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2013年8月

2013年8月28日 (水)

やむにやまれぬ米国 ready to go

    アメリカという国はおもしろい。日頃、ほとんどの国民が利益最大化、株価最大化、ROE最大化、効用最大化原理にもとづいて行動するのだが、戦争ときだけ違う。第二次大戦もそうだったが、今度のシリアもそうだ。

   絶対に得しないとわかっている。だから、いままで介入しないで我慢をずっとしてきた。かつての英国のチャーチルのように、いろんな人たちが助けを求めてきている。あれだけ米国が警告したレッドラインを、アサドは超えて、化学兵器を使用したようだ。

   数日後、「正義」のもとに攻撃を開始するようだ。せっかく、景気も少しだけ持ち直してきたのに・・・、そんな米国がかわいそう。米国は偉い。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年8月24日 (土)

米国人は面白い

   これまで、米国の悪口をたくさん述べてきたが、もちろんいいところもある。学問的なことでいえば、米国人はどんなに馬鹿げたようなアイディアでも(英語が下手でも)かなり関心をもってくれる人が多い。これは、すごいことだ。
 私もときどきポパーの話やカントの話を下手な英語で説明し、このような哲学がどのようにして経営学に関係しているのかを話すときがあるのだが、意外に関心をもってくれるものだ。ビジネス・スクールの授業の休み時間に、ある学生と少しだけ「利益最大化」と「企業の社会的責任」についての話をしたときも、その米国人学生が非常に関心をもってくれて、そのあとで僕がそのような論文を書いてないか、ネットで調べていたようだ。
 日本では、とても相手にしてもらえないようなアイディアや構想でも、米国人は食いついてくる。これが、米国の面白いところであり、いいところだと思う。バークレーにあるたくさんの喫茶店はいつも満員で、多く学生が議論している。きっと面白いアイディアを語り合っているのだろう。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年8月20日 (火)

帝国ホテルのマネジメント

  最近、日本の企業経営者が自分の成功談を本にするケースが多い、と個人的に思っている。これは、売上を伸ばしたい出版社からの依頼によるものかもしれないが、それだけではないないだろう。基本は、均衡だ。
 

  私は、自分の本が売れないので、やっかみもあり、こういった社長や経営者の本を見るたびに、そんな暇があったら、ひとりでも多く若い人を雇ってほしいものだと思っている。

  しかし、以下のような震災のときの帝国ホテルの対応の話は、どんどん宣伝してほしいと思っている。日本が誇れる繊細で外国人がまねできないマネジメントだと思う。米国にいてつくづく思う。

●帝国ホテル
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130819-00010280-president-nb

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年8月10日 (土)

米国の文房具にはいらいらする

    20年前のニューヨークでも、現在のバークレーでも、同じことがいえるのがだが、とにかく米国では筆記用具が良くない。日本では考えられないが、本当にボールペンや用紙の質が悪い。しかも、米国はA4ではなく、レターサイズが一般的。消しゴムは消えない。
  特に、ボールペンは0.7の太さが一般的で、0.5はほとんどない。少なくとも、バークレーにある文房具チェーン「ステイプルス」にはない。いらいらするなあ~、こんな太いの書けない!                           

  日本に住んだことのあるアメリカ人も、日本製のボールペンは素晴らしいようで、日本で購入した4色ボールペンの替え芯を米国で探しているが、ないと嘆いていた。ささいなことだが、これが意外にいらいらするのだ。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年8月 5日 (月)

