慶応大学菊澤ゼミナールHP

私の趣味

私の著書

新制度派経済学と限定合理アプローチの本

経営哲学学会HP

« 日本企業の目的は何か | トップページ | 自分の研究の柱になるような知識とは »

2013年5月13日 (月)

米国経営学者の科学の境界設定基準は「実証可能性」

 春学期も終わった。今回は、毎週、3か4つのセミナーで、かなり多くの米国経営学者の実証研究の報告を聞かせてもらった。

  私の感想は、米国の経営者は、統計学を使って仮説を反証しようとはしていない。統計学を使って、帰納的に仮説を実証しているのだ。つまり、彼らの科学の境界設定基準は、あの論理実証主義者の「実証可能性」だ。だから、仮説がたくさん出てくるし、それが統計的にどういった結果がでると、反証されるのか、など一度も聞いたことがない。反証する気がないからだ。仮説が実証されたか、実証されなかったかだけ。仮説が反証に耐えたか、反証されたかではない。

 

  しかも、野中先生がいうように、いまの米国経営学はカーネギー・メロン学派が中心だ。それは、H.A.サイモンを出発点とし、マーチ、サイアート、そしてレヴィンサールとと続く。そして、あのウィリアムソンも、サイモンの弟子だ。それゆえ、間接的にティースまで関連し、最近、サイモン賞を受賞していたからすごい。前者は、「心理学的な意思決定プロセス」を受け継ぎ、後者はサイモンの「限定合理性」を受け継いでいる。

 

 H.Aサイモンは、経営学を科学にするために、論理実証主義哲学を受け入れた。だから、その伝統がいまも続いているのだろう。しかし、その科学哲学は、とっくの昔に論理的に破綻している。このような研究プログラムが長続きするのだろうか。

 

 長続きしそうだ。みんな、真理ではなく、就職と、有名大学への転職を目指して、有名ジャーナルへの掲載を目標としているから・・・・

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書) 

« 日本企業の目的は何か | トップページ | 自分の研究の柱になるような知識とは »

12)UCバークレー滞在記」カテゴリの記事

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30