科学は真理を獲得してきたわけではない。
昨日の笹井会見でも思ったが、科学者と一般の方との決定的な違いは、一般の人々は科学の歴史は真理を獲得してきた歴史だと勘違いしている点。むしろ、いかに人間が無知なのかを証明してきた歴史。
「すべてのカラスは黒い」という自明の命題すら、実証できない。理由は、過去、現在、未来、そして全宇宙のすべての(無数の)カラスを観察できないので。しかし、反証は可能。有限の白いカラスを観察すればいいので。ということは、現在、われわれが得ている科学的知識はすべて「仮説」であって真理ではなく、いまだ反証されていないという程度の知識でしかないとうこと。だから、科学は進歩し、楽しいのだ。
人間が無知であることの論証は、いまのところ少なくとも3つ。
(1)言語学的不可能性証明。真理を言明と実在の一致とする。この一致を証明するには、別の言明が必要となり、その言明の真理を論証するのに別の言明が必要となり、結局、無限に後退するだけで、真理を証明できない。
(2)ハイゼベルクの物理学的な不確定証明がいまだに否定されてない。
(3)ゲーデルの数学的な不完全性証明がいまだに否定されていない。
ということで、大抵の科学者はこれらのことを知っている。だから、人間が月まで行って戻ってきたというのは、驚くべき賭けだったと思うけど・
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