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2013年2月23日 (土)

統計が得意という米国の学者と言わない日本の学者

 多分、平均すれば、米国人よりも日本人の方が数学ができると思う。しかし、日本経営学者よりも米国経営学者の方が圧倒的に統計学を利用する。この矛盾をどう解釈するか。

 昔、防衛大の教官をしていたとき、毎年、海外から学者を読んで1週間ぐらい講義をしてもらうというプログラムがあった。ある年、聞いたこともない米国の田舎の大学で女性の先生がやってきた。どういう縁でこうなったのかわからないが、講義にホフステッドの国民文化論の話をよくするので、あるとき、私は「あなたは統計学が得意なのか?」と質問した。彼女は、「私は統計学が得意よ」といった。そして、次にこういった。「統計学なんて、ソフトを使えば、簡単よ」と。

 これだ。日本人と違うのだ。日本人の場合、統計学の数学的構造を完全に理解しているとき、はじめて統計学が得意だという。統計ソフトだけを使い、その結果を解釈できるぐらいでは、得意とは言わない。しかし、米国の学者は統計学の数学的な構造を知らなくても、ソフトを使えれば得意という。

 同じことが、簿記と財務諸表との関係でもいえる。日本人は会計が得意だというときには、大抵、簿記が得意で、財務諸表を読むこと得意な場合、会計が得意だというのだが、たぶん米国人は簿記ができなくても、財務諸表が読めれば、会計が得意だというのだろう。

 もう一つ同じことが、ゲーム理論でもいえる。日本の経済学者はもちろん99%がゲーム論を知っている。しかし、ゲーム論が得意だと自称する人は少ない。ゲーム論の世界は、完全に数学的世界だ。その世界を完全に理解していないと、日本の学者は得意だとは言わないし、専門だともいわない。

 この違いをどう思うか。私は、日本人は謙虚でいいと思うのだが・・・しかし、これでは世界と戦っていけないかも・・・・

 

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