STAPをめぐって、もっとお勉強してから質問しましょう。
STAPをめぐって、日本中に似非科学者が増殖した。科学について、きちんと勉強したこともない人たちが、「科学とはこうだ!ああだ!」と語って、科学者を批判している。面白い。
科学については、科学哲学という分野があるので、ぜひともマスコミの人々に「科学とは何か」について、もう一度、お勉強してもらいたい。
本日、笹井氏があれだけ優れた説明をしたにもかかわらず、「仮説」という言葉にマスコミは反応し、「仮説」=「存在が怪しい」といいたいようだ。
しかし、われわれが、現在、得ているすべての知識は「仮説」なのだ。相対性理論も、量子力学も仮説でしかない。単に、いまだ反証されていないだけなのだ。
論理に弱い人は、われわれ人間は実証された真なるを知識を得ていると信じているのだろう。しかし、「すべてのカラスは黒い」という自明の命題ですら、仮説なのである。というのも、時間空間が無制限ですべてのカラスを観察することは不可能なのだ。この命題は、いまだ反証する観察がなされてないというそれだけなのだ。真理ではない。仮説なのだ。
こういった意味で、本日、笹井氏は「仮説」という言葉を使っていたと思う。つまり、いまだ有力な反証を見出してないという言い方だ。科学哲学の観点からしても、本日の説明は見事だったと思う。久しぶりに、本当に頭の良い人を見た、というのが、私の感想。とにかく、すごい人物だ。
一般人を相手にしないで(質問のレベルが低すぎ、時間の無駄)、安い給与のようだが、日本のために、象牙の塔、白い巨塔でぜひ研究を進めてほしいと私は思った。
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