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2010年10月11日 (月)

ドラッカーは奥が深い

 明日から、慶大丸の内キャンパスで、ドラッカー講座がはじまる。あらためて、ドラッカー研究をしてみると、やはりドラッカーは深くて面白い。

 まず、ドラッカーに驚かされるのは、その教養である。本当にたくさんの本を読んでいるようだ。それは哲学、文学、政治学、経済学、歴史など、恐るべしだ。とにかく、ドラッカーは、ヨーロッパのブルジョア知識人の伝統を受け継ぐ人物だ。

 しばしば、ドラッカーは統計的手法も数学も使用しないという点で、彼の議論は不正確で科学的ではないといわれるが、そんなことはもうどうでもいいのだ。やはり、彼はいいことを言っている。

 むしろ、統計的手法で正当化する議論はつまらないものが多い。また、数学を使った説明も比較的退屈で常識的なものが多いのだ。底が浅い。

 彼のフロイド批判で出てくるのだが、ドラッカーの常識では、物理学の大家はニュートンで、哲学の大家はカント、そして美学ではゲーテらしい。こういったフレーズにも、彼の教養を読みとることができるだろう。

ドラッカーは面白い。

 

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コメント

先生のブログをいつも拝読させていただいております。
先生の仰るとおりドラッガーはヨーロッパの知識人の伝統に属すると思います。
単なるご都合主義的に、ハウツーものでも読むようにこの巨人を論じる風潮はいかがなものかと思います。
ドラッガーは、思想家と呼ぶのがふさわしいと思います。ポパーやハーバーマスを論じるよにドラッガーを論じるべきだと思います。
先生のご講義を聴講できる慶応大学の学生さんたちはしあわせだと思います。

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