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2014年7月

2014年7月31日 (木)

マイナスだけではなくプラスの外部性の事例も

 今回の試験では、プラスマイナスの外部性についての問題を出した。多くの人は、マイナスの外部性の事例だけを書いて、プラスの外部性の事例を書いていない。この点は、大きな減点となりますね。

菊澤 研宗: 組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ

菊澤 研宗: 組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ

2014年7月30日 (水)

現在、試験の採点中:出席していたかどうか

 現在、試験の採点中。

 採点していると、この学生は講義に出席していたかどうか、ときどきわかるときがある。

 

 たとえば、「経営学」に関しては、出席していない学生は、たぶん「所有と経営の分離」と「所有と支配の分離」を区別することができない。

 

 そして、私が何度もいっていた「ポーターの競争戦略論」と「資源ベース理論」の違いが分からない。

 

 これが分からないと、Aはとれないのだ。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2014年7月29日 (火)

富士フイルム、古森社長の「魂の経営」ーちょっとだけ感動部分が

 私は企業に関して疑い深いので、普段は経営者の書いた本は読まない。しかし、今回、ダイナミック・ケイパビリティとの関係で、富士フイルムに関心をもっていたので、古森社長の本『魂の経営』を電車の中で読んだ。

 

 なかなか面白い。特に、CSR(企業の社会的責任)に関して、私が求めていた事例がそこにあったのだ。私は、カント哲学にもとづくCSRを日ごろから主張し、説明している。それは何か。

 

 カントによると、「責任」という概念は独立した概念ではなく、常に「自由」という概念と「対」、「セット」なのだ。その意味は、こうだ。

 

 自由とは、自分自身が原因となって行動する自律的な行動のことである。したがって、もしそのような自由な行動が失敗したならば、その行動の原因は唯一自分にあるので、その責任もまた自分がとることになる。この意味で、「自由」と「責任」は対になっているのである。

この観点からいうと、社会に対して責任を感じるには、その前に企業が社会に対して自由を行使するような行動、つまり自由に商品を販売している必要がある。それゆえ、そのような商品に問題が起こった時には、ほかでもなくその会社が責任を取る必要がある。これが企業の社会的責任だといいたい。

 

 だから、社会に対して自由を行使してない企業には社会的責任などないのだ。

 さて、富士フイルムの話に戻ろう。今回の東北大地震で、富士フイルムには「津波で海水や泥かぶった写真の救済法を教えてほしい」という問い合わせが多くきたようだ。これに対して、富士フイルムでは、どうすれば写真が救えるか写真救済プロジェクトを進めたようだ。

 この活動に対して、以下のような文章がある。私は、これだ!と思った。

 古森社長

「このときほど、写真を生み出した自分たちが、この写真を再生させなければならないという強い使命感を感じたことはない」

試験終了そして採点へ

 土曜日に、三田で試験、そして本日、日吉で試験。これで、試験は終わり。これから採点へ突入する。

 今回は1200人ぐらい。本日、さっとみたら、今年の3年生のできがよくないような印象を受けた。まあ、これからだが・・・

 

 採点基準

80点以上=A

70点以上=B

60点以上=C

59点以下=D

 

 その後、8月3日は三田でオープンキャンパスで午前と午後で模擬講義を行う。

さらに、4日は米国から来客があり、久しぶりにネイティブと話せるので、楽しみにしている。

5日は、通信教育のオリエンテーションで日吉に行き、午後は相談・質疑応答。

 

その後、経営行動研究学会で、司会を担当。

ずっと忙しい。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

 

 

2014年7月27日 (日)

日本語書籍を英訳すること

  安倍内閣が、様々な分野の日本語書籍を英訳するという政策を展開するようだ。このような政策は前から必要だった。英語の壁は厚いし、翻訳料は高いし、とにかくこれには政策が必要だったのだ。

 

