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2011年9月

2011年9月24日 (土)

逗葉ヨットクラブのクルーザーではじめて海に

今日は、慶応義塾大学逗葉ヨットクラブの招待で、はじめてクルーザーで海にでた。実は、私は名ばかりの会長なのだ。

私は、これまで何度か船酔いしたことがあり、実は船に乗るのがあまり好きではなかったのだ。タイのプーケットでも、マレージアのペナンでも、楽しい思い出はない。こんな私をOB会会長が引っ張り出してくれた。感謝している。

今日は、不思議なことに、まったく船酔いすることがなかった。だから、とても楽しかった。船が良かったのかあるいは薬をのんだせいなのかはわからないが、とにかく楽しかった。いつも原稿締め切りに追われる日々を送っている私にとって、とてもいい気分転換になった。

海では、学生とOBがペアになって、4隻のヨットが練習していた。私は船からその練習風景を見ていたが、まったく飽きなかった。なんとなく、面白そうな感じが伝わってきた。練習後に、学生とも話をしたが、勉強とも両立しているようで、とても安心した。また、4年生の就職も心配だったが、いい会社に就職も決まったようで本当に良かったと思う。

さらに、これは逗葉ヨットクラブの特徴だが、現役の学生とOBの関係がとてもいいことだ。今後も、この関係が長く続いてほしいと思う。逗葉ヨットクラブに乾杯!関心ある慶大生は、ぜひ一度体験してほしいものだ。

関心のある学生は以下をクリックしてください。

●慶応逗葉ヨットクラブ

http://keio-zuyo.sakura.ne.jp/

2011年9月22日 (木)

もし高度な内容の本を求めるならば・・・・

 いろんな出版社から本を出版してきたが、それに対する読者のコメントに、驚くことがある。

本には、いろんな本がある。(1)アカデミックな学術書、(2)大学の教科書、(3)広く一般の人たちに読んでいただく新書、(4)幅広い層の人々に読んでもらう啓発書などなど。

本を書いているわれわれにとって困るコメントは上記の(3)や(4)を読んで、内容が浅いとかアカデミックではないという主張だ。驚いてしまう。その種の本で、そんなこと、最初から書くわけがないのだ。だったら、(1)や(2)も書いているので、そちらを買えばいいと思ってしまうのだ。さらに、そもそも(3)や(4)などは値段が安い。そんな値段で、深い知識を得ようとすること自体間違っている。それなりに、お金をださないと。などなど・・・・・

とついつい愚痴もでるものだ。

クイズ:以下の本は上記のカテゴリ―のどれでしょうか?

  • 菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

  • 2011年9月18日 (日)

    10月からドラッカー講座をはじめます

     10月から、朝日カルチャーで「ドラッカー」について講義します。ここでは、コンサルとしてのドラッカーではなく、ドラッカーのマネジメントの奥にある人間主義哲学に光を当て、彼のマネジメントが人間主義的なものであることを説明したいと思います。

    「人間主義」というのは何か?

    それは、「自由」という意味です。ドラッカーのマネジメントは、「自由な産業社会」「自由な人間組織」「自由な個々人」「自律的行為」という言葉と関係しています。

    関心ある人はぜひとも参加してください。

    学生は非常に安いです。

    朝日カルチャーセンター

    http://www.asahiculture.com/LES/list.asp?JCODE=0001&CACODE=00&PJ=1&NECODE=201110&PCOCODE=00#00

    http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=133295&userflg=0

    菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

    菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

  • 菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

    菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)
    増刷になりました。

  • 菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

  • 2011年9月17日 (土)

    知性的世界へのアプローチの事例

     私は、拙著『戦略学』で三つの次元への戦略的アプローチのことをキュービック・グランド・ストラテジーと呼んだ。

     私は、K・R・ポパーに従い、世界は三つに区別する。

    (1)物理的世界・・・物質の世界

      人間の五感によってその存在が理解できる世界

      物的資産の増減、会計上のコスト

    (2)心理的世界・・・心の世界

      見えない心理的なコスト・ベネフィット

    (3)知性的世界・・・技術や理論内容の世界

      人間の知性によってその存在を把握できる世界

      見えないコスト・ベネフィット:たとえば取引コスト

    三つの世界でのコストを増減したり、三つの世界のベネフィットを増減したりして、人間の行動を操作するのが、キュービック・グランド・ストラテジーだ。

    ここで、(3)の知性的な世界の戦略とはどういうことか?という質問が多い。その具体的な事例が出てきたの紹介する。

    本当かどうかわからないが、弁護士連合会が東電の賠償方法が上記の(3)のアプローチとなっているという批判なのだ。

    つまり、東電の賠償請求書類があまりにも複雑でかつ膨大なために、被災者たちにとって見えない交渉・取引コストがあまりにも高く、書類を読まず、書類に記入せず、書類を提出しない方が合理的となるという形で、泣き寝入りさせる戦略だと批判しているのだ。

