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2013年7月

2013年7月29日 (月)

クルーグマン・スティグリッツ vs マンキューの戦いは面白い。

    米国にいて、日本の評論家の議論を読むと、疑問に思うことがある。全体の文脈を把握せずに、自分の議論を展開するために、一部だけ取り出す。暗黙の前提は、「米国の方がいつも日本より優れている」ということ。米国では、「米国の学者がこういっているので、日本でもこうすべき・・・」という安易なパターンだ。日本の官僚もこのパターンだが・・・
  しかし、米国は、いまかなり病的な状態だ。少なくとも良い状態とはいえない。EUよりも良いけれど、日本よりも良くないという感じだと思う。とくに、政治がうまいっていないので、経済もおかしくなっている。ねじれているのだ。大統領は民主党だが、下院は共和党だ。だからオバマは何もできていない。
  この状態に、いらいらしているのが、クルーグマンやスティグリッツだ。これに対して、クールな議論をしているのが、ハーバード大のマンキューだ。前者は、政府の政策介入を要請し、後者はこれでいいといっている。論点のひとつは、現在、中間層が下層化し、RichとPoorの格差が広がっており、それをどうするかという問題だ。
  この問題をめぐる両サイドの議論は本当に面白く、論文ができそうだ。英知で勝負している。彼らの議論を読むと、やっぱり経営学者はダメだと思う。くだらない仮説を並べてバカの一つおぼえのように検証しているだけだ。

  つづく・・・・・

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年7月26日 (金)

CNN 日本の組織力を絶賛する

  CNNで、日本人の組織力が絶賛されている。

 埼玉で電車とホームの間に挟まれた女性をみんなで救出している記事だ。日本の組織力はすごいということだ。米国なので、米国人が好きな心理学的なことをいっているが・・・・

 米国にきていろいろ聞いたり、見たり、そしてとくに読んだりすると、別の文脈で発表されているデータでも、見方を変えると、日本的な組織的方法を支持するデータが意外に多い気がする。

 たとえば、過去50年間で、ビッグヒットとなった学術論文を調べてみると、昔は一人の著者が多かったが、最近は共同論文が多いとか。これだけインタネット技術が発展しているにもかかわらず、なぜシリコンバレーや特定の場所に優れた人々が集まるのか。やはり、物理的な場が必要なのだということ。さらに、大部屋がイノベーションにとって有効だということなどなど

 だから、そんなにアメリカ・アメリカしなくていいと思うが・・・いまアメリカはおかしいので。

CNN
http://edition.cnn.com/2013/07/23/world/asia/japan-train-rescue

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菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年7月21日 (日)

スティグリッツとクルーグマンにドキドキ

   最近は、いろんな英語の記事を読むのだが、分かったことが一つ。私は経済学者ではないが、やはりスティグリッツとクルーグマンの論説や書評は別格だということだ。

  二人の英文は読んでいてドキドキする。英語を読む辛さよりも、そのドキドキ感が勝つ。いったい何をいいたいのか、どういう展開なのか、そちらの方が勝つのだ。読んでいてドキドキする。
 

  ところが、別の記者や学者の英文になると、やはり内容の切れ味が悪く、あいまいで、それゆえ読みにくい。結論もすぐに予想でき、読むことが囚人労働となる。最初は、自分の読解力に問題があるのではと思っていたが、最近は傲慢になって、執筆者の方が分かりにくいもやもや文を書いているように思えてきた。
 

 New york timesのスティグリッツやクルーグマンの書評は、すごい。何度もいうがドキドキする。ファンになってしまうなあ~私は経営学者だが・・・・

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年7月11日 (木)

経営学上、これをいうと、米国人は必ず笑う。

  日本では、バブル経済崩壊後、1990年代企業不祥事がたくさん発覚した。この状況を反省するために、コーポレート・ガバナンス(企業統治)システムの確立が急務とされた。

  そして、困っときは、いつも米国の状況を参考にする。当時、米国企業のガバナンスシステムは日本よりも透明で厳しいものだとの認識のもとに、多くの日本の企業がそれを受け入れようとした。

