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2014年8月27日 (水)

科学的経営、哲学的経営、そして大和心

    最近、とくに科学と哲学の関係について、関心をもっている。米国流の科学主義的な経営学に対して、いくぶん哲学的な日本的経営をどのように守るべきか。

 
 米国流の科学的経済合理的マネジメントを追求すると、正当性や完全安全性を無視することが合理的という不条理に導かれる。これを避けるには、やはり日本人が好きな哲学的で人間主義的な(自由意志)マネジメントも必要だというのが、最近の私の考え。

 この同じことを、晩年、小林秀雄は、彼独自の言い方で繰り返し述べていたように思える。彼によると、日本の学者は常に海外から流入されてくる科学的知識と戦う宿命にあるという。

 昔は、中国から多くの科学的知識が流入してきたのだという。ある学者の妻であった赤染衛門。その夫が 乳母として奉公に上がった女性の乳が貧相なのを見て大丈夫だろうかと。これに対して、妻であった赤染衛門が「大和心」さえあれば、そんなことはたしたこ...はない、と歌ったという。

 小林秀雄よると、これが「大和心」という言葉がでてきた最初だという。中国から入ってくる科学的知識がなくても、「大和心」があれば、大丈夫。

 自分がいま探しているものはこれかな、と思った。では「大和心」とは何か。誠実さや真摯さに関わることであり、もののあわれを理解できる心でもある。こうして、ドラッカーやカントと結びついてもくるように思える。

 日本の経営者には、米国流の経済合理的マネジメントだけではなく、ぜひ「大和心」も持っていただきたいと思う。先に示した本田宗一郎のインタビューを見るたびに、何かそういったものを感じるのは、僕だけだろうか?

  「敷島の やまとごころを 人問はば 朝日ににほふ 山ざくら花」

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