 これを本格的に行えば、おそらく翻訳ソフトや翻訳家、翻訳ビジネスがさらに発展し、技術が向上することになる。まさに、知識産業が創造されることになるだろう。

 

 また、研究者も英語で書き始めるだろう。この政策を一時的なものとすることなく、ぜひ継続してほしい。

 

 しかし、本来、このような政策は文科省が積極的にやるべきだったのだ。

 

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2014年7月25日 (金)

ウイリアムソンのいう「Remediable」とは何か

 

 これまで、取引コストには2種類あると思ってきた。ひとつは、ある組織的なデザインのもとで、メンバー同士の機会主義が生み出す取引コスト。そして、これを抑止する制度が、ウイリアムソンがいうガバナンス構造であり、ガバナンス・コストである。それは、また静態的取引コストともいえるかもしれない。これについて語っているのが、主にウイリアムソンだと思っていた。

 

 これに対して、ある状態から別の状態へ変化する場合、既存のメンバーを説得する必要があり、そのために発生するコストも取引コストであるといえる。このようなコストについては、主にコースが語っているので、コース的な取引コストだと思っていた。

 

 ところが、ウイリアムソンもこのようなコストについて言及していることが、折谷先生の指摘で分かった。ウイリアムソンは、政府や政治家による所得の再配分問題で、このことを述べている。

 

 もし現存の状態が非効率的で、何らかの政策を展開する場合、実行可能性のある代替案と比較する必要がある。このとき、新しい政策を展開する場合、「デザインによる非効率(コスト)」や「セットアップコスト」が発生する。それでもなおメリットを生み出すような政策案の場合には、それは「remediable(治療可能?)」な政策とし、利益を伴わない場合には「irremediable(治療不可能)と呼んでいる。

 

 つまり、私がこれまで不条理と呼びうる現象が発生しうることを、ウイリアムソンも必ずしも明確ではないが、説明していることが分かった。ウイリアムソンも、たとえ現状が非効率的でもそれを治療できるような代替案がない場合には、それは非効率的でないということを述べているように思える。つまり、私が指摘している合理的失敗(不条理)があることを認めているように思える。

 この点について、今後、もう少し調べる必要があると思い、現在、研究中。ウイリアムソンが「remediable(治療可能?)」という用語に関心をもっていることもわかった。気が付かなかった。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

2014年7月24日 (木)

今秋、慶応丸の内キャンパスで「自由と組織」について講座を担当します

 今秋、慶応大学丸の内キャンパスで、アゴラ講座として「人間の自由と組織の本質」ついてを担当します。

 この講座は、いわゆるゼミナールのような形で展開されます。毎回、前半は菊澤が講義をし、後半はみなんさんと議論するような形式となります。企業の垣根を越えて考えたり議論したりできる場となっています。

●菊澤担当講座は以下の通り。

http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_k.html

テーマ「人間の自由と組織の本質」

第1回 カントとヘーゲルの自由論と組織

第2回 ヴェーバーの「二つの合理性」が意味するもの

第3回 アーレントが示唆した「権威と服従」のリスク

第4回 ドラッカーが唱えた「自由な経済社会」と企業の役割

第5回 フロムが憂えた「自由からの逃走」

第6回 現代アメリカの自由が抱える諸問題

●この講座では、組織と自由の関係について議論したいと思います。一見、組織と自由は相いれない印象を受けると思います。

 一方で「自由」には解放的で拘束のないイメージがあり、他方で「組織」には閉塞的で拘束的なイメージがあるからです。

 しかし、強い組織を作るには、実は人間の自由を基礎とする必要があります。このことを、みなさんと考えてみたいたと思います。

●関心のある方は、ぜひとも参加お願いします。

2014年7月22日 (火)

本日は折谷先生から元気をもらった:行動取引コスト経済学に向けて

 帰国して、いまだ何となく体調がよくないのだが、今日は久しぶりに折谷先生と会って元気がでた。日頃から、折谷先生には、刺激的な助言をいただき感謝している。今日も、いろいろといい刺激を受け、また新しい研究をする気持ちが高まった。

