慶応大学菊澤ゼミナールHP

私の趣味

私の著書

新制度派経済学と限定合理アプローチの本

経営哲学学会HP

« 続ダイナミック・ケイパビリティについて | トップページ | ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューでの私の論文 »

2011年12月 8日 (木)

新卒一括採用の消滅!? ユニクロが検討する「大学1年生採用」の衝撃

ユニクロが大学1年生から採用すると発表し、衝撃が走っている。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111208-00000301-playboyz-soci

これをどのように考えるか。特に、大学関係者としてどう思うか。教科書的なあるいは優等生的な考えを示そう。教科書的とは?優等生的とは?と思うかもしれない。それは、一面的に考えずに、いつも多面的に良い点と悪い点を述べることだ。

(1)悪い点

受験勉強してきた学生にとって、やはり大学という4年間は休息が必要であり、この時期には受験勉強とは違ってがつがつした勉強はしない。学部や専門とは異なっていてもいい。経済学部や商学部の学生でも哲学書を読む学生がでてくるものだ。

学問というものは、予想以上に深くて広いものだ。経済学や経営学を真剣に学ぶと、いつのまにか哲学に行きつくものだ。あるいは、物理学や数学の世界に行くときもある。さらに、生物学(進化論)にたどりつくこともある。

また、恋愛することも大事だ。そして、ゼミやクラブを通して、人間関係を学ぶのもこの時期だし、本当の友人にめぐりあえるかもしれない。そこで、実践的な倫理というものを学ぶかもしれない。というのも、大学での人間関係はビジネスとは関係ない関係だからだ。

さらに、大学には同じレベルの人間が同じ場所で議論できる希少な場でもある。私は学生にいつもいうのが、これだけたくさんの優秀な人間が一つの場所でともに議論できるという機会は少ないので、大切にしてほしいものだ。就職すれば、レベルのまったく異なる人たちとの場しかないだろう。だから、本当に貴重な場なのだ。

私は、このようなことをドラッカーは言っていると思う。大学1年生から、金儲けの世界で頑張れなどといっているとは思えない。柳井社長は、本当にドラッカーを読めているのかな?

(2)良い点

私は日ごろから日本の大学数は多すぎると思っている。大学1年生から就職活動をする学生が多い大学はもう大学の機能を失う可能性がある。そうすると、そういう大学は存在意義がないので、消滅することになるだろう。

いまでも、そのような大学はたくさんあるのだ。そんな大学に4年間もいるよりも、早く就職した方がいい学生はたくさんいるのだ。へたに大学を卒業すると、プライドだけが高くて、就職できないのだ。また、大学も淘汰されないために、がんばると思う。

さて、ここから、上記の(1)と(2)からさらなる答えを出そうとするのが、もっとも頭の良い人だ。みなさんは、ここで終わるか。あるいは、さらに一歩すすんで、(1)と(2)が矛盾しないような結論(3)にたどりつけるだろうか。

それは、みなさんにお任せします。もちろん私は(3)へと進みますが・・・・

菊澤 研宗: 「命令違反」が組織を伸ばす (光文社新書)

菊澤 研宗: 「命令違反」が組織を伸ばす (光文社新書)

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

« 続ダイナミック・ケイパビリティについて | トップページ | ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューでの私の論文 »

2021年8月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31