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2014年4月

2014年4月17日 (木)

科学と哲学 夕学五十講 ぜひご参加を!

   笹井会見をめぐって、いろいろコメントしましたが、米国でも、科学主義VS人文学、科学主義VS哲学の戦いが起こっています。機械設備が発達し、脳科学が発展し、人文や哲学のすべての領域を科学で分析できるという信念が形成されつつあります。
 

 今回、夕学五十講では、やはり科学には限界があり、哲学が必要だということをお話しする予定です。「いまこそ経営に哲学を!」

  今回のSTAPをめぐる議論は、私にとってとてもいい事例になりました。

   6月11日です。関心のある方はぜひご参加、お願いします。

https://www.sekigaku.net/Sekigaku/Default/Schedule/LectureList.aspx

 

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

マスコミには抜き打ちテストを

 今回の笹井会見をめぐって、あまりにレベルの低い質問に、見てる方はつらいという人は、私を含めていたように思う。

 

 私は、今後は、記者会見するときに、記者たちに「物理学」「化学」「数学」に関する簡単な試験を受けてもらってから、参加してもらった方がいいのではないかと思う。そうすると、下手なバラエティ番組よりも面白いのではないかと思った。

A記者が質問すると、「物理20点」のAさん質問してくださいとか、「数学0点」のB記者質問してください、とかいった場面が見れて、相当、楽しいと思うけど・・・・

どうでしょうか?

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

笹井氏は官僚的だったか?

 昨日の笹井氏を頭のいい「官僚的」な発言し終始し、言い逃ればかりだったという人がいます。

 私は、そうは思わない。彼の一連の発言、議論の背後にあったのは、「科学に”絶対”はない」ということ、だから「すべてが暫定的で推測的」ということを十分認識し、それを一貫して丁寧に素人に語っていたと思う。

 これに対して、マスコミや一般の人は「科学に絶対」を求めているので、彼が「官僚的な言い逃れ」に終始したと見えるのだ。

 すべては暫定的で推測的で、決定的な反駁がないかぎり、推測にすぎず、暫定的なものだ。私は、彼はきわめてポパー的だったと思う。

 TVに出てくるような学者に「絶対」を求めてもいいが、多分絶対なる答えをくれて、安心させてくれるだろう。



 しかし、象牙の塔にいる本当の学者に「絶対」を求めてはならない。いらいらするだけ。なぜなら彼を含めて人間が不完全ることを知っているから。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

米国でも同じこと起こっていた。

   日本のマスコミの批判ばかりしましたが、同じことが米国でも昨年起こりました。ノーベル経済学賞をめぐって。シラーとファーマが受賞したのだが、市場に関する二人の結論が異なっていた。

 ファーマは、株式市場での株価は現状を正しく反映するといい。シラーはバブルは必ず起こるという。つまり、常に正しくないという。そこで、このような「学問は科学ではないのではないか」という問題提起がなされていた。

 これに対して、ハーバート大学の天才であるChettyが「Yes, Economics is a science」という議論を展開するという面白い状況に出くわした。

 この経済学の事態をどう解釈するのか。たぶん、マスコミには科学には唯一絶対的な真理理論がつねにあるという偏見があるのだろう。だから、以下のことが理解できない。

(1)ファーマの仮説をシラーたち(セーラーを含む行動経済学者)が反証しようと努力しているところ。まだ最終決着はついてない。だから、どちらもすごいことは間違いない。物理学でいうと、ニュートンとアインシュタインが同時期に生きていたら、どちらもノーベル賞です。反証されても立派な理論は立派で使えます。

(2)そもそも一つの実在をめぐって、唯一絶対的な理論があるわけではないこと。いろんな理論があっても問題ないこと。量子力学におけるハイゼンベルクの量子力学(行列)とシュレーディンガーの波動方程式。最終的に、フォンノイマンが数学的に両者は同等と証明している。つまり、科学は理論的に多元論であること。