 折谷先生は、白川前日銀総裁と同期で、局長まで務められた日銀マンである。そして、その後、明治大学教授に就任された。取引コスト理論を展開したウイリアムソンの大ファンという関係で、以前から仲良くさせていただいている。ノーベル賞を受賞したウイリアムソンが日本に来たときも、果敢に質問され、存在感の大きい先生である。

 私が留学している間に、以下の『中央銀行制度の経済学: 新制度経済学からのアプローチ 』という大著を書かれており、非常に興味深い。ご高著をいただいていたにもかかわらず、ご返事も出せず、大変、申し訳なく思っていた。

 本書は、中央銀行の存在、役割、そして行動を新制度派経済学で分析するという非常に興味深い内容となっている。特に、個人的には、前から本書第7章の論文には注目していた。というのも新しい構想「行動新制度派経済学」にもとづいて、米国の金融危機の失敗を分析されているからである。そこにはいろんな新しい知見が含まれており、非常に興味深い。

 近いうちに、『行動取引コスト経済学』を出版したいと思っており、先生にもぜひとも参加をお願いしたいと思っている。

中央銀行制度の経済学: 新制度経済学からのアプローチ (学術叢書)

2014年7月21日 (月)

ダイナミック・ケイパビリティの二つの起源

 デイビット・ティースのダイナミック・ケイパビリティは二つの起源をもつ。一つは、戦略論や学習論であり、もう一つは取引コスト理論である。

 

 本人は、取引コスト理論の限界を超える形でダイナミック・ケイパビリティを展開しているように思えるが、他の研究者は戦略や学習論の延長上にそれを位置づけたいようだ。

 いずれにせよ。このダイナミック・ケイパビリティ論はいろんな分野に広がりつつあるようだ。言い方を変えると、もう経営学にはこれしかないような枯渇した状態なのだ。

 

 理由は、みんな小ネタの実証研究ばかりしているので・・・・

2014年7月20日 (日)

ジーンズをはくということ

 われわれが学生のとき、先生がジーンズをはいて講義をするというのは、何か反体制的な感じがした。左翼的な感じだった。

 

 たとえば、ドイツのフランクフルト大学に留学して帰国した先生は、講義でもジーンズをはいていた。当時、フランクフルト大学では新左翼、フランクフルト学派が出現し、影響力をもっていた。

 

 ところが私の場合はまったく異なる。カリフォルニア大学バークレー校にいくとわかるのだが、ここはリーバイスの創業家ハス一族のおひざもとだ。だから、みんなリーバースをはいている。先生も学生も。紺ブレで、革靴で、ジーンズだ。カジュアル・フォーマルだ。

 

 私のスポンサー教授のティース教授がイノベーション研究所の所長になったとき、パーティが開かれた。私はニューヨーク大学に留学したことがあり、パーティというと何かドレスコードがあるのではないかと思い。事務のパティさんに、ネクタイ着用かと聞いたら。

 

 ここはには、そんなドレスコードなんてないのよ。東側のニューヨークと違ってカジュアルでいいのよ。と言われた。

 

 だから、私がジーンズをはいているときは、反体制派ではなく、バークレー帰りの名残りとみてほしい。懐かしいなあ~。

 

 

2014年7月19日 (土)

組織で命令されるとと顧客から注文を受けるとには本質的な差はない。

 前に、ブログで、若者は組織の中で命令され服従するよりも、企業を起こして好きなことをやりたいということに対して、コメントしたことがある。

 

 私がいいたいのは、組織の中で上司から命令されて部下として服従することと、独立して顧客から注文を受けてそれに従うことは、本質的に同じだということだ。

 もし上司の命令に違反すれば、クビになるかもしれない。同様に、顧客の注文に応じることができないと、注文はなくなるかもしれない。

 上記のようなコースやウィリアムソン的な組織と市場の定義には、本質的な違いはないと主張したのは、アルチャンとデムセッツである。

 

 上司の命令を嫌って組織を離れ、会社を設立して顧客から注文を受ける。やっぱり違うのだろうか?

