不況のときこそ、企業は社会的責任を!
企業の社会的責任論が展開されて久しい。企業は社会に対して貢献すべきである。そう言ってきた学者は多い。
具体的に、町おこしに協力するとか、花火大会にも参加するとか、あるいは福祉事業にも積極的に参加するとか、地球環境問題に参画するとか、社会事業に寄付するとか、いろいろいわれてきた。
しかし、こういった企業の社会的責任活動には、常に疑念が投げかけられてきた。その代表がミルトン・フリードマンだ。そんな活動をしてお金を使っても社会的にはなんのメリットもない。結局、そのような活動に使ったお金は商品価格に上乗せされ、最後に、しわ寄せが消費者にくるのだ。
では、企業の社会的責任活動とは何か。
私は、この不況の時期に企業が採用を減らさず、あえて採用数を維持あるいは拡大することだと思う。それは一方で供給者側の製品価格を上げるかもしれないが、他方需要者の所得も維持あるいは上げることになるのだ。
不況だから採用を減らし、好況だから採用を増やすというのは単なる個別企業の経済活動だ。しかし、そのような企業があえて企業の社会的責任活動という名のもとに活動したければ、不況期にあえて採用数を増やせばいいのだ。
それが、企業の社会的責任活動の一つだと思う。こういったことを、ドラッカーはいっていたように思う。
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