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2013年8月 4日 (日)

不平等をめぐるマンキュー vs クルーグマン、スティグリッツ論争

     米国の不平等をめぐる論争について、ハーバードのマンキューは、アップルのスティーブ・ジョッブやハリポッターの著者ローリングのようなお金持ちは、経済的に貢献していたので、巨額の利益を得たのだ。貢献をしない人には利益はこないのだという。これを、政府が吸い上げてみんなで分けるような所得の再分配をすると、イノベーションは起こらないという。新古典派的な正当な議論だ。
  ところが、クルーグマン、スティグリッツ、そしてベーカーたちは、彼らが著しく高額の利益を生み出しているのは、実は政府が形成した特許制度や著作権制度などの独占容認制度にもとづくものであり、必ずしも個人の経済的貢献だけではないというのだ。製薬会社などはそのような制度を利用してレント・シーキング活動、機会主義的行動、モラルハザード行動をして、不当に利益を得ているという。これらの活動を認めると、経済学では常識で、パイ全体(経済全体メリット)が小さくなるので、絶対に容認できないといっているのだ。
  また、スティグリッツやクルーグマンによると、特許、著作権によって、モチベーションが上がるので、イノベーションが起こるというが、これまでの科学史をみると、巨額の収益とは無関係にイノベーティブな仕事をしている科学者は多いし、製薬会社がある病気の健康診断検査の特許をもっているために、もっと安くて簡単な検査方法をめぐる研究が展開されず、逆に非効率が起こっているという。そして、ここでも貧困な人々が損をすることになると。
  だから、高額所得者から税金をとって、再分配しないとだめだという。これを政府はしていないので、いま大変な格差が起こっている。現在の米国は、大学生の学生ローンの総額がクレジットカードの負債総額を超えており、近い未来、支払えない学生がたくさんでてくるぞ!!!・・・・・続く。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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