アゴラ講座はいわゆる社会人のための菊澤ゼミ
昨日で、今年秋の丸ノ内キャンパスのアゴラ講座は終了した。テーマは自由と組織。たくさんの非常に優秀でユニークな社会人の方が参加してくれた。本当に、充実した講座であった。今回は、講座が終わると、1970年代から80年代の学生のように、その後、さらに議論を深めるために、みんなで飲みに行くという形となった。
講座は、大学で行われる菊澤ゼミのような形で行われ、いつも時間が足りないほどだ。そこには、企業人としての機会主義的な自己利益追求という雰囲気は一切ない。かつて経験したであろう、あの大学のゼミの雰囲気がそこにはあったのではないかと思う。メンバー間の相互関係もとてもよかった。
毎回、課題が与えられ、レポートを提出することになる。提出は自由、量も自由。しかし、今回はほとんどの参加者がものすごい量のレポートを提出してくるので、本当に驚いた。しかも、内容がユニークで面白い。私は毎回すべての人のレポートにコメントするのだが、これが、結構、楽しかった。
大学の学生とは異なり、社会人として悩みを抱え、問題解決のために参加している人、あるいはさらなる教養を身に着けたいという人もいる。もう少し時間があれば、さらに参加者間の議論も激しくなるようなところで、いつも講座の最終日を迎える。
今回は、カント、へーゲル、ヴェーバー、アーレント、ドラッカー、フロムたちの自由論と組織についての議論を展開したが、私の方もいろいろと学ぶことが多かった。本当に、楽しい講座であり、あっという間に2か月が終了した。
また、アゴラ講座で、いろんな社会人のみなさんとお会いしたいものだ。
菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)
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