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2012年7月17日 (火)

オープン・イノベーションって?

もしかしたら状況は日本と同じかもしれないと思うことがある。アカデミックなジャーナルにたくさん論文を掲載して有名になるか、あるいはベストセラーで有名になるか。

米国は、ジャーナルの国なので、前者と思う人もいるかもしれない。日本は後者かもしれないと思うかもしれない。しかし、米国も経営学に関しては、後者も強いように思える。

後者の傾向は、ハーバード大学だ。とくに、ハーバード・ビジネス・レビューは異色のジャーナルだ。一般にアカデミックなジャーナルは、数学の証明か、あるいは統計学を使うか、あるいは両方ともかである。ところが、ハーバード・ビジネス・レビューはどちらでもない。とにかく、アイディア勝負だ。

そして、不思議なことに、経営学という分野で学説として語られるのは、大抵、ハーバード・ビジネス・レビューから出ている感じだ。

「コア・コンピタンス」「ブルーオーシャン・レッドオーシャン」もちろん、マイケルポーターの「ファイブ・フォースモデル」、「競争戦略論」、「バリューチェーン」などもそうだ。さらに、野中先生の「ナレッジ・マネジメント」もそうなのだ。

この流れの一つとして、バークレーのハースビジネスクールには、「オープン・イノベーション」の提唱者であるチェスブロー教授がいる。簡単な用語だが、そこがいいのだろう。とにかく、本が売れて、日本でも翻訳が売れたのではないかと思う。

日本でも実務の方で注目されていたのかもしれない。経営学系の学会では、それほど大きな注目はなかったように思う。組織学会では注目されたのだろうか?だから、学会は遅れていると思われるかもしれない。

私自身もアキテクチャーとモジュールなどの議論の後をほとんどホローしていなかった。聞いたことはあったが、それほど気に留めなかった。というのも、組織の経済学を専門としている人とってはなんとも納得のいかない議論だからだ。

オープン・イノベーションは、暗黙知の存在を認めたとたん、取引コストは高いし、エージェンシー問題は起こりそうだし、所有権理論からすると利益の配分をめぐって争いが起こりそうだ。だから、無理!長続きはしない方法だ。可能でも、かなり多くの条件による限定が必要だろう。

もし時間があったら批判的な論文をかいてみようかなあ~と思ったり、しかし、いまハースにいるので追い出されるかな?秋からチェスブロー教授主催の特別なセミナーがあるようなので、覗いてみたい。

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