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2013年2月27日 (水)

米国経営学の実証主義パラダイムは堅固

 今日も、セミナーで実証研究の報告を聞いた。これまで、このブログでも統計学を用いた米国式の研究に対して批判的な意見を書いてきた。ささやかな抵抗だ。

 しかし、今日ではっきり認識した。参りました。もうこの研究方法やスタイルは堅固な「パラダイム」なのだ。よほどのことがないと、変化しない。このパラダイムの中にいるかぎり、絶対に実証研究は必要なのだ!

  それを破壊することは無理なのだ。それにもんくをいっても、共役不可能なのであり、全くのナンセンス。だから、米国で経営学で頑張ろうとする人は、絶対に統計学が得意でないとだめだ。これは、絶対条件。そして、米国で偉くなったら、実証なくしても、好きなことを言えるようになる。でもその確率は、0.001%以下???。

  さすがに、毎週のようにこういった研究を聞かされると、もう抵抗はできなくなる。本当にもう参りましたという感じになる。そこに、経済学的な思考を導入することは無理で、ナンセンスだ。パラダイムが異なるので、共役不可能なのだ。

  たとえば、本日の仮説「途上国でベンチャー企業が軍人との関係を深めるほど、資源を容易に利用することができる(ベネフィットが高まる)」といったような仮説が9個ぐらい並ぶ。これを実証する。結論はすべて実証されたとなる。今回は、航空会社産業のデータを使って、実証していた。もちろん、批判は航空会社産業で実証することの違和感に集中する。

 論理的にいえば、もともと実証はできない。すべての時代のすべての産業によって実証しなければならないから。これは、「すべてのカラスは黒い」が実証できないのと、大した差はない。しかし、そんなことはどうでもいい。実証し、ジャーナルに載れば、勝ちだ。

 私が感じる違和感は、何度もいっているように、仮説の形成に「均衡」の概念がないことだ。経済学的には、企業が軍人と深い関係を持ってば、一方でベネフィットは高まる(コストは下がる)が、他方でコスト(リスク)も高まると予想できる。軍人に利用されるから。

 すると、どこかで最適な(最少コスト)になるような「適切な企業と軍の関係」があることが容易に推測できる(図を書けばわかる)。だから、最適な企業と軍との関係が実際にもあるのかどうか、強く結びつくと、企業は失敗し、他方結びつきが弱いと失敗するということを実証してほしいということになる。

 しかし、これはパラダイムの異なる考えなのだ。このような発想は、経営学者にはないのだ。それは、ナンセンなのだ。

 私も経営学者なのだが、日本で教育を受けたので、・・・とにかく、米国経営学の実証主義パラダイムは強い。すごい。 

 

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