    もしそうならば、これは知性的世界を利用した戦略となる。保険会社がよく使うアプローチだ。

    http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/yucasee-20110917-8941/1.htm

    たぶんこれは意図せざる結果だと思うが、もし意図的だとすると、それは知性的世界を利用したもっとも洗練されたアプローチであるといえる。そして、それを見抜いた弁護士連合会はすごい。

    菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

    菊澤 研宗: 戦略学―立体的戦略の原理

  • 菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

    菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)
    増刷になりました。

  • 菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

  • なぜ企業は利益最大化だけではだめなのか?

     学会、そして、ゼミ合宿が終わった。疲れた。

     ところで、最近、私は学会でも論文でもドラッカーの話とともにカント哲学について説明するようにしている。なぜかというと、企業は、ある程度、利益最大化をめざしてもいいのだが、それがすべてではないということをいうためである。

     では、なぜ利益最大化だけをおこなってはまずいのか。私の答えは簡単だ。われわれ人間は不完全だからだ。

     もしすべての人間が完全合理的ならば、新古典派経済学が説明する通りに、だれも相手をだましたりすることはできないし、駆け引きすることもできないので、一人ひとりがひたすら利益最大化すれば、市場取引を通して資源は正しくかつ効率的に配分され、社会的にみて無駄のない経済社会が形成されるだろう。

     しかし、人間は完全に合理的ではない。限定合理的なのだ。したがって、人は利己的利益を最大化するために、相手をだましたり、駆け引きしたり、脅したりできるのだ。つまり、不正に個別利益を追求することができるのだ。そうすると、資源は効率的に配分され、利用されない。ずるい人に資源が配分されたり、権力や暴力で資源が配分されたりする。市場取引も起こらないかもしれない。まさに、新制度派経済学が対象とする世界が現実の世界となる。

     

     ここで、新制度派経済学は、それでも資源を効率的に配分するために、制度が必要だと主張する。制度やルールをデザインし、構築することによって、悪しき人間行動をある程度抑制できるので資源は効率的に配分されることになると主張するのである。

     

     しかし、制度によって完全に効率的に資源を配分するような経済システムを形成することはできない。制度形成にはコストがかかるからである。とくに、完全に効率的な経済システムを制度で保証するには、もっともコストが高いだろう。

     

     このコストの存在を考慮すると、完全な制度形成ではなく、多少制度を緩める方が経済効率的なのだ。したがって、奇妙なことなのだが、完全効率的な経済システムを実現することは経済効率的ではなく、多少、不完全に効率的な経済システムの方が経済合理的となるのだ。

     

     この不条理は、一人ひとりの人間が経済的な利益最大化を目指すかぎり、陥る不条理なのだ。

     この不条理を回避するには、利己的利益追求以上の条件が必要になるのだ。すなわち、カントがいうように、「相手を自分の利益獲得のための単なる手段としてはならない」といった道徳原則が必要になるのである。

     つまり、効率的な資源配分システムを形成するには、

    (1)多様な制度のもとに、一人ひとりが利益最大化を追求し、(制度と経済原理)

    (2)しかも、そのために他人を単なるモノや手段としてはならないということ(道徳原理)

    これである。

    理解できただろうか。理解できない人は、菊澤は理論的な新制度派経済学をす捨てて、哲学へ立場を変えたのだなと思うのかもしれない。

  • 菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

    菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)
    増刷になりました。

  • 菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

  • 2011年9月11日 (日)

    サンデル教授、もうそろそろ!

     またサンデル教授がNHKにでていた。ボストンのハーバード大、東京の東大、そして上海の復旦大を衛星中継でつないで、みんなで議論する。いつもの番組だ。

     

     もう何回も見ているので、みんな気付いているかもしれないが、私はもう飽きた。良い議論はしているのだが、結局、結論はない。いや正確にいうと、彼の結論は、悲しいかな決まっているのだ。

    「いろんな考えがあるだろう。しかし、今日の議論のように、みんなで議論を続けてゆくことが重要なのだ」と。

     

     議論を続けていっても結論がでないのではないのか?確かに議論は楽しいし、意義もある。しかし、もうそろそろ、結論をだしほしいのだ。私は。あるいは解答を出してほしいのだ。