  そして、その際、多くの企業はコンサルティングファームに依頼した。これが、コンサルティングファームが日本で初めて注目された時期である。それまで、コンサルタントというと怪しい業種だったのだ。日本企業は、終身雇用で、職場内教育が盛んで、外部に知恵を拝借する必要はなかったからである。

  大学についてもである。「仕事については入社してから学べばいい。大学では考え方や友達をたくさん作ってきてほしい」という感じだったのだ。

   いずれにせよ。日本企業は、企業倫理的に透明な米国型経営システムをもう一度受け入れたのである。(戦後、ずっと学んできたのだが・・・)この話をバークレーの先生に話をすると、「米国企業は透明????」といって、必ず笑う。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

 

2013年7月 9日 (火)

就活か大学院か

     最近、優秀な学生がなかなか大学に残ってくれない。いろいろと理由はあるだろう。そのひとつとして、やはり就職活動の時期の問題があったと思う。

  就活が3年生の秋からだと、大学院にいくかどうか考える前に、とりあえずほとんどの学生が就活をすることになる。そうすると、もう抜けられなくなる。4年生になって大学院への入学を考える時期には、もう内定が出ているので、普通に、考えると、だれも大学に残らなくなる。むしろ、就職できないどうしょうもない人が大学院を考えることになるだろう。

  ところが、安倍総理の要望により、今後は、3月から就活が始まり、8月から本格的に内定がでるようになるようだ。しかし、この程度の遅れは、大学院の入学にとっては、微妙な時期だ。それに合わせるような時期に大学院の入試をしないと、みなやはり企業に行くだろう。

   数年前に、4年生の5月に大学院の推薦入試をしていたら、理由は忘れたが、文科省から文句を言われて、結局、7月にくり下がってしまった。文科省は、いま日本の大学の大学院が壊滅的な状態になることを認識しているのかどうかわからないが、とにかく外国人を入学させろといっているように思える。いま、経済・経営系には、大学で日本語を専門としていた外国人が多く、専門の知識がほとんどない。だから、大学院は学部よりもレベルが下がっているように思える。

   とても危険な状態だ。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年7月 7日 (日)

米国は3人にひとりが貧困な状態のようだ

    以下の記事は、英文表現に癖があり、おそらく私のみならず日本人には恐ろしく面倒な英文なのだが、内容は面白い。

   現在のアメリカは、急速に貧困化が進行し、3人に1人が貧困だという状態。中間クラスがみなほぼ貧困層になっているともいう。これに対して、米国政治家のほとんどは、自分たちはもっともリッチな国に生きていると思っているので、この貧困の問題を議論したがらないという。貧しい人を無視したり、牢屋に入れたりするだけだ。

 しかし、問題はこの貧困グループに子供たちが入るということだ。貧困は子供たちの性格や脳にさまざまな影響を与えるので、いま展開している緊縮政策には限界があるということを指摘している。前に、スティグリッツが指摘していたが、相対的には日本の方がましかもしれない。

    いまの米国は、コントロール不可能で意図せざる多様性の国のように思える。

    ● http://www.hightowerlowdown.org/node/3349#.Udj9C7JRYdW

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菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2013年7月 1日 (月)

経営学者として生きている証

    久しぶりにティース教授からメールがきた。「フィードバックが遅れてすまない。来週、修正したものを送る」という内容だ。私は、もう見捨てられたと思い、すでに個人的に別のバージョンの論文(数理モデル)を進めていた。ということで、ティース教授との共同研究が再開できそうで、とてもハッピーだ。

  実は、その間、野中先生との共同論文に集中していた。英語については、ネイティブとも何度もやり取りし、いろいろと気づくことがあり、なかなか完成しない。何か、大学院生の頃を思い出す。はじめて日本語論文を「三田商学研究」に投稿している頃を。

  さらに、もう一つ、これは私のオリジナルで、「組織は合理的に失敗する」をテーマに英文も書いており、何とか不条理論を英文として紹介できないものかと狙っている。時間があれば、キュービック・グランド・ストラテジーの英文化も進めたいと思っているが、時間との闘いになるかもしれない。
 

  最終的に、どれもワーキングペーパーレベルで終わるかもしれないが、いま二人の現代経営学会の世界的な巨匠と共同研究ができているということだけでも、ありがたいと思う。しかし、何とかして経営学者として生きている証を残したいものだ。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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