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2013年12月24日 (火)

テーラーからドラッカーへ:役に立たない経営学か

    管理論の父と呼ばれいているF.W.テーラー(経営学の父はドラッカーらしいが)の管理原則はいまでは古くて、だれも学ぶものはいないかもしれない。組織を階層化しろとか、分業化しろとか、権限を委譲しろとか。あたりまえのことばかり。
 

   この原則に従うと、メンバーそれぞれが機械組織の部品となるので、管理者の役割はなくなることになる。そこで、テーラーは「例外の原理」という原理を掲げた。つまり、例外的なことを扱うのが管理者の仕事だと。
 

    では、例外的な仕事とは何か。この点を解明するのが、学者の仕事だ。意外に理解していない人が多い。統計学ばかりやっている学者にはまず理解できない。部下が行う仕事は、ほとんど企業利益を最大化するための仕事だ。みんなで優秀なら、残っている仕事とは何か。道徳的価値判断を求めてくる仕事しかないのだ。人間倫理に関わる仕事だ。だから、ドラッカーがいうように倫理感のない人が管理者になってはならないのだ。
  

   事例:いまある薬品会社の薬を使用した人が問題を起こしているという数件発生。すべて回収するかどうか。会計部門からは、回収には膨大なコストがかかるので、秘密にして処理した方がいいとの意見。営業も、この事例が知られると、販売にマイナス影響が出るので、秘密という意見。部下たちの意見を前に、管理者が以下のことをいえるかどうかだ。「社会倫理にもとづいて、コストがかかってもすべて回収し、事実を公表する。後のすべての責任は私がとる」と。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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