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2014年1月27日 (月)

経済合理的マネジメントと人間主義的マネジメント

   数年前、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レヴューで、戦艦大和の特攻をケースにして、取引コスト理論で空気を分析した。この論文をたくさんの人が読んでくれているようで、ありがたい。しかし、どうやって空気の問題を解決するのかをめぐって、もう少し知りたいという人もいる。
 

    結局、どのようにして取引コストと戦うのかということになる。私がバークレーで学んだことからすると、何もしないで「回避」するか、ウリアムソンがいうように制度で「節約」するのか、ティースがいうようにダイナミック・ケイパビリティで「克服」するのかということになる。しかし、これらはいずれもカントのいう理論理性による経済合理的な解決だ。

   しかし、これでは空気の問題を完全に解決できない。むしろ、経済合理性を追求すればするほど、空気は黒くなる。これを解決するには、カントがいうように、別の理性、実践理性、自由意志が必要となる。損得計算、取引コストに囚われない能力、この自由意志を経営に持ち込んだのがドラッカーである。
 

   だから、空気の問題を解決するには、やはりドラッカー経営学は必要だと、米国にきて確信した。ドラッカーをめぐっては、もう古いという人いるようだが、古いとか新しいとかの問題ではなく、普遍的かどうかという問題だと思う。経済合理的マネジメントとともにドラッカー的な人間主義的なマネジメントも必要なのだ。 

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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