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2013年3月 8日 (金)

制度分析の本日のセミナー

 本日の制度分析のセミナーは、タイトルが[Make, Buy, Organize]といういかにも企業の経済学分野の研究者が好きそうなタイトルだった。だから、本日も珍しくウイリアムソン教授が登場した。スピーカーは有名なデューク大学のビジネススクールの先生だと思う。内容は、イノベーションに関するもので、だからチェスブロー教授も来ていた。

 いつものように、理論はない。しかし、スピーカーは用心深く、露骨な仮説は設定しないで、しかも因果関係を確立したわけでもないとしつつも、いくつかの命題を実証していた。いつもの通り、重回帰分析だ。データーの数は非常に多く、決定係数の値も高い。

 実証しようとした仮説は、「集権的組織企業の方が分権的組織企業よりも研究と特許に投資する傾向がある」とか、「集権的組織企業は内部の研究から価値を生み出すのに対して、分権的組織企業は外部の知識に依存する」とかだった。結構、内容的に面白そうなことを言っていたが、・・・・・

 とにかく、このような命題を膨大なデータで実証しようとする。素人でも、このような命題を実証するのは大変そうだと思うと思う。実際に大変だ。だから、どうしても無理やり感がある。そうすると、そこばかり質問されて時間切れになる。たとえば、「分権的」とは具体的にどんな組織なのかをめぐって突っ込まれる。同様に、「集権的」とはどういうのかとか。スピーカーはどうしても実証したいので、「分権的」とは「特許」を企業内および多くの関連会社に貸している状態のことだという。しかし、それを本当に分権的というのか?と批判がくる。すべてこんな感じで時間が過ぎる。

 私はそれよりも内容を聞きたかったなあ・・・と思った。実証の方法ばかり質問されていたが、そんなのもともと無理なのを、かなり強引に行っているのだから、大人になって、みなで話(ストーリー)を聞いた方いいと思うのだが・・・

 こんなことばかりしていると、何か頭を使わず、単なる作業員になってしまいそうだ、と今日は思った。だから、またしてもつまらないと思ってウリアムソン教授は途中で帰っていた。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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