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2012年10月 8日 (月)

理系と文系:思ったよりも壁が厚い文系

  今年も、トムソン・ロイターからノーベル賞の予想がでました。日本人は3名です。その他、文学賞には村上春樹、医学賞に山中教授の前評判が高いようです。日本は頑張っていると思います。経済学賞では、エージェンシー理論やファイナスのRoss や行動経済学のシラーが出てます。

http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2012/2012-Citation-Laureates/

 

 世界的に有名な日本の研究者はほとんど理系だ。社会科学はほとんど全滅。日本の社会科学者はダメなのか?結果を見るとだめなのだ。

 

 しかし、文系の人間がもともとダメかというと、大学入試レベルでいえば、上位の大学に関していえば、私の経験では理系にいった学生よりも悪いわけではない。文系でも数学はできる学生は多い。法学部や経済学部に入っている学生の中にはかなり優秀な学生も多い。

 

 しかし、その後ががだめだ。まず、法学部、法体系が国によって全く異なるために、そもそも世界的法学者というものが存在しない。経済学、一時(60年代、70年代)、数理経済学が盛んなころ、米国の有名ジャーナルに日本人は登場した。しかし、その後、反数理経済学的な流れが起こり、その後は音なし。経営学、1990年代の野中先生以外は音なし。

 

 やはり、言語の壁は厚いのだ。英語という壁。私の場合、才能がないので、日本で日本語に迷うことなく論文を書くことができるようになるのに10年以上かかった。いまだに迷っている。力が入ると、「である」ばかりになってだめだとか、接続詞をどう使うか、段落は多い方がいいのか、などなど、迷ってしまうのだ。

 

 こんな経験をしている人間にとって、英語で論文を書くなんて、もう絶望的だ。だから、いま日本人でジャーナルに載るのは大抵書くパターンが決まっている計量的な論文だ。結果重視だからだ。理論的な中核部分に関する論文の掲載は難しい。欧米の学者もその点は厳しいのだ。

 また、今の社会科学、とくに日本の経営学分野などは人間関係が錯綜している。しかし、私が思うには、実は状況はアメリカでも同じだ。結構、ドロドロしている。経済学の方はまだすっきりしていると思う。しかし、それでもいろんな人間関係があるだろう。

 壁は本当に厚い。いま文科省は小中高の英語教育に力を入れ始めているが、今後文化系学者の研究の国際化を促進するような政策を行う場合、ぜひとも積極的に翻訳に対しても補助金をつけてほしいと思う。そんな無駄なと思う人も多いかもしれないが、言語の壁は相当厚くて高いと思う。

 

 そうでないと、良い論文をお金をかけて英語論文にするよりも、日本語で論文を書き日本で頑張った方が合理的という不条理に陥ってしまうのだ。しかし、これはいいわけかもしれない。とにかく、日本の理科系の研究者は頑張っているし、凄いのは間違いないと思う。

 

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