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2012年10月13日 (土)

組織研究者の机上の空論とは

 私のような経営学者が組織について語るとき、ときどき企業の方々の中には「学者の議論など机上の空論だ」とか、「会社での経験もないのに」とかいう人がいる。

 

 私は、そのことを否定しない。その通り。

 しかし、経営や組織という研究分野はありがたいことに、理科系の学問と異なり、机上の空論を展開するのは実は難しい。ほとんどの経営学者は大学組織に属しているからだ。しかも、学会という組織にも属している。

 

 もちろん、営利組織と非営利組織の違いはあるが、組織の本質は変わらない。大学組織でもリーダーは必要だし、能力のある経営者は必要だ。大規模で学部をたくさんもっている大学などは、事業部制組織の企業が抱える問題と同じ問題をもつ。

 

 だから、「先生は企業で働いたことがないのによく組織の研究ができますね?」といわれると、実はとても違和感を感じてしまうのだ。

 

 私はいくつかの大学を経験してきた。だから、普通の企業人よりも組織についてはかなり多様な経験をしているつもり。大学組織は予想以上にドロドロしているものだ。人の足を引っ張る人もいる。政治的な教員が多い大学もある。しかも、たくさん学会にも入っており、そこでもおもしろい組織現象を経験している。おそろしい駆け引きもある。

 

 だから、組織に関して机上の空論を展開している先生がいるとすれば、その先生はすごい人だと思う。私など、多様な組織にもまれて泥まみれな人間だ。むしろ一つの企業組織に属している方の方が純粋に見えるくらいだ。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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『組織の不条理』の文庫版

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

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菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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