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2016年10月

2016年10月16日 (日)

PPMとは? ボブデュランの受賞で思い出したこと

 PPMというと、経営学者は、マッキンゼーのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを思い出すかもしれない。しかし、僕はピーター・アンド・ポール・アンド・マリーを思い出す。彼らは、ベトナム戦争反対、黒人公民権運動などで揺れる1960年代米国で、ボブデュランとともに活躍したフォークグループだ。

 

 さて、話は変わるが、僕は1980年代、防衛大学校で教えていた。当時、学内で英会話の練習ということで、米軍将校の奥さんを講師に招いて、グループ勉強会が開かれていた。そこで、話されることはたわいもない話題。米軍将校の奥さんたちは、みなきれいで、米軍将校が転勤するたびに、講師の奥さんも変わった。

 

 ある日の英会話。講師の奥さんが「みなさん、どんな曲が好きですか?」という質問からはじまった。各自、無理やり英語の曲を答えた。そして、僕の順番がきた。僕は、当時、たまたまどこかのレコード店で、ある懐かしのカセットテープを購入し、気に入っていのだった。

 

そして、純朴にも、何の配慮もなく、正直にPPMが好きといった。特に、悲惨な戦争(Cruel war)と答えた。そのとき、奥さんは、沈黙した。

 

 今から考えると、これは最悪の答え。何せ、それは反戦歌であり、米軍の存在のみならず、自己否定しているようなものだった・・・・・今となっては、誠にお恥ずかしい話。当時の僕には、英語の歌詞よりも、その曲自体が魅力的だった。まさに、ノンポリ世代。「不思議ちゃん」という感じか。

 

 ネットで、偶然、MMPのマリーが亡くなったという記事を見つけて、ふと思い出した。今はもう昔。

 

 

2016年10月10日 (月)

ノーベル経済学賞:ハートとホルムストローム

 昨年は、まったく知らない人がノーベル経済学賞を受賞していたので、ノベール賞に興ざめしていたが、今年は、オリバー・ハートとホルムストロームの有名人が受賞して良かった。

いずれも契約理論と呼ばれる分野の企業理論の研究者で、受賞して当然という研究者たちである。

 

前者は所有権理論を数理モデル化した研究者であり、ムーアやハロルド・デムセッツにもノーベル賞をあげてほしかった。後者は、初期のエージェンシー理論の数理モデルを展開した研究者である。

 

両者の簡単な説明は、私の教科書に書いてあるので、関心のある人は参考にしてほしい。

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菊澤 研宗: 組織の経済学入門 改訂版

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連帯責任制度の功罪:不条理な制度

ある知り合いから、高校野球の連帯責任制度についてのコメントを求められたので、私の考えを紹介します。

 

もし集団の一人が問題を起こすと、他のメンバ―も責任を取らなければならないという連帯責任制度は、大変、興味深い制度です。

 

この制度の面白さは、問題が起こる前と問題が起こった後では、この制度の効果が異なる点です。

 

(1)問題が起こる前:この制度のもとに、各メンバーは、他人に迷惑をかけないように問題を起こさない範囲で行動しようと努力する。したがって、この制度は個々人の道徳的行動を促すような効果を持っています。(他人の自由を侵さない人間主義)

 

(2)ところが、問題が起こると、この制度は変貌します。集団主義的で悪徳的な行動を促す制度になります。ある人の失敗が他のメンバ―の失敗にもなるので、集団で相談し、損得計算し、その結果、100%失敗を隠ぺいすることが合理的となり、組織的隠ぺいが発生します。それは悪徳的であるが、合理的なのです。つまり、合理的不正という不条理が発生します。(損得計算主義・経済合理主義)

 

ここで、もし経済学が仮定しているように、すべての人間が完全に合理的ならば、(1)となり、この制度は個人主義と道徳的行動を促進する良い制度であるといえます。

 

しかし、実際には、人間は限定合理的なので、(2)が起こりうるのです。したがって、この制度は、悪しき集団主義を促進し、組織の隠ぺい体質を育成する役割を果たすことになる不条理な制度といえるでしょう。

 

このような制度を維持するべきかどうか。これは大変難しい問題です。というのも、(1)の効果も持っているからです。

 

2016年10月 9日 (日)

慶應通信文学会(+東京もえぎクラス)主催の講演終了

    昨日、慶應通信文学会(+東京もえぎクラス)主催の講演を三田で行いました。

「ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー」

第1部 科学の限界と哲学:ヴィゲンシュタインタイン、ラッセル、ポパーなど 
第2部 不条理は回避できるか:カント、ドラッカー、小林秀雄など

   天候が悪いので、どうかなあ~と思っていましたが、90名定員の教室に70人もの方々がきてくれて、とても嬉しく思いました。

  その中に、敬愛大学の粟屋先生や立教大学の谷川さんも忙しい中、来ていただき、大変、嬉しく思いました。また、有名企業のビジネスパーソンの方々、有名コンサルティングファームの方々、中小企業の社長や役員方々もたくさん参加していただき、感謝しております。

   科学哲学、哲学、経営学、若干、文学も含め、いくぶん難しい内容で、しかも2時間30分ぐらいの長い時間でしたが、みなさん、真剣に聞いていただき、こちらも大変、気持ちよく話をすることができました。

   機会があれば、またやりたいものです。ありがとうございます。

2016年10月 4日 (火)

10月8日慶應通信文学会で講演:科学の限界、ドラッカー、カント、小林秀雄

10月8日土曜日に三田で、慶應通信文学会で講演を行います。内容は、拙著『ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー』祥伝社新書です。

(1部)科学の限界を「科学哲学」から、「米国人文学論争」から、「米国経営学」から説明します。科学的で経済合理主義的なマネジメントは合理的に失敗すること、つまり不条理に陥ることを説明します。

(2部)この不条理を回避するには、カントやドラッカーのいう自由意志、自律、責任などの哲学的な議論が必要となります。これは、また小林秀雄の大和心の意味とも重なります。

関心のある会員の方は、ぜひ参加してほしいと思います。

2016年10月 3日 (月)

大学経営について 広島大学へ

  気楽に引き受けてしまったが、結構、大変な研究会で基調講演を行うことになりました。テーマは「大学運営におけるリーダーシップです。さすが、教育学の名門:広島大学。(広島に行ったことがないので、楽しみです) 

  昨日は、事前の打ち合わせ会がなんと田町であり、いろいろと、興味深いお話を聞くことができました。勉強になりました。田町の芝浦方面にビルがあり、そこに全国の国立大学が東京支店のようにそれぞれ部屋を持っていることに驚きました。

  私は、取引コスト理論を用いて、リーダーの「変革の不条理」についてお話する予定。損得計算を行動原理(経済合理主義マネジメント)とするリーダーは合理的に失敗することを論証します。

  この不条理を回避するには、最後はリーダーには哲学が必要であることをお話する予定。驚くかもしれませんが、価値判断をも補完的に行動原理にするリーダーは合理的に失敗しない。

 価値判断にもとづく行動は主観的なのでダメなのではなく、自律的(自由)で責任を伴うので良いのです(ヴェーバーの価値合理性)。Do you understand what I mean?

 しかし、ダイナミック・ケイパビリティ論への要請もありますので、今回は、不条理解決案の一つとして、少しだけお話する予定です。

 いずれにせよ。楽しみです。

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