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2012年8月

2012年8月30日 (木)

谷垣氏と日本軍失敗の本質

『失敗の本質ーリーダーシップ篇』ダイヤモンド社の売れ行きは好調だ。これと関連して、今回は自民党の谷垣総裁の戦略のミスが指摘されていることについて、印象論を述べさせてほしい。

http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/13640/

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

おそらく谷垣総裁は民主党野田総理と解散をめぐっていろいろと議論し、何か約束をしたのかもしれない。

ここで、非常に頭がいい人の「失敗の本質」について述べたい。戦略が緻密すぎるのだ。旧日本軍の戦略も本当に緻密なものだった。針の穴に糸を通すような、ある意味で芸術的な戦略を多用した。真珠湾、レイテの戦いなど、本当に細かい。

しかし、人間は不完全なのだ。緻密な戦略や作戦は、大抵失敗する。今回の谷垣総裁も同じ失敗に陥ったのかもしれない。今後の動きを見守りたい。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

『組織の不条理』の文庫版

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

オープンイノベーションと企業境界

昨日、バークレーでチェスブロー教授の2回目のセミナーに出席した。オープンイノベーションの講義である。

オープンイノベーションの話は簡単だ。イノベーションを起こす場合には、内外の知識を自由にオープンに利用する方が効率的にかつ効果的にイノベーションが起こるということだ。

このセミナーはMBAの講義にもなっているようで、MBAの学生の質疑応答も聞ける。今回、学生で素直でいい質問をする学生がいた。それは、私の専門である組織の経済学、企業の経済学にとっての本質的な問題だった。

「オープンイノベーションと企業買収はどこが異なるのか?」

この問題は、「企業境界の問題」である。オープンイノベーションを方法として利用する場合、企業の境界はどうなるのか、という問題である。おそらく、知識を外から取り入れる方法の一つとして、買収も可能性があり、それゆえオープンイノベーションを起こすために、企業は巨大化するかもしれない。

もちろん、オープンイノベーションのために、知識を買うこともできるし、借りることもできるだろう。では、どのような企業境界がオープンイノベーションにとって効率的なのか。

チェスブロー教授の答えはあいまいだった。学生もそんなものかということで、疑うこともなく、問い詰めることはなかった。

この問題に答えるには、たとえば取引コスト理論などを利用する必要があるだろう。しかし、経営学は大雑把な学問なので、明確にしない方がいいかもしれない。MBAの学生も別に学者になるわけではないので・・・この程度いいのかもしれないと思った。

講義が終わり、私はその学生に「君の質問はすばらしかった」と言いたくなった。

●学生にひとこと、先生が「それはいい質問だね」という場合、大抵、先生の方が待っていた質問だ。つまり、すでに答えがある質問のことをいう。誤解しないように・・・・・・・大抵、答えに困る質問の方が本質的だ・・・・・

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

『組織の不条理』の文庫版

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2012年8月29日 (水)

90年代の日本のドラマは面白い

 日本ではみたことがなかったが、米国にきてユーチューブで90年代の日本のドラマをみることがある。面白い。木村拓哉の「ビューティフルライフ」や「good luck」は本当に面白い。ストーリーいい。寝不足になる。

 また、昨日は鈴木保奈美と織田裕二の「東京ラブストリー」を見たが、これもとてもいい。とにかくストーリーがすばらしい。よーくみていると、韓国ドラマに影響を与えているように思えた。たとえば、「冬ソナ」との関連では「雪だるま」そして「ジグソウパズル」の最後の1枚など・・・・

 

 ユーチューブやインターネットは本当に便利だ。昔ニューヨークに住んでいるときには、日本の新聞や日本のテレビ番組を必至に探したものだ。

 

 しかし、こんなことをしていると、英語がうまくならない・・・・・・

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

『組織の不条理』の文庫版

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

2012年8月21日 (火)

