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2013年12月19日 (木)

研究が先か、統計ソフトが先か

  米国に来てわかったのは、こちらでは[The New York Review of Books][London Review of Books]などのすばらしい書評ビジネスがあることだ。日本にはない。
 

  クルーグマン、スティグリッツ、サンステインなど錚々たる学者が、8-9ページに渡って、論文のように特定の本についてコメントする。クルーグマンなどはものすごい批判的な書評を書く。ときには、書かれた著者との論争もある。
 

  最近では、サンステインが、統計を使って歴史上もっとも意義のある人物をランキングする本を批判していた。ウイキペディアを使って、その記事が長いかどうか、その記事のヒット数、その記事が何度改定されているか、そのパージと他のリンクの数などを統計的に処理して、ランクを決めるのだ。結論は以下の通り。

  1キリスト、2ナポレオン、3、モハメッド、4シャークスピア、5リンカーン、6ワシントン、7ヒトラー、8アリストテレス、9グラント将軍、10ジェファーソン・・・・
 最近、本や文献をデジタル化し、そこに出てくる文字を分析するソフトが発展している。これをメタ分析ともいうが、まさにいま米国の学者の世界は、マルクスが嘆いていた世界になっている。
 

  つまり、昔の学者はある研究をするために統計学を使っていたが、いまは統計ソフトにしたがって学者は研究させられているという状態。つまり、統計ソフトによって学者の研究は決定されている。そのうち、学者も「疎外感」というものを感じることになるのだろうか?

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

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