米国の不平等問題の奥深さ

     米国の不平等の問題は、奥深い。現在、米国は、白人、黒人、ヒスパニック、アジア人です。ヒスパニックは、一応、白人と見られ、アジア人は親が教育熱心で、自分の身を削ってでも子供を大学に入れる。したがって、ヒスパニックとアジア人は白人にうまく溶け込んでいるが、問題は黒人。
  いま、米国では白人と黒人の争いが過熱している。金持ちの多くは白人で、貧乏なのは黒人が多い。(実は中流の白人も下流化している)大学の学費が上昇し、ますます黒人は大学に入学できない。政府は補助金をカットしているので・・・いい職に就けない。それゆえ、黒人は犯罪と麻薬に手を染めるという偏見が白人にはあり、警察も黒人を捕まえて、監獄に入れる。一度、そういった経歴がつくと、就職できない。悪循環。
  だから、黒人はずっと、下層階級にとどまる。警察の取締は犯罪を抑止するのではなく、カースト制度を維持する役割を果たしているという学者もいる。キング牧師を中心とする公民権運動でえた多くの権利を、いま黒人は喪失しつつある、と危機感を募らせています。 
   昨年、起こった事件で、ヒスパニックの男性が黒人少年を銃で射殺した事件をめぐって、人種差別か正当防衛かでもめていましたが、判決は正当防衛、しかも陪審員が全員白人。この問題の本質は、白人と黒人の戦いで、ほぼ毎日テレビで討論をやっていますね。 

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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2013年8月 4日 (日)

続 不平等をめぐる論争:クルーグマン vs マンキュー

       米国の不平等問題だが、昔は日米大学生の違いとして、米国では学生が夏休みを利用して自分で授業料を稼いでいるので、大学でしっかり勉強するが、日本では親が授業料を支払うので、学生は勉強しないといわれた。しかし、もうそれは昔の話。
   現在、毎年のように米国の大学の授業料が上がっている。州立のカリフォルニア大学群ですら、上がっており、ものすごく批判されている。もう高くて、アルバイトなどではとても支払えない。そこで、登場してきたのが、学生ローンだ。
   この学生ローンは特殊で、本来、借金は自己破産したら、借金は棒引きになるが、学生ローンはならない。自己破産しても親か親戚が支払う必要がある。だから悪い銀行は、どんどん貸し出す。そして、いまではスティグリッツによると、リーマンショックと同じくらい危険な状態にあるという。先にも述べたが、米国では、学生ローンの総額がクレジットカードの負債総額を超えてしまった。そして、さらに悪いことに、卒業して職を得ても、給与は上昇していないのだ。だから、スティグリッツは危険だといっている。
   さて、現在の米国では、教育が唯一上昇できる道だという認識なので、学生は借金をしてでも大学に入学したいのだ。しかし、結局、お金もちが良い大学に入って、貧乏な人は入れない。悪循環が続く。だから、クルーグマンやスティグリッツは、金持ちから税金をとって、学生に補助金をだし、機会の平等を確保すべきだという。
   ところが、マンキューはこのような個人的な例をだした。自分は両親とも中流の家庭出身で大学に入学した。いま、自分は所得は増えた。子供が3人いるが、私と比べて彼らの方が良い教育を受ける機会が多いとは思えないと。これに怒りくるったのは、クルーグマン。お前が、若いときの米国は格差が少なく、大学の学費も安かったので、いい教育を受ける機会が平等だったが、いまは格差があまりにも広がっていることを認識しろ!と。・・・・続く。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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不平等をめぐるマンキュー vs クルーグマン、スティグリッツ論争

