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2013年12月 5日 (木)

シャープの試みは面白い

    ジャープの「さん付け運動」は非常に面白い。役職ではなく、だれでも「さん」で呼ぶというのだ。慶応出身者は、「ああ慶応と同じで、みんな・・・君と呼ぶのだあ~」と思うかもしれない。

  そうではなく、変化への試みとして面白いということ。いつも述べているように、われわれを取り巻く世界は三つある。物理的、心理的、そして理論的世界だ。この三つの世界があるので、変化が難しいのだ。この中で一番簡単に変化できるのは、物理的な世界かもしれない。

  問題は、心理的世界だ。最近の行動経済学では、人間には「Loss aversion 」というバイアスがあるということ、つまり得るよりも失うものの価値を高く評価するというバイアスだ。このバイアスがあるかぎり、新しい社長が大変革案を出しても、従来のシステムを失う価値の方を高く評価してしまうのだ。

  このバイアスを変化さるには、物理的な変化か理論的世界での変化が必要となる。シャープがやろうしている試みは、世界3のアプローチ、理論的アプローチであり、これによって心理的な変化を起こそうとするものかもしれない。という意味で、興味深い。成功するかどうかわからないが・・・

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

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