私の好きな経営者とは、「やっぱりお金じゃないよね」といえる経営者。

 最近、facebookを中心に書いていたが、どうもおなじようなメンバーの文章を見ていると、自分の思考が閉鎖的になるような感じがしてきたので、再びブログにもどりたい。

 

 ときどき、どんな経営者が好きかと問われるときがある。これは難しい問題である。いろいろあるが、メタファーを使うと、こうだ。

 

 ある危機的な状況で、みんなで真剣な議論しているとする。議論は白熱し、今後の行動に対して方向性も絞られてきた。最後に、経営者の決断にいたったとしよう。

 

 このとき、「やぱりお金じゃないよね」といえる経営者がいい。こういった経営者が好きだ。

 

 

カントと対決していた岩崎武雄教授のアカデミック・ロマン

 哲学者の中でも、私が最強と思うのはカントである。カント哲学を知るには、だれの本を読んだらいいのかといわれると、私は必ず東大教授、故岩崎武雄の著作を紹介することにしている。いまでも、最高だと思う。

 

  特に、好きなのは、岩崎武雄『カント「純粋理性批判」の研究』である。これは、カントの単なる注釈ではない。 解説を通して、カントとの哲学的対決を目指したものと言われている。

 

 このような試みに、学者としてのロマンを感じるのは、私だけだろうか。私も、ドラッカーの本を通して、哲学的対決をしてみたいと思った。これまで新制度派経済学の応用ばかりに目を奪われ、理論的な議論のすばらしさを少し忘れていたので。

2014年7月18日 (金)

米国における学閥

 日本には、いまだ学閥あるように思える。その典型的な例が、慶応義塾大学だ。三田会。それは、日本のどの業界にもあるようだ。

 それを悪とみるか、良しとみるか。もちろん、慶応関係者にとっては、メリットをもたらす団体だ。よく、慶応義塾大学を卒業してから、慶応大学の良さを知ったということを聞くのも、これだ。

 さて、問題は米国だ。米国にはこのような学閥はないのだろうか。なんとなく、日本と違って、そんなものはないようにも思える。

 しかし、そうだろうか。私はあるように思っている。私は2年間カリフォルニア大学バークレー校に留学していたが、バークレー繋がりは非常に強いように思える。スタンフォードではなく、やはりバークレーなのだ。

 その結びつきは、卒業後もおそらく強いと思われる。慶応出身者が感じているような見えない何かがあるように思える。しかも、それが世界レベルで展開されているように思える。

 帰納的推論はあてにならないが、おそらくハーバードも、コロンビアも、プリンストンも状況は同じだと思う。

 人間組織には、普遍的な原理があるように思うことがある。しかし、これはあくまで私の個人的な主観である。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

 

 

まずはドラッカーの経営哲学を書きたい

 日本に帰国し、まずは気候になかなか適応できず、日々、なんとなく体がだるい状態だった。

 

 また、英語の論文が気になり、何となく日本語を書く気力が起こらなかった。しかし、最近、少し書く気力ができた。

 

 まずは、ドラッカーだ。ドラッカーの経営哲学について書きたくなった。私は、ドラッカーの経営学の基礎にはカント哲学がある思っている。それは、ドラッカーがカント哲学が好きだったとか、彼がカントを引用しているということではない。

 理論的に共通点が多いということであり、これは私のドラッカーへの挑戦でもある。つまり、ドラッカーが思っていた以上に、私は彼の経営哲学を洗練化したい。

 

 このことに気付いたとき、ある問題が解けた。

 

  実は、戦後の有名な日本経営者たちは東大が多いのだが、彼らは若いとき、旧制高校や大学で先進国化のひとつとして西洋哲学を学んでいた。とくに、カント哲学を学ぶものが多かったのだ。

 

 戦後の経営者は、残念ながらカント哲学を学ぶ人はいなかった。しかし、その代りに多くの日本の経営者がドラッカーの経営学を学んだ。

 

 私は、戦前と戦後の優秀な日本の経営者の間にひとつの糸がつながっているように思える。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

 

2014年7月17日 (木)

グローバル人材とは日本人がアメリカ人的になることなのか?

