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2014年12月

2014年12月27日 (土)

年末はゆっくりと自分の好きな研究を

 

 今年、3月に米国から帰国した後、日本でたくさんの講演や学会報告を行った。いずれも向こうからの要望なので、実は自分が本当にやりたい研究の報告を行ってきたわけではない。あっという間だった。

 

 しかし、そういった他律的な報告や研究からも、実はいろいろと学べたり、新しい発見があったりして、研究とはいうのは実におもしろいものだ。

 

 年末になって、まだ掃除も雑用もあるのだが、徐々に処理できており、これから少し時間がとれそうだ。やっと、自分の好きな研究がゆっくりできるかもしれないと思うと、少しうれしい気分になる。

 しかし、年が明けると、また講演があり、何とか3月末までに1冊本を出版したいと思っている。他にも、英語の論文を早く完成させて、ジャーナルに投稿してみたい。ということで、いろいろとある。

 

 しかし、すべてが楽しい時間だ。来年は、もっと楽しく、良いことがあるように願いたい。

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

 

2014年12月21日 (日)

アゴラ講座はいわゆる社会人のための菊澤ゼミ

 昨日で、今年秋の丸ノ内キャンパスのアゴラ講座は終了した。テーマは自由と組織。たくさんの非常に優秀でユニークな社会人の方が参加してくれた。本当に、充実した講座であった。今回は、講座が終わると、1970年代から80年代の学生のように、その後、さらに議論を深めるために、みんなで飲みに行くという形となった。

 講座は、大学で行われる菊澤ゼミのような形で行われ、いつも時間が足りないほどだ。そこには、企業人としての機会主義的な自己利益追求という雰囲気は一切ない。かつて経験したであろう、あの大学のゼミの雰囲気がそこにはあったのではないかと思う。メンバー間の相互関係もとてもよかった。

 

 毎回、課題が与えられ、レポートを提出することになる。提出は自由、量も自由。しかし、今回はほとんどの参加者がものすごい量のレポートを提出してくるので、本当に驚いた。しかも、内容がユニークで面白い。私は毎回すべての人のレポートにコメントするのだが、これが、結構、楽しかった。

 大学の学生とは異なり、社会人として悩みを抱え、問題解決のために参加している人、あるいはさらなる教養を身に着けたいという人もいる。もう少し時間があれば、さらに参加者間の議論も激しくなるようなところで、いつも講座の最終日を迎える。

 

 今回は、カント、へーゲル、ヴェーバー、アーレント、ドラッカー、フロムたちの自由論と組織についての議論を展開したが、私の方もいろいろと学ぶことが多かった。本当に、楽しい講座であり、あっという間に2か月が終了した。

 

 また、アゴラ講座で、いろんな社会人のみなさんとお会いしたいものだ。

 

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

丸ノ内アゴラ講座:自由と組織

本日は、最後の丸の内アゴラ講座。これまで「組織と自由」という難しいテーマで行ってきた。

 

行動経済学的にいうと、人間は「言い方」(フレーミング効果)に依存してしまう。たとえば、「批判」という日本語は、日本人にとっては「非難」「否定」に近くなる。英語では「critical」なので、「限界的」「重要な」「きわどい」などの意味になる。もちろん批評とかもあるが・・・・

同様に、「自由」という言葉は、日本人は「なんでもできる」「無制約」というヘーゲル的な意味に近い。しかし、カントの「自由」はそうではなく、日本語でいうと「自律」という意味だ。

このように理解すると、カントにとって、人間はどこまで「自由」が可能かという問題設定はない。カントにとって、「自律」は人間としての義務であり、人間としての証である。動物や物体に「自律」はないからである。

それゆえ、人間が自律的に組織のメンバーとなっているような組織は強い。人に言われたからとか、お金につられたからとか、親に言われたから、その組織のメンバーになっているわけではないからである。

こういった意味で、強い組織には人間の自律性つまり自由は必要なのである。

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

2014年12月17日 (水)

三菱UFJ R&C主催の講演会終了

 昨日は、よみうりホールで講演をした。組織の不条理とその解決の話だ。新古典派経済学からはじまり、取引コスト理論、カント哲学、ドラッカー経営学へと続く話なのだが、みなさん熱心に聞いてくださり、話す方も非常にやりやすい雰囲気でした。

 それからよみうりホールもはじめてでしたが、なかなかいい感じのホールでした。慶大の夕学五十講のホールを思い出しました。

 今後も不条理に関する議論や研究を深める必要があると考えています。今回は、小林秀雄の大和心の話を使った大和心のマネジメントの話まではできませんでしたが、今後はこの議論を深めた話を展開してみたいと思います。

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

2014年12月13日 (土)

自由をめぐるすべての道はカント哲学にある

 ヴェーバーは、西洋の近代化を「エートス(倫理)」によって価値合理的に発生したと説明した。この場合、価値合理性とはカントの実践理性(自由意志)を利用した。

 フロムは、同じ西洋の近代化を自由からの逃避として説明しようとした。この場合の「自由」もカントだ。

 カントは自由を自律性のことだと主張した。それは、外部の原因に囚われないという意味で、「消極的自由」であるとともに、自らを原因として始めるという意味で「積極的にも自由」だと主張した。