     しかし、サンデルに、この要求は厳しいと思う。なぜか。

    彼には、学説がないからだ。だから、彼自身の答えはないのだ。きっと。みんなから議論を引き出し、議論を発展させ、そして最後に議論を続けることはいいことだといって放送を終えるのだ。

     しかし、私が哲学者に求めているのはそんな答えではない。「独断でも、偏見でも、ドグマでいもいいから、あなたの答えを聞きたい」

     サンデルが取り上げているいろんな問題に対して、カントはきっと答えてくれるだろう。哲学者だから。へ-ゲルも答えてくれるだろう。ヒュームもまた答えてくれるだろう。デリダも答えてくれるだろう。みんな哲学者だから。

     しかし、サンデルでは無理だ。

     

     違いは何か。自分の学説があるかないかだ。日本だけで有名なサンデルには、とにかくロールズを超えてほしい。ロールズは米国が生んだほんのわずかな哲学者のひとりだと思う。

     

    次に期待してもう一回見てもいい。でもきっとまた同じ思いをするかもしれない。残念。

    彼の本質は、実はニュースをやさしく語る池上さんと同じかもしれない。

  • 菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

    菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)
    増刷になりました。

  • 菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

  • 2011年9月 9日 (金)

    悲劇の石巻大川小学校のケース

    今回の石巻大川小学校の悲劇のケースは分析する必要がある。津波で全校生徒108名の74人生徒が死亡した。まことに残念だ。子供たちを、学校の裏山ではなく、川の方に誘導してしまったのだ。

    いろんな事実が明らかになってきているが、意思決定や判断によっては全員小学生は助かっていたかもしれない。誠に、残念だ。

    おそらく、この悲劇は非合理的に起こっているのではない。基本的には限定合理的に起こった最悪のケースだ。それぞれみんな合理的に行動したのだだろう。不条理な現象だ。

    しかし、判断できなかった、1年生から6年生の小学生は、本当にかわいそうだ。自分たちの意思決定で、子供たちは死んだわけではないからだ。大人の指示に従ったのだ。それだけに、このときの大人の意志決定に対する責任は重い。

    何度も繰り返すが、本当に、残念。無念。

    石巻大川小学校の悲劇

    http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20110908_04.htm

  • 菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

    菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)
    増刷になりました。

  • 菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

  • 2011年9月 7日 (水)

    学会が終わっても

    先日、北海道で経営哲学学会全国大会があった。面白かった。私は、カント哲学とドラッカーのマネジメントについての話をした。たくさん質問があったので、たぶん内容としてはおもしろかったのだろう。

    学会前に、(1)依頼されていたドラッカーのマネジメントを紹介する論文原稿を完成し、(2)ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レヴューに掲載される日本陸軍に学ぶ派閥の論文原稿も完成して提出した。この論文を読むと、企業や自民党や民主党内の派閥の動きや行く末も予測できるだろう。

    さらに、(3)野中先生との共同論文、「知識ベース企業の境界」の一次英文もほぼ完全した。この英文論文には、野中先生と相談してトヨタのプリウスの事例を入れた。トヨタは、プリウスを効率的に開発する際に、企業境界をあいまいにしたり、拡張したり、維持したりしているのだ。英語にすると、もっといい論文なった感じもする。

    知識ベース企業の境界設定: 一橋ビジネスレビュー 59巻1号(2011年SUM.)

    知識ベース企業の境界設定: 一橋ビジネスレビュー 59巻1号(2011年SUM.)

    http://mikke.g-search.jp/QHBR/2011/20110613/QHBR20110613HTB009.html

    まったく、休むひまがない。

    秋に、いまのところ、講演が6回か7回入っている。ありがたいことだ。企業や協会から声をかけていただけるということは、たぶん私の研究もそれほど非現実的なものでもないのだろう。

    学会でも、すでに二つの学会の統一論題で報告を行っている。

    さらに、いまは光文社新書としてドラッカーを書く予定である。すでに原稿はできているのだが、いまだやさしく、わかりやすく書けていない。いはば原稿を寝かせている状態。

    とにかく、忙しい日々を送っており、ブログも書けない。いや書きたくないほどだ。

    秋には、朝日カルチャーで「ドラッカーのマネジメント論」もやりますので、関心のある人はぜひ参加お願いします。まったく異なるドラッカーについて説明してみたいと思います。

    ●朝日カルチャー

    http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=133295&userflg=0

    http://www.asahiculture-shonan.com/LES/list.asp?PJ=1&JCODE=0001&CACODE=00

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

    菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

    菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

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