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2013年10月27日 (日)

亡くなったノーベル経済学者フォーゲルの魅力

    ノーベル経済学者であるフォーゲルが、最近、亡くなった。彼の記事を英文で読んだ。彼は、経済理論と統計学を歴史研究に応用するクリオメトリックスを開発した。クリオはたしか、歴史の女神?この手法を用いて、彼は少なくつも二つ歴史的常識を覆した。

(1)南北戦争後の米国経済成長の主要要素は鉄道だといわれていたが、その貢献度は少なく、たかだか5%程度。実際には、当時、水路が利用されていたと主張。

(2)米国での奴隷制度は非効率的で悲惨であったといわれてきたが、実際には効率的であったということ、というのも農園所有者たちがいろんなインセンチブを彼らに与えて、最大の生産性を引き出していたから。

(1)は多くの人々に受け入れられたが、(2)は多くの議論を巻き起こしたようだ。

  さて、最近の彼の研究は、国民の健康と経済成長の関係だった。健康と技術の発展が経済成長を促進するという結論を、さまざまな統計を使って示している。身長の高さも経済と関係しているようで、80年代以降、米国人の身長は変化していないのに対して、日本人の身長は伸びているという。

 米国の状況ついては、不平等格差が広がったことに関係しているのではないかということだ。もし彼の議論が正しいとすると、個別企業も健康な人々をどんどん雇用すると、いいことになるだろう。

  既存の歴史的定説を覆し、新しい説を打ち立てるフォーゲルは、本当に魅力的な学者だと思う。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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