ブラックサンダー、理論負荷性、そして帰納法
K.R.Popperによると、われわれの認識は理論依存的だという(理論負荷性のテーゼ)。つまり、われわれの認識は、観点や理論に依存しているということ。したがって、われわれは理論的に知っていることしか見えないのだ。
このことを体験してしまった。それは、「ブラックサンダー」というお菓子だ。私は、2週間前までその存在を知らなかった。ゼミの学生の報告ではじめてその存在を知った。
すると、その存在が見えてきたのだ。
これまで、まったく見えなかったブラックサンダーが、いつもいっているコンビニのレジの横にあることに気づいた。いや、見えた。多分、これまでもそこに置いてあったはずだ。しかし、まったく見えなかったし、その存在も感じなかった。
やはり人間は知っているものだけしか観察できないし、見えないのだ。観察から理論は生まれない。理論や観点が観察を選んでいるのだ。間違いない。帰納法は存在しない。帰納的な方向性すらない。by Popper
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