日本の戦略哲学:キュービック・グランド・ストラテジー
円安になろうが、円高になろうが、海外展開している日本企業には影響はないという話をよく企業の方から聞く。ホントだろうか。
円高になれば、海外に生産量を増やせばいいだけだ。円安になれば、国内で生産すればいいだけだ、という「対称性の原理」にもとづく考えであり、移動にコストがかからない新古典派的な発想だ。
私は、そうは思わない。やはり国内生産がいいと考える。非対称性はどこかに必ずある。円高で海外生産にシフトすることによって、日本では非正規雇用が増加し、組織や人事管理に変化が起こった。これは、不可逆的だ。
また、ソニーのプレステの本社はサンフランシスコにあり、おそらく多くの外人を雇用している。私の考えでは、日本のゲームが売れたのは一部日本的なところもあったからではないと考える。現状では、今後、MSのXボックスと差はでないと思う。日本で展開すれば、いろんな日本的なコラボができたかもしれない。
最近、注目されている少女グループのベビーメタルのすごさの一つは、日本的哲学の一つである三位一体戦略。心技体戦略。ポパーの世界123を統合するキュビーック・グランド・ストラテジーにあると思う。見栄えも、歌も、演奏技術も優れているのだ。
味が良ければ、皿は紙でもいい、味が良ければ見栄えはどうでもいいという一元的な外国人とは違うのだ。見栄えも、味も、技術も、みんな良い方がいいのだ。
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