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2011年6月 3日 (金)

被災地のことを考えると、そんなことをしている場合か、というけれど!

 今回の不信任案問題をめぐって、「そんなことをしている場合か!」「被災地のことを考えて、みんなで行動しろ!」「余計なことを考えずに、とにかく早く復興対策を!」「こんなときに権力争いしている場合か?とにかく動け!」「政争などやっている場合か?もたもたしないで、早くお金とモノを!」

 こんな意見が多いだろう。

 しかし、私はそうは思わない。政治家も人間である。機械ではないし、単なる動物でもないし、機械の部品でもない。やはり、感情があるのだ。感情を抑えて、機械の部品のように、とにかく動けといわれても、それは無理なのだ。後ろから、ムチでたたくと脅されても、動物のように動かないのだ。

 そんな見方をすることは、ある意味で政治家はかわいそうだ。政治家も人間だ。

 いま問題なのは、政治的な問題ではないのだ。マネジメントなのだ。組織の指揮官、組織のリーダーが問題なのだ。政治的問題ではないのだ。いまは、主義主張は、それほど違わないのだ。

 とにかく、マネジメントの問題なのだ。人間は機械と違うのだ。頭を使わずに、上から言われたことをだけやれ!といわれても人間は反発するだけだ。人間を人間としてではなく、モノのように扱うような人間のいうことは、だれも聞かないのだ。

 こんなことは、100年も前に経営学が発見した事実なのだ。

 政治家も党派を超えて気持ち良く仕事がしたいのだ。こんなときに、権力闘争など思っている政治家は少ないと思う。(もちろんゼロとはいわない)ほとんどの人が被災地のことを考えていると思う。

 だから、菅総理は、ドラッカーがいうように、みんな気持ちよく仕事をしてもうらうように、最高の場をあたえなければならないのだ。現状をみるかぎり、みんなそんな気持ちになれていないように思う。2カ月間我慢してきたのだだろう。機械のように。

 しかし、もう限界なのだろう。こんな状態では、今後も人は動かない。そうすると、カネもモノも動かないのだ。とにかく、早く菅内閣は早期に退陣し、特別な復興対策内閣を成立させて、みんな気持ちよく仕事をさせてあげることが先決だ。これは、政治的な問題ではなく、マネジメントの問題なのだ。

菊澤研宗: なぜ「改革」は合理的に失敗するのか 改革の不条理

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