     米国の不平等をめぐる論争について、ハーバードのマンキューは、アップルのスティーブ・ジョッブやハリポッターの著者ローリングのようなお金持ちは、経済的に貢献していたので、巨額の利益を得たのだ。貢献をしない人には利益はこないのだという。これを、政府が吸い上げてみんなで分けるような所得の再分配をすると、イノベーションは起こらないという。新古典派的な正当な議論だ。
  ところが、クルーグマン、スティグリッツ、そしてベーカーたちは、彼らが著しく高額の利益を生み出しているのは、実は政府が形成した特許制度や著作権制度などの独占容認制度にもとづくものであり、必ずしも個人の経済的貢献だけではないというのだ。製薬会社などはそのような制度を利用してレント・シーキング活動、機会主義的行動、モラルハザード行動をして、不当に利益を得ているという。これらの活動を認めると、経済学では常識で、パイ全体(経済全体メリット)が小さくなるので、絶対に容認できないといっているのだ。
  また、スティグリッツやクルーグマンによると、特許、著作権によって、モチベーションが上がるので、イノベーションが起こるというが、これまでの科学史をみると、巨額の収益とは無関係にイノベーティブな仕事をしている科学者は多いし、製薬会社がある病気の健康診断検査の特許をもっているために、もっと安くて簡単な検査方法をめぐる研究が展開されず、逆に非効率が起こっているという。そして、ここでも貧困な人々が損をすることになると。
  だから、高額所得者から税金をとって、再分配しないとだめだという。これを政府はしていないので、いま大変な格差が起こっている。現在の米国は、大学生の学生ローンの総額がクレジットカードの負債総額を超えており、近い未来、支払えない学生がたくさんでてくるぞ!!!・・・・・続く。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年8月 3日 (土)

マンキュー VS クルーグマン: 米国は病んでいる  

    最近は忙しくで、紹介できませんでしたが、みなさんに米国の状況についてお話したい。たぶん、日本では、いま米国は株式市場の動きから景気が良いという印象があるのだと思います。
  しかし、米国では株式市場と実態が乖離していて景気が良いという実感がないという人が多いと思います。その原因の一つが、格差が広がっているからです。お金持ちと貧乏な人の格差が広がり、中間層はみな貧困化しているというわけです。特に、上位1%の人々の所得の上昇率が高いようです。
  このような状況で、現在、民主党と共和党が対立しています。民主党は、平等化を目指して政府は政策介入しないと米国はおかしくなるといっています。支持者は、プリンストン大のクルーグマンやコロンビア大のスティグリッツです。これに対して、これは個々人の自由と能力に応じてそうなっているので、介入する必要はないというのが共和党で、それを支持しているのが、ハーバード大のマンキューです。彼は、最近、有名学術雑誌に「1%の人々を擁護する)」という本当に面白い論文を書いています。
  マンキューは、クールです。そして、この論文にかみついているのが、パションなクルーグマンです。両者の論争はとても面白く、深いので・・・・次回、説明したいと思います。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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2013年8月 2日 (金)

ドイツはなぜ困ったEU諸国を助けないのか

    最近、オックスフォード大の教授のドイツについての英語論文を読み、少し感動した。いま、EUの多くの国が苦しんでいる中、ドイツだけはとても経済が良好だ。だから、バークレーの先生もドイツに関心をもっている。
  おそらく多くの人たちは、なぜ一人勝ちしているドイツは苦しんでいるEUの国を助けないのかと思うだろう。私もそう思ったし、クルーグマンも批判している。しかし、そこには日本に似た複雑な事情があるようだ。ドイツは、EUの「リーダー」になりたくないようだ。「良き隣人」で満足してきたのだ。
  もともと統一通貨ユーロ・プロジェクトは、EUを支配するためのドイツのプロジェクトではなく、EUがドイツを抑止するためのプロジェクトだ。とくに、フランス主導の。これによって、ドイツのブンデスバンクのパワーを弱めることができるのだ。ドイツは、日本と同じ敗戦国なので、文句はいえない。だから、戦後、ドイツマルクは西ドイツの唯一のアイデンティティだったのに、ドイツはユーロに参加するかどうか、国民投票することさえ、許されなかった。
  こうした状況で、突然、外部者から、ドイツはリーダーとしてギリシャやスペインやキプロスその他を援助しろといわれても・・・・・・・メルケルは、結局、金だけだせ、というだと思うというのだ。メルケルは、プロテスタントの牧師の娘なので、ドイツが言えるのはみなさんドイツのように努力してくださいということになる。・・・・・・・・米国の共和党のように。
  英語グローバルリスムで、ドイツのことを忘れていたが、日本人もかつてのようにドイツについてもっと勉強すべきだと思った。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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