今日は、チェスブロー教授のセミナーに

今日から、UCバークレーでは秋学期が始まる。ニューヨーク大学とは異なり、始まりが早い。

今日は、チェスブロー教授主催のオープンイノベーションのセミナーに参加してきた。たくさんの人がいて部屋が満員だった。さすがに、人気教授だ。

 最初に、チェスブロー教授が簡単に話をし、その後に2名のゲストスピーカーが話をした。最後の女性の先生はボディーランゲイジーが激しく、典型的な日本人としての私には違和感があった。ユーチューブでみたのだが、ハーバード大のクリステンセン教授の話し方は品がよかったなあ~そんなことを思い出した。

 しかし、全体としては本当に面白かった。これぞ、経営学だった。統計学的な話、重回帰分析はなく、数理モデルもなく、パワーポイントプレゼンテイションがとてもよかった。やっぱり、経済学よりも経営学は人気がでるなあ~とあらためて思った。

 もちろん、厳密性を問えば、まったく物足りないのだが、聞いている人が元気になるようなセミナーだったと思う。まさに、経営学だ。ベネフィットの側面を強調して、コストの側面をそれほど重視しない。これが経営学であり、元気のみなものだ。(たぶん経済学者はバカにするのだが・・・それでもおもしろいものはおもしろい)次回も、期待したい。

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

 

2012年8月18日 (土)

今日はあのチェスブロー教授と会った

 UCバークレーのハース・ビジネス・スクールには、ティース教授ともう一人、チェスブロー教授が有名だ(もちろんアーカー先生も)。彼は、オープン・イノベーションの提唱者であり、ものすごい人気だ。実は、私も、ユーチューブで彼の説明を聞いていた。

 さて、今日は、論文がほぼ完成したので、ティース教授にどうやって論文を読んでもらうか作戦を練るために大学へいった。研究所内をうろうろしていたら、突然、ある先生が研究所に入ってきた。徐々に自分に近づいてくる。ななんと、あのチェスブロー教授だ。ユーチューブと同じだ。

 驚くとともに、すぐに挨拶した。日本からきたビジティングスカラーですというと、彼はとても気さくに、日本のどこの大学ですかと聞いてきた。慶応大学ですと答えると、有名な大学だねと言ってくれた。

 さらに、私の専門は組織の経済学で、いまこんな論文を書いているとタイトルを見せたら、ティース教授のところにきたんですね。彼は、いま忙しいねといった。

 チェスブロー教授は日本でも有名なので、8月20日からあなたのセミナーが始まるので、そこに参加しようと思っていたといったら、ぜひ来てくれ、また会いたいね。といってくれた。

 いや~数パーセントの確率で会えたという感じだ。話をしたら、彼のファンになってしまうような先生だ。とにかく、印象のいい先生だった。

 神様もいきな計らいをしてくれるものだと驚いた。

●チェスブロー教授

http://www.youtube.com/watch?v=faXWB9FXq0g

新『失敗の本質』がまた増刷

昨日、ダイヤモンド社の担当の方から『失敗の本質ーリーダーシップ篇』がまた増刷になったというメールをいただいた。たくさんの方々に読んでいただき、本当に感謝している。

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

私は、著者7名の一人にすぎないがが、この本では「取引コスト」というキー概念を用いて、日本軍の失敗の本質を分析している。

こういった分析にもっと関心のある人は、ぜひ『組織の不条理』や『組織は合理的に失敗する』を読んでもらいたい。

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

2012年8月10日 (金)

英語の壁は厚い

昨日は、バークレーの三田会の方々とお話しする機会を得た。そこに、慶大出身でバークレー校の教授になられておられる方もこられていた。

米国からみて、慶大理工学のレベルはどうですかと聞いたところ、決して悪ない。優れた先生もたくさんいるといわれていた。しかし、英語の壁は大きいといわれていた。

私は驚いた。理系でもそうなのかと。

文系はさらに英語の壁が高い。日本の研究者の中にも優れた研究者はいると思う。しかし、英語の壁はあつい。自分自身、日本語で論文を書くことにやっと慣れてきたのは45歳ぐらいだっ多様な気もする。

