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2015年7月16日 (木)

繰り返される米国経営学ブーム

 日本では、周期的に米国の経営学のブームがやってくる。

 特に、不況期には、米国の経営学というと「科学的」「最先端」というイメージが先行し、どうしても浅学な人々がそこにわらをもつかむ気持ちですがることになる。

 しかし、その後の結論は大抵同じだ。やっぱり、米国で展開されている科学なる経営学は日本の現状に合わないということだ。米国で展開されている研究をあたかも自分の研究であるかのように紹介し、それを日本企業に応用しても大抵的外れだ。

 特に、米国における計量的な研究は、大抵、理論なき帰納的な研究なので、米国の実情に対応している。これを日本企業に応用してもかなり的外れケースが多い。

 むかし、米国の経営学者が、職場のメンバーのモチベーションを高めるために、職務拡大・職務充実が必要であり、それゆえ職務転換が有効だという政策を主張していた。

 それをわれわれ日本の学生に教える先生がいた。これが米国では最新の研究だといって。ところが、われわれ日本の学生にとって、職務転換など、日本企業では常識ではないか。なぜこれが最新なのか?????となっていた。

 理由は簡単だ。米国では、すべてが職務が中心で、職務給、特定の職を求めて人々は企業に就職していのだから、就職後の職務展開はありえないのだ。このような状況だから、職務転換の奨めは革新的な政策だったのだ。

 ところが、終身雇用で職務転換が常識的な日本人にとっては、この政策はズレていたのだ。

 この同じことが、最近の静かな米国経営学ブームでも起こっているように思える。ズレているのだ。

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