慶応大学菊澤ゼミナールHP

私の趣味

私の著書

新制度派経済学と限定合理アプローチの本

経営哲学学会HP

« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »

2015年7月

2015年7月30日 (木)

慶應丸ノ内キャンパスMCCで「組織の不条理」やります!

10月から、慶大丸ノ内キャンパスのアゴラ講座を担当します。日本陸軍を中心を中心に、組織の不条理について議論したいと思います。関心のある方はぜひ参加してください。

プログラム

第1回 日本軍の失敗と不条理を読み解く四つの理論

第2回 日本軍はなぜ負ける戦争に突き進んだのか

第3回 ガダルカナル戦 辻正信はなぜ白兵突撃戦に固執したのか

第4回 インパール作戦 牟田口廉也はなぜ無謀な作戦を実行したのか

第5回 ジャワ軍政 今村均はなぜ強圧支配を回避できたのか

第6回 不条理をどう回避するか-日本軍の失敗が示唆するもの-

●菊澤研宗さんが語る“失敗の本質”
【日本陸軍と組織の不条理】
名著『失敗の本質』を新たな視点で読み直す

http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_k2015.html

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

2015年7月26日 (日)

組織の多様性の意味

  バカの一つ覚えのように、イノベーションとは新結合だと規定し、そのために多様性が必要だという。その具体的方法として喧伝しているのは、少なくとも以下の3つ。

(1)組織内に女性の数を増やすこと

(2)外国人を増やすこと。

(3)薄い結びつきの関係を増加すること つまり、多少性を拡大し、促進すること。

 これにしたがって、いろんな組織が努力しているが、結果としてはあまりいい話を聞いていない。また、理論的にも証明されていない。

 私自身、この現象を理論的に説明するには、弁証法が論理的にあるいは経験的に正しいことを説明する必要があるように思える。しかし、それはうまくいっていない。

 私は、多様性によってイノベーションが促進されるとは思っていない。あくまでもバランスだと思う。なぜバランスが必要なのか。それは、組織の暴走を抑止するからだ。組織メンバーが同質的だと、組織は暴走しやすいのだ。その暴走を促進するのは「空気」を読めることである。

 多様性がある組織には、空気が読めない人がいるということだ。こうして、組織の暴走は阻止されることになる。女性の管理職や外国人が増えると、組織は暴走しない。しかし、そのことは、別の側面からすると、組織内に摩擦が起こることを意味する。摩擦とは、取引コストである。

 スムーズに運営される組織と暴走する組織は紙一重だ。批判する人、文句を言う人を追い出した組織はスムーズに運営されてきくが、何か怖いと思うことがあるものだ。 

   企業は、多様性にイノベーションという幻想を抱くのをやめた方がいいのではないかと思う。むしろ、企業の暴走を阻止するコーポレート・ガバナンスの役割を期待した方がいいかもしれない。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

2015年7月22日 (水)

慶応MCCで新しい講座の募集開始

慶応MCCで新しい講座の募集が開始されました。

●菊澤研宗さんが語る“失敗の本質”【日本陸軍と組織の不条理】

http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_k.html

  関心のある人はぜひ参加してください。今回は、戦後70周年とも関係し、アジア・太平洋戦争をめぐる日本軍の不条理について考えます。

  新制度派経済学、行動経済学(心理経済学)などを利用し、失敗の本質について分析する予定です。この分析を通して、現代の組織にも内在している問題について考えてみたいと思います。 

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

 

2015年7月19日 (日)

芥川賞受賞者の文学論を聞いてみたい

 最近、芥川賞の受賞をめぐって議論が起こっている。私自身、完全に商業化していると思うが、・・・

 やはり、いま作家を目指している若者はたくさんいると思う。受賞者はそういった人たちに、良い刺激を与えてほしいものだ。

 私は、どんなに若くて未熟な作家でも、その時点で作家としてのこだわりというものがあると思う。その人の作家論について、そして自分の作品について、世の中にたくさんいる批評家と議論してもらいと願っている。

 かつて、岡本太郎という偉大な芸術家がいた。大阪万博のシンボル太陽の塔の作者。この人は変わった人で、晩年は、そのギャップを利用されて、お笑い系のTVに引っ張りだこだった。

