ダイナミック・ケイパビリティの数理モデル化
ダイナミック・ケイパビリティをめぐる議論を学問的に発展するには、それに関わる数理モデルを展開する必要があると思う。たぶん、経済学者ならば、すぐにそうすると思う。実際、オリバー・ハートが所有権理論をこの方向で発展させている。しかし、経済学者はダイナミック・ケイパビリティに関心をもっていない。
数理モデルの展開の嫌いな経営学者は、結局、実証研究をする方向にいく。実際、すでにこの方向での論文もかなり出ているように思う。しかし、そもそも理論というか、見方があいまいなのに、実証研究するのが経営学者のレベルの低さというか、すごいところだ。
私が書いている第4の論文はダイナミック・ケイパビリティの概念を数理モデルに組み入れるという試みの研究だ。しかし、数理化すると、話が小さくなり、逆に魅力がなくなるようにも思う。ダイナミック・ケイパビリティは、やはりあいまいなままのがいいのかもしれない。
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