ペリュリュー島の中川大佐について
さて、今年のお盆の番組は、NHKでもフジテレビでもペリュリュー島の中川大佐が取り上げられており、驚いた。もうネタがなくなったのだろうか。私は、中川大佐については、以下の本で書いた。
NHKでは、洞窟陣地持久戦は、大本営からの...命令(陸軍か?海軍?共同?)とあったが、その正確性には若干疑問が残る。というのも、この戦法は、海軍の考えとは基本的に一致しないからである。海軍は、水際攻撃が終わると、自分たちの役割は終わるので、水際撃滅にこだわっていて、中川大佐とぶつかっていたはず。同じ陸海の衝突が、ラバウルで籠城する今村均のもとでも起こっていた。
この点は、正確に調べる必要がある。私が読んだ戦史叢書では、もともと大本営は水際撃滅作戦を進めており、本土決戦でも水際撃滅作戦を指示していた。だから、九十九里の水際も強化していた。
ところが、ペリリューの戦いで徐々に変化していったというような記述があったように覚えている。この戦いに関心をもっていた硫黄島も沖縄もさらに山下将軍のバギオも自律的に持久戦へと自律分散化していった印象なのだが・・・・
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