 だから、当時、私を含めてやはり芸術家は変わっている。正確にいうと頭が悪くてもいいのだと思っていた。しかし、これは間違いだった。

 彼がNHKの教育テレビ(いまはEテレ)で尊敬するピカソについて解説する番組があった。これは、すごかった。小林秀雄の評論を超えていた。迫力満点。ピカソのどこがすごいのか、それを語る岡本太郎。これぞプロという説明だった。

 もちろん、その内容はわすれた。しかし、ただただすごいという印象と迫力がテレビから伝わってきた、その感覚はいまも残っている。まさに、プロ。

 こういった感覚を、いま「文学賞受賞者人たち」からも得たいね。TVは企画してほしいね。

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

 

 

2015年7月16日 (木)

繰り返される米国経営学ブーム

 日本では、周期的に米国の経営学のブームがやってくる。

 特に、不況期には、米国の経営学というと「科学的」「最先端」というイメージが先行し、どうしても浅学な人々がそこにわらをもつかむ気持ちですがることになる。

 しかし、その後の結論は大抵同じだ。やっぱり、米国で展開されている科学なる経営学は日本の現状に合わないということだ。米国で展開されている研究をあたかも自分の研究であるかのように紹介し、それを日本企業に応用しても大抵的外れだ。

 特に、米国における計量的な研究は、大抵、理論なき帰納的な研究なので、米国の実情に対応している。これを日本企業に応用してもかなり的外れケースが多い。

 むかし、米国の経営学者が、職場のメンバーのモチベーションを高めるために、職務拡大・職務充実が必要であり、それゆえ職務転換が有効だという政策を主張していた。

 それをわれわれ日本の学生に教える先生がいた。これが米国では最新の研究だといって。ところが、われわれ日本の学生にとって、職務転換など、日本企業では常識ではないか。なぜこれが最新なのか?????となっていた。

 理由は簡単だ。米国では、すべてが職務が中心で、職務給、特定の職を求めて人々は企業に就職していのだから、就職後の職務展開はありえないのだ。このような状況だから、職務転換の奨めは革新的な政策だったのだ。

 ところが、終身雇用で職務転換が常識的な日本人にとっては、この政策はズレていたのだ。

 この同じことが、最近の静かな米国経営学ブームでも起こっているように思える。ズレているのだ。

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

2015年7月12日 (日)

カントの理論理性と実践理性について

  カントは、人間の理性を理論理性と実践理性に分けた。理論理性は、因果的世界を説明し、認識し、行動する理性である。その理性は、なぜそのような現象が起こるのか?なぜなぜなぜ・・・を追求理論であり、損得計算する理性でもある。

  これに対して、実践理性は自らはじめる能力であり、自律的な理性であり、自由意志でもある。

  しかし、そのような実践理性や自由など存在しない。すべての行動は用理論(理論理性で説明できるという人が意外に多い。つまり、なんでも科学的に因果論で説明できるという人がいる。そもそも実践理性に従う行為などあるのか。自由な意志にもとづく行為があるのか?人間行動の背後には常に原因があり、それゆえ人間は他律的だというもの。

 これは、中途半端に賢い人のお決まりの議論。とくに、経済学を学んだばかりの人が展開する議論です。物事は、なんでも因果論的に説明できるというものです。

 ところが、原理的な問題にもどって考えてほしいのですが、まずカントはそこまでバカではない点。彼は、因果論の典型であるニュートン理論の構造を良く知っていました。

 次のように考えると、やはり実践理性は存在し、かつ必要なのだということがわかる。

 世の中には、事実問題と価値問題があります。

 (1)事実問題は「実際にあるかないか」「この会社は利益をあげているかどうか」「効率的かどうか」「損をしているか得しているかどうか」この問題に関わるのが、理論理性です。

 (2)価値問題「日本が好きか嫌いか、日本を好きなんことが正しいかどうか」「慶応義塾大学が好きかか嫌いか、それを好むことが正しいのかどうか」「人をだましてまで利益を得ることは正しいかどうか」「個人の意見よりも全体の意見方が正しいかどうか」この価値観に関わるのが、実践理性です。

 (1)と(2)を区別しないで、すべて損得計算して問題が解けるとは思いません。いや、どちらも損得計算して結論を無理やり出せますが(カントはこれを理論理性の誤った使用というのですが)、その計算は唯一絶対的で客観的ではありません。

