慶応大学菊澤ゼミナールHP

私の趣味

私の著書

新制度派経済学と限定合理アプローチの本

経営哲学学会HP

« 経営学者も企業も最先端を知りたいのでは? | トップページ | チョムスキー最高 »

2013年9月18日 (水)

因果命題と相関命題の違い

  本日、ついに謎がとけた。これまで何度もお話してきたように、米国の研究者はやたらに仮説を設定し、統計的に検証するのが好きだ。この仮説のことを理論とかいっているが、あまちゃんの鈴鹿ひろみ流にいうと「ちゃんちゃらおかしい」。
   やはり、米国の研究者は、「相関関係」と「因果関係」の違いを教科書的には理解しているが、実際には、相関関係的命題をたくさん設定し、それをあたかも因果命題のように回帰分析しているという大間違いをしている可能性が大きい。
   実は、因果命題を形成することは意外に難しいのだ。因果命題なので、AならばBであるが、その逆BならばAであることはないということが明らかでなければならない。ところが、米国の学者が設定する命題は大抵逆もありだ。
  たとえば、本日のセミナーでの仮説は、こうだ。「もしある人が高いステイタスもっているならば、その人は過大評価されるだろう」。この命題は必ずしも、因果命題ではない。逆も可能だ。「もしある人が過大評価されるならば、その人は高いステイタスをえるだろう」。これは、相関命題だ。それにもかからわす、この相関関係命題を、因果命題をテストする回帰分析で実証するのだから、でたらめだ。相関命題を作るのは簡単だ。しかし、因果命題を形成することは相当難しい。

 では、経済学では、因果命題を形成しているか。している。経済学は実に巧妙だ。新古典派経済学の基本原理のひとつは「すべての人間は利益最大化する」だ。これが被覆法則となって、次のような因果命題が導出される。「もし銀行でお金を貯蓄して得られる利回りが株式に投資して得られる利回りよりも高いならば、人はお金を銀行に貯蓄するだろう」その逆は、成り立たない。つまり、「もし人がお金を銀行に預けるなれらば、銀行の利回りは株式投資の利回りよりも高くなるだろう」にはならない。
  私が知るとことでは、ミクロ経済学での因果命題は大抵「利益最大化仮説」と「需要供給の原理」にもとづいて因果命題が導されていると思う。経営学、社会学、心理学にはこういった形で導出されている因果命題は、ほとんない。ほとんど安易な場当たり的な相関命題だと、本日、確信した。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

« 経営学者も企業も最先端を知りたいのでは? | トップページ | チョムスキー最高 »

12)UCバークレー滞在記」カテゴリの記事

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30