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2014年9月 3日 (水)

慶大夕学アゴラ講座の紹介

以下の講座を開講します。
関心のある方はぜひご参加ください。

菊澤研宗先生と考える【人間の自由と組織の本質】
―社会の問題を自分達の問題として捉え直す―
10月18日(土)開講、全6回、土曜日

http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_k.html

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(以下はShirotori さんの宣伝文章です)

今回のagoraでは、自由の概念を巡る思想変遷を組織の本質に関連づけながら、徹底的に考えようというものです。前半で、カント、ヘーゲルの自由論、ウェーバー、ドラッカーの再確認をしたうで、後半はハンナ・アーレントとエーリヒ・フロムを読み解きます。

後半のふたりは共にユダヤ系知識人で、ナチズムを逃れて米国に渡ったという経緯は同じながら、二人が突き詰めた「自由」は正反対といってよいほど異なります。

政治学者のアーレントは、ナチス戦犯アイヒマンの裁判を傍聴した経験をもとに、本質的な悪とは、自由意志を行使しないことがであり、人間が忠実に組織の要請に応えようとすることで、全体主義に絡め取られるリスクがあると喝破しました。

企業の不祥事の原因が、組織に忠誠を尽くそう、職務に忠実であろうとする思いが行き過ぎたことに起因することがよくあります。「平凡な誰もが極悪人になりうる」というアーレントの示唆は、組織人である私達は常に大きなリスクを抱えている事に気づかせてくれます。

一方で、心理学者のフロムは「人間に自由を与えすぎると、逆に自由から逃避したくなり、大きな権威に従属しようとする」という警鐘を鳴らしました。現代社会に蔓延する指示待ち人間や、安易なノウハウ欲求を見ると実は、ほとんどの人間は自由を持て余しているのではないかという疑問が沸き起こることも事実です。フロムは、人間の弱さを鋭敏に見抜いています。

自由とは人間にとって、可能性を広げてくれるものでもあり、リスクを招くものでもあり。突き詰めて考えると実にやっかいな概念です。
菊澤先生によれば、こういう「自由の二面性」に伝統的に向き合ってきたのがドイツ・オーストリア系の思想家だと言います。

今回の講座では、難解な思想のエッセンスをシャープに、そして分かりやすく解説してくれる菊澤先生が、この二年間自由の聖地アメリカで見聞した最新知見を踏まえて西欧社会の自由が抱える諸問題と、企業組織のあり方を語り尽くします。

・企業の経営者の方、
・管理職として職場を率いる方
・企業倫理やコンプライアンスのあり方を考える方
・人がいきいきと働く組織づくりに関心のある方等々
多くの皆様にお越しいただければと思います。

ご検討のほどよろしくお願い致します。

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