科学は真理を獲得してきたわけではない。

   昨日の笹井会見でも思ったが、科学者と一般の方との決定的な違いは、一般の人々は科学の歴史は真理を獲得してきた歴史だと勘違いしている点。むしろ、いかに人間が無知なのかを証明してきた歴史。

 「すべてのカラスは黒い」という自明の命題すら、実証できない。理由は、過去、現在、未来、そして全宇宙のすべての(無数の)カラスを観察できないので。しかし、反証は可能。有限の白いカラスを観察すればいいので。ということは、現在、われわれが得ている科学的知識はすべて「仮説」であって真理ではなく、いまだ反証されていないという程度の知識でしかないとうこと。だから、科学は進歩し、楽しいのだ。

 人間が無知であることの論証は、いまのところ少なくとも3つ。

(1)言語学的不可能性証明。真理を言明と実在の一致とする。この一致を証明するには、別の言明が必要となり、その言明の真理を論証するのに別の言明が必要となり、結局、無限に後退するだけで、真理を証明できない。

(2)ハイゼベルクの物理学的な不確定証明がいまだに否定されてない。

(3)ゲーデルの数学的な不完全性証明がいまだに否定されていない。

ということで、大抵の科学者はこれらのことを知っている。だから、人間が月まで行って戻ってきたというのは、驚くべき賭けだったと思うけど・

2014年4月16日 (水)

STAPをめぐって、もっとお勉強してから質問しましょう。

 STAPをめぐって、日本中に似非科学者が増殖した。科学について、きちんと勉強したこともない人たちが、「科学とはこうだ!ああだ!」と語って、科学者を批判している。面白い。

 科学については、科学哲学という分野があるので、ぜひともマスコミの人々に「科学とは何か」について、もう一度、お勉強してもらいたい。

 本日、笹井氏があれだけ優れた説明をしたにもかかわらず、「仮説」という言葉にマスコミは反応し、「仮説」=「存在が怪しい」といいたいようだ。

 しかし、われわれが、現在、得ているすべての知識は「仮説」なのだ。相対性理論も、量子力学も仮説でしかない。単に、いまだ反証されていないだけなのだ。

 論理に弱い人は、われわれ人間は実証された真なるを知識を得ていると信じているのだろう。しかし、「すべてのカラスは黒い」という自明の命題ですら、仮説なのである。というのも、時間空間が無制限ですべてのカラスを観察することは不可能なのだ。この命題は、いまだ反証する観察がなされてないというそれだけなのだ。真理ではない。仮説なのだ。

 こういった意味で、本日、笹井氏は「仮説」という言葉を使っていたと思う。つまり、いまだ有力な反証を見出してないという言い方だ。科学哲学の観点からしても、本日の説明は見事だったと思う。久しぶりに、本当に頭の良い人を見た、というのが、私の感想。とにかく、すごい人物だ。

 

 一般人を相手にしないで(質問のレベルが低すぎ、時間の無駄)、安い給与のようだが、日本のために、象牙の塔、白い巨塔でぜひ研究を進めてほしいと私は思った。

2014年4月 6日 (日)

拙著『戦略学』ダイヤモンド社が4刷になりました!

 拙著『戦略学』ダイヤモンド社が4刷になりました。みなさんのおかげです。

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

この本では、K.R. ポパーの世界3理論に基づいて、物理的アプローチ、心理的アプローチ、そして理論的アプローチを体系的に立体的に駆使するキュービック・グランド・ストラテジ―を説明しています。

戦略論の教科書としても十分使える内容となっていますので、関心のある方は、ぜひ一度読んでみてください。

2014年4月 1日 (火)

いろんなイノベーション論が展開されているが・・・

 米国ではいろんなイノベーション論が展開されている。現状を打破するには、イノベーションが一番だ。多くのビジネスマンがイノベーションに関心を持っている。

 

  ディスラプティブ・イノベーション、

  オープン・イノベーション、

  リバース・イノベーション、

  ユーザーイノベーション。

 

しかし、イノベーションに至る真のロジックはない。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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