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2014年8月20日 (水)

最後に頼るのはルールか良心か

   いま高校野球で、大量得点で勝っているチームがさらに得点をあげるために徹底的に盗塁したことに疑問が寄せられている。  

「対戦相手を侮辱するにも程がある」  

 これに対する反論の中で気になったことがある。それは、「そんなことをやってはいけないというルールがないので、いいのだ」という主張だ。

 ルール主義や規則主義に、実は私は疑問をもっている。  ルールや規則、そして法律を守ることは、現代の法治国家では当然のことだ。だから、法律を学んだ人や会計を学んだ人は、ルール主義や規則主義になる。たぶん、そうすることが、正義だと思うのかもしれない。

 もちろん、ルールや規則を守ることは重要だ。しかし、私の経験では、このようなルール絶対主義の人々はリーダーに向いていない。彼らはルールや規則に逃げているのだ。ときには、思考を停止しているといいたいときもある。簡単なのだ。

 私がいいたいのは、今日、あまりにもたくさんのルールや規則や法律があり、実はほとんどの人間がそれを完全に守ることが難しい状況にあるということだ。だから、どこかでルール違反をしているのだ。無意識のうちに。したがって、ルール主義を徹底すると、どこかに矛盾おこる。  

  私は、人間は完全にルールや規則に従うことができないと思うし、またルールや規則も完全ではないので、常に変更すべきものだと思っている。

   したがって、われわれが最後に頼りにするのは、実はルールや規則ではなく、その人の理性であり、良心であり、誠実さであり、真摯さだと思う。ドラッカーの言葉を借りると、リーダーにはintegrityが必要だということ。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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