『組織の不条理』を書いたときは、まだ日本語に力がそうとう入っていて、ぎこちない。だから、語尾が「である」が多かったりもする。

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

そのことを考えると、われわれが英語で論文を書くなって到底無理なことだ。

いまバークレーにきて、英語論文を1本書き、エディターにチェクしてもらい、本日、やっとかなり完成度の高いものに仕上がってきた。

次の段階に進みたい。

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

『失敗の本質ーリーダーシップ篇』あっという間に増刷

先日、ダイヤモンド社の担当者の方からメールがきて、『失敗の本質ーリーダーシップ篇』が増刷になったようだ。多分、発売されて、4日か5日ぐらいしかたっていなかったと思う。

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

アマゾンでは品切れ状態だったが、すぐに補充されるだろう。また、売れる本の多いダイヤモンド社内でも、先週は1位だったようだ。

http://www.diamond.co.jp/book/9784478021552.html

8月終戦記念日なので、ぜひ一度手に取って読んでもらいたいと思います。

2012年8月 5日 (日)

素人としてあえて柔道にひとこと

今回、オリンピックで男子は金がゼロという歴史的惨敗を経験した。(重い方で、これまでまったくだめだった階級では健闘したように思える)

この結果を受けて、強化委員、監督、コーチなどの進退が問題となっている。私は、素人なのでよくわからないのだが、論理的に以下のように推測できる。

(1)もし科学的に日本柔道を分析し、今後、さらに日本の柔道を発展させるならば、過去の業績だけではなく、いろんなスタッフ(研究者)を巻き込んで、徹底的に取り組むのか。

(2)あるいはもし精神主義でいくならば、やはり強化委員、監督、コーチはすべて金メダリストで徹底してほしい。金メダリストは、4年に一度のオリンピックにどのように精神と肉体を調整してきたのかを知っているだろう。

現在のスタッフは上記の(1)でも(2)でもない。どのようなプロセスで選任されているのかわからないが、おそらく、これまでのルール、年功序列ではないだろうか?これではだめだと思う。

(1)古賀のように美しい柔道を目指すのか、

(2)石井のように勝つ柔道を目指すのか、

現状では、それもはっきりしない感じがする。(2)をめざしていたが負けたので、(1)を目指していたという都合のいい状態だ。

責任ではなく、次回に向けて、すべて一新してほしい。

日本柔道、がんばれー--------!

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野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

この本で、私は二つの章を担当している。いずれも「取引コスト理論」を使って日本軍について分析している。もしこのような分析に関心がある人がいれば、ぜひ私の著書『組織は合理的に失敗する』や『組織の不条理』などを読んでほしい。

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

2012年8月 1日 (水)

オリンピック 日米メダルの数え方の違いーバークレーより

米国でオリンピックをみていると、気付くことがある。日米ではメダルの数え方が異なるのだ。以下のサイトを見てほしい。

日本では、金メダル重視なので、たとえ銀や銅メダルをたくさんとっている国があっても金メダルがゼロなら順位は低い。まさに、日本だ。おそらく、日本は10位ぐらいではないか。

日本NHKのメダル獲得ランキング

http://www1.nhk.or.jp/olympic/medal/

ところが、米国では、金、銀、銅とは無関係にメダルの数だけで順位を決める。だから、日本は金メダルが少なくても3位だ。

米国NBCテレビのメダル獲得ランキング

http://www.nbcolympics.com/medals/2012-standings/index.html

この違いは意外に深いものがある。米国のランキングをみていると、日本という国は不思議だ。本当に銅と銀が多いのだ。

みなさんは何を考えるだろうか?

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野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中 郁次郎: 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

この本で、私は二つの章を担当している。いずれも「取引コスト理論」を使って日本軍について分析している。もしこのような分析に関心がある人がいれば、ぜひ私の著書『組織は合理的に失敗する』や『組織の不条理』などを読んでほしい。

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤研宗: 組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

『組織の不条理』の文庫版

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)

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