米国でも同じこと起こっていた。
日本のマスコミの批判ばかりしましたが、同じことが米国でも昨年起こりました。ノーベル経済学賞をめぐって。シラーとファーマが受賞したのだが、市場に関する二人の結論が異なっていた。
ファーマは、株式市場での株価は現状を正しく反映するといい。シラーはバブルは必ず起こるという。つまり、常に正しくないという。そこで、このような「学問は科学ではないのではないか」という問題提起がなされていた。
これに対して、ハーバート大学の天才であるChettyが「Yes, Economics is a science」という議論を展開するという面白い状況に出くわした。
この経済学の事態をどう解釈するのか。たぶん、マスコミには科学には唯一絶対的な真理理論がつねにあるという偏見があるのだろう。だから、以下のことが理解できない。
(1)ファーマの仮説をシラーたち(セーラーを含む行動経済学者)が反証しようと努力しているところ。まだ最終決着はついてない。だから、どちらもすごいことは間違いない。物理学でいうと、ニュートンとアインシュタインが同時期に生きていたら、どちらもノーベル賞です。反証されても立派な理論は立派で使えます。
(2)そもそも一つの実在をめぐって、唯一絶対的な理論があるわけではないこと。いろんな理論があっても問題ないこと。量子力学におけるハイゼンベルクの量子力学(行列)とシュレーディンガーの波動方程式。最終的に、フォンノイマンが数学的に両者は同等と証明している。つまり、科学は理論的に多元論であること。
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