 確かに、(1)は客観的損得計算(個人の責任なし)が可能かもしれません、しかし、(2)は個人的主観的損得計算(個人の責任あり)となるでしょう。

(2)後者の価値問題を解くのに、みんな同じ損得計算をするとは限らない。それぞれ主観的に計算する、どれが正しいかわからない(アンチノミー)。自分の計算が正しいと信じ、それに従うかどうかは、最終的に自分自身の。決断となるでしょう。それは、実践理性の問題なのです。外部で起こってることではなく、自分の問題、自分自身の問題なのです。

 私の経験では、人生は(1)の問題より(2)の問題の方が多く、中途半端に賢い人は(2)の問題に対して、見て見ぬふりをして避けるのです。これは責任を伴う勇気ある決断が必要だから。啓蒙されていないので(勇気がないので)・・・主観的な損得計算しては、この結果は果たして正しいのかどうか、不安になったり、うろたえたりしたり、じたばたして、決断ができず、みじめな姿だけをさらします。こうして、多くの中途半端に優秀な人は、一流になれない。

 事実問題も価値問題も、理論理性で解けると思っている人、あるいは解こうとしている人のことを、カントは子供だといった。価値問題に対しては、責任ある自由な決断(選択)をする必要がある。そして、実践理性を使うには、勇気がいる。できれば、すべてを他人ごとのように科学的に済ませたい。しかし、そうはいかない。向うから、決断を迫ってくる状況が必ずくる。

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

2015年7月 6日 (月)

拙著が雑誌「Toppoint」ベストアンケート4位に選ばれました

  拙著「ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー」が雑誌「toppoint」のベストアンケートで4位となりました。ありがとうございます。

●雑誌「Toppoint」

https://tk2-211-15073.vs.sakura.ne.jp/best_book_question/result

 本書は地味な内容ですが、読んでいただければ、結構、味のあるものとなっています。ドラッカー、カント、そして小林秀雄の関連性が見えてきます。

 経営学は単なる科学ではありません。人間組織に関わる学問ですので、表面的なことだけではなく、人間の本質に迫るものでなければならいのです。

 日本企業の強みは、「人間、人間、そして人間」にあったと思います。今日、そのような資源をあまりに軽率に扱っているように思います。

 小林秀雄の日本人論に立ち返るべきだと思います。すると、なぜ日本人がドラッカーが好きで、カントが好きなのか、わかります。

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

2015年7月 4日 (土)

就職協定、企業不祥事、企業の社会的責任

 企業間の協定として就活期間が遅くなった。ところが、実際には企業は早く動いている。インターンシップという名の下で、すでに実質的に青田買いを行っているのだ。

 こういった企業が、世間向かって、うちはCSRに熱心な会社だなどといわれると、お笑いだ。きっと、CSRという意味が分かっていないのだ。企業の社会的責任という意味だ。社会的な協定を破っているような企業にCSRを語る資格はない!

 また、こういった企業が企業の不祥事を起こしやすいのだ。おそらく、上からの命令だろう。下っ端がこんなムダなことはしないだろうし、する若手がいれば、その企業の未来はないだろう。

 そもそも、いい加減に新卒一括なるシステム、横並び一線思考、本当にやめてほしい。人事部多すぎ。技術者を大切に。無駄な事務員多すぎ。

 などなど、文句もいいたい。とにかく、政府は今後日本の大学は企業と連携すべきなどといっているが、大学は崩壊すると思う。日本企業の就活制度が、日本の大学をダメにしているのだ。

 受験勉強を終えた日本の学生には、ある意味でムダな時間が必要なのだ。すぐには役に立たない本を大いに読みや大いに議論し、たくさんの多様な知識や理論や哲学を吸収する時間が必要なのだ。

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

NHKスペシャル取材班: 日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫)

 

2015年7月 3日 (金)

どうしようもない日本企業

 昨年の8月以降、インターンシップなどの経験を経て、セミナー参加、そして、現在、大学4年生が就活に忙しい。ほとんど、大学で、まともな勉強ができない。いつまで続くのか?

  と思っていたら、今度、もう3年生が企業のインターンシップにいくと言い出している。まだ、7月、しかも前期の試験前だ。そして、来年まで就活を行うのだろう。

 こんなことをしていたら、大学の専門教育は崩壊する。企業も、こんなことに、社員の労働を投入する余裕があれば、もっと別のところに労働を投入できるだろう。まったく、非効率的である。

 こんなことを日本企業はいつまで続けるのか。外国に行って、優秀な外国人をどんどん雇用すればいいのだ。

 日本企業は、非効率きわまりない。

 

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書)

菊澤研宗: ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー(祥伝社新書

 

« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30