  グローバルな人材とは何か。日本人がアメリカ人のように英語で活発に自分の意見を語ることなのだろうか?

 

 自分の意見をしっかり表現できない日本人はだめだ。アメリカ人のように、とにかく自己表現する。これが日本人の課題だ。という教育者は多い。本当だろうか?

 

 そうような日本人は、私が知るかぎり、米国では、カリフォルニアでは中国人か韓国人だと思われるように思える。

 日本が世界をリードするには、スーティブ・ジョブスのような優れた個人が必要だという。本当だろうか。

 

 いまの米国の最先端の企業、例えばグーグルはチームワーク志向だ。しかも、ノマド(遊牧民)的な仕事人を求めていない。会社に来ることが従業員の義務であり、しかも会社内ではグループ制だ。

 

 まさに、最先端の米国はグループによるイノベーションや創造を重視している。天才的な個人を求めていないように思える。

 

 日本が米国を目標として、日本でいま求められている人材は、一時代前の米国の姿のように思える。

 

 いま世界が日本に求めているのは、マンガやキャリーぱみゅぱみゅをみればわかると思う。日本的な繊細さや日本的な色合いや日本的なかわいさなのだ。

 

 それを見失ってグローバル化すれば、競争優位を失うことになるだろう。

 

 

2014年7月15日 (火)

学会にやってくる若手研究者の未来

 若いとき、学会に行くと、他大学の有名な先生がいて楽しかった。ましてや、自分が報告するときには、そのような先生に聞いてもらえることが嬉しかったことを思い出す。めったにない機会だからだ。

 

 ところが、最近の若い研究者の方々はどうなのだろうか。有名な先生は学会に来ないし、その代りに見たことも聞いたこともない先生が学会の理事として司会をしていたり、コメントしたりしている。しかも、そのコメントがひどかったり、トンチンカンだったりする。

 

 こんな学会というのは、楽しいのだろうか。まず、優秀な学者たちが学会に来なくなり、次は若い人たちも来なくなるのだろう。そう思うかもしれない。

 いや、そうではない。今後も、やってくるのだ。

 しかし、それはM・ウェーバーがプロ倫で予言した人たちだ。研究内容に関心があるのではなく、報告あるいは発表したというただ形式だけを求めてやってくるのだ。昇進のために、職をえるために。価値合理的ではなく、目的合理的に行動するために。

 

 

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2014年7月 2日 (水)

ダイナミック・ケイパビリティについて

  昨日は、慶大学内で帰国報告として、ダイナミック・ケイパビリティ論の報告を行った。
 

   専門が異なる人が多かったが、経営学会のメンバーよりもまともで、質疑応答も面白く、個人的には十分楽しめた。楽しかった。
 

  さて、次は9日に埼玉県で「経営者トップ・セミナー」で講演し、12日に浜松町で湘南慶友会主催の講演を行う予定。こちらは、ビジネスマンなので、いかにわかりやすく、明確に話すかが問題。

 ところで、多分、今日、日経産業新聞に私の記事が掲載されるのではないかと思うが、「ダイナミック・ケイパビリティ」について少し書いた。

  この新聞にはいろいろと制約があり、「菊澤」はダメで、「菊沢」となり、「ダイナミック・ケイパビリティ」も2回目からは日本語でなければならず、「変化対応能力」となったようだ。これでいいのだろうか?正確には、「変化対応自己組織化能力」か「変化対応自己再編能力」という感じだと思う。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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