女性検事はすごい。命令違反が組織を伸ばす。
大阪地検の証拠改ざん疑惑。この事件は衝撃的だ。公平であるべき裁判で、相手に罪をかぶせるために、検事が相手が不利になるように証拠を改ざんし、しかもそれを隠ぺいするという事件だ。もう世も末だ。この組織はどうなっているのだ。
記事
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc%2Fdomestic%2Fosaka_prosecutor_evidence_tampering%2F#backToPagetop
問題は二つに分けられる。
(1)なぜ改ざんしたのか。
(2)なぜ改ざんし、その発覚を恐れて隠ぺいしようとしのか。
(1)については、人事制度が問題なのかもしれない。多くの事件で相手に罪を認めさせると、昇進するという明示的ルールあるいは非明示的ルールがあったのかもしれない。それが、人間をこのような悪しき行動へと合理的に導いたのかもしれない。つまり、不条理を生み出したのかもしれない。
(2)も、組織の不条理だ。おそらく、この事件に関わるうちに、実はこの事件は「シロ」だと気づいたが、途中で後戻りできなくなったのではないか。後戻りするには、あまりに交渉取引コストが高いと認識したのだろう。マスコミ対応。組織の存亡。組織内での交渉取引コストの膨大さだ。
このままいけば、この組織は相当悪しき組織へと発展していただろう。しかし、この組織はまだ再生可能だと思う。この問題がどうなるかまだ未定だが、これを基礎に進歩できる可能性はある。
この意味で、この事件を明らかにした女性検事の正義には拍手を送りたい。彼女は、上司の命令を退け、自分の進退をかけて、正義に従い上司に迫ったのだ。すばらしい。私は言いたい。命令違反が組織を伸ばす!
拙著『命令違反が組織を伸ばす』光文社新書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334034136/kikuzawakensh-22
« 日テレのスト、いつかどこかでみた光景 | トップページ | 新刊『企業の不条理』中央経済社が間もなく発売! »
「2)不条理の経済学」カテゴリの記事
- 拙著『改革の不条理』に関する記事の紹介(2018.10.17)
- 働き方改革の不条理(2017.05.10)
- 人間に関する研究と不条理(2017.05.09)
- 連帯責任制度の功罪:不条理な制度(2016.10.10)
- 派閥をめぐる評価の不思議(2011.08.07)
コメント