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2011年12月18日 (日)

「銀だこ」の社長のことを「人間主義的」というのだ!

「銀だこ」は縁もゆかりもない仙台石巻に本社を移転したようだ。

●銀だこ社長縁もゆかりもない石巻へ

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111218-00000014-pseven-soci

一人の東北出身の社員とのあたたかい人間関係から、銀だこの社長が石巻に本社移転を決定したようだ。すごいことだ。なかなかできないことだ。

まさに、このような社長の態度や決定のことを人間主義的というのだ。すばらしい。人間としての生き方をわれわれに示してくれているようだ。

いろんな学者やコンサルが「人間主義的経営」とかなんとかいうが、その意味を本当にわかっているいる人は少ない。

人間主義というのは、カント的にいえば、動物的ではないということだ。動物的ではないということは、刺激反応的に行動しないということだ。

たとえば、お金に刺激されて、お金をもうけるために、ビジネスをするということ。おいしい食べ物のために、行動するということ。美人が現れたので、刺激反応して声をかけてしまう。

これらは、その行動の原因が自分の外にある。自分自身の他にあるという意味で、他律的な行動なのだ。こういった行動は動物でもできるので、人間主義的とは言わない。

人間主義的な行動とは、自律的な行動であり、その原因が自分の外にではなく、自分の中にある行動のことである。お金儲けとは無関係に、私は東北でビジネスをやりたい。環境のよい仕事場はなくても、私は自分の意志で仙台で仕事をしたい。そういう行動のことである。

このような自律的な行動は動物にはできないのだ。こういった自律的な行動を示してみせてくれているのが、銀だこの社長だと思う。

そのような人間は100%幸福なるという保証はない。しかし、少なくとも幸福なるということを望むことは許されるということ、これがカントの結論であった。私は、銀だこが窮地に陥ったときには、何かしてあげたいという気持ちになったのだが・・・

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

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11)ポパーとカントの哲学」カテゴリの記事

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