベストセラーを書くような先生方がいたからだ。自分もベスト・セラーになるような本を書きたいと思った。
しかし、光文社新書の担当者の方によると、「ベスト・セラーになるような本は中学生でも読めるあるいは買うような内容です。先生には、そのようなものを求めていませんが・・・」といわれた。確かに、売れればいいというわけではない。
目標を見失いかけた。しかし、身近に良い手本があった。それは、『失敗の本質』だった。この本は、決して簡単に気軽に読める本ではない。しかし、売れているのだ。こういった本を書きたいと思った。この本の特徴は、2点ある。(1)ベスト・セラーであり、(2)ロング・セラーだ。
以上のような思いもあって、本当に嬉しく思っているのは、2000年に初版、そして今年2017年3月22日に第二文庫化されて登場する私の『組織の不条理』中公文庫である。
この本は、私の「不条理研究」の始まりである。18年前、この本はベスト・セラーにはなれなかった。しかし、もしかしたらロング・セラーになれるかもしれないという願いはある。
●『組織の不条理』文庫版
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