 フロムは、このカントの二つの自由の概念を利用し、人間は消極的自由(~からの自由)を獲得できるが、積極的自由(~への自由)を行使しようとすると、選択に困り、不安と孤独に陥る。こうして、自由から逃避するというのだ。

 この不安と孤独を回避するために、プロ倫はひとびとに仕事に邁進せよという教えを与え、資本主義は発展し、やがて独占資本化がおこり、人々は大企業の歯車化していき、全体主義化していったという歴史観。

 なんと壮大な。さすが、1940年代の「ニューヨーク知識人」のひとりだ。

●ダイナミック・ケイパビリティの連載

http://www.dhbr.net/articles/-/2965

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

David J. Teece: Dynamic Capabilities and Strategic Management

David J. Teece: Dynamic Capabilities and Strategic Management

2014年12月11日 (木)

現在の経営学を支配する4つのビッグ・アイディアとは

   12月はじめにチェスブロー教授の編著でオープンイノベーションの本の出版記念大会がカリフォルニアのナパのホテルで開かれたようだ。その本の序文を野中先生が書いたので、野中先生もよばれたようだ。

 野中先生と会ったとき、もう年だからいきたくないといわれていたが・・・私がバークレーにいたとき、野中先生が来られて、実はチェスブローが野中先生に序文を頼んでいたのを知っていた。また、ナパで会議を開く予定だということも聞いていた。

 今回は、120名ぐらいの研究者が集まり、キーノート(統一論題者のような人)として、チェスブロー、ティース教授、野中先生が報告したようだ。

 そのとき、ティース教授は、現代の経営学で支配的なビッグ・アイディアは、以下の4つだと主張したようだ。

(1)ティース教授のダイナミック・ケイパビリティ
(2)チェスブローのオープン・イノベーション
(3)野中先生のナレッジ・マネジメント
(4)クリステンセンのイノベーションのジレンマ

 

 ここには、統計学を使って、Aジャーナルに論文を掲載しようと頑張っている人は、たぶん一人もいない。

●ダイナミック・ケイパビリティに関心のある人は

以下のサイトをみてください。

http://www.dhbr.net/articles/-/2965

2014年12月10日 (水)

ティース教授からのメール

D・HBRでダイナミック・ケイパビリティの連載を始めたことを、昨日、ティース教授にメールで知らせたところ、すぐに返事をくれ、とても喜んでくれた。

ダイナミック・ケイパビリティの日本支店長として、数か月間は頑張りたいと思いますので、みなさん、よろしくお付き合いください。

(昨日、慶応義塾の渡部常任理事と飲んだのだが、菊澤さんはまだ本当はダイナミック・ケイパビリティを信じていないといわれた・・・・yes)

●ダイナミック・ケイパビリティの連載

http://www.dhbr.net/articles/-/2965

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

David J. Teece: Dynamic Capabilities and Strategic Management

David J. Teece: Dynamic Capabilities and Strategic Management

2014年12月 4日 (木)

ダイナミック・ケイパビリティとその戦略論

 今月からダイヤモンドHBRのWebで、私のダイナミック・ケイパビリティの連載がはじまった。すでにたくさんの方に見ていただいているようだ。

★ HRBのサイト「ダイナミック・ケイパビリティの戦略学」

http://www.dhbr.net/articles/-/2965

次回から、三つの分野別に分けて、ダイナミック・ケイパビリティ論について説明する。特に、次回は、経営戦略論の流れの中にあるダイナミック・ケイパビリティ論についてお話しするつもりである。

そして、その後、多国籍企業論(国際経営論)での議論を紹介し、最後に垂直的統合問題での議論を説明する予定。

ダイナミック・ケイパビリティ論がもっと明確になるのは、最後の垂直的統合問題(企業境界の問題)においてである。それは、ティース教授が師と仰ぐウイリアムソンの取引コスト理論に関わるからである。

ここで、ティース教授は師の考えを超えようと挑戦している。ここの議論まで、なんとかみなさんお付き合いお願いしたい。

また、ダイナミック・ケイパビリティ論では、ダイナミック・ケイパビリティ(能力)それ自体とそれに基づく戦略思考を区別することが重要だ。この点を混同すると、混乱し、分からなくなるので、注意が必要だ。

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

2014年12月 3日 (水)

D・ハーバード・ビジネス・レビューでダイナミック・ケイパビリティ連載開始

ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューのNETサイトで、私の「ダイナミック・ケイパビリティの戦略学」の連載がはじまりました。以下のサイトで見ることができます。ぜひとも一読お願いします。

 

「ダイナミック・ケイパビリティの戦略学」
http://www.dhbr.net/articles/-/2965

 

ダイナミック・ケイパビリティ論は、今日、世界中の経営学者が最も注目している議論です。それは、私がカリフォルニア大学バークレー校でお世話になったデイビッド・ティース教授のアイディアです。

 

このダイナミック・ケイパビリティをめぐっていろいろ問題がありますが、その現代の最大の問題はとてもシンプルです。「それがいったい何かわからない」という問題です。面白い状況です。

 

この概念を明確にし、それが果たして日本企業にとって役に立つのかどうか。この連載